サブタイ「貧乏籤」はいきなり判明した。
あの政府との会談の席上で軍部としてはこれで講和したかったのに、政治家はこんな程度の条件では国民が納得しないと否定。ゼートゥーア中将が内乱がどうしたと言うのか、皇帝への叛逆が起きようと外敵に対する帝国の維持が軍部の務めだと言ったのがゼートゥーア中将更迭の原因となった。
ゼートゥーア中将は参謀本部を追い出されどこかに行かされるのだろう、多分東部戦線なのだろうなと思ったらそうだった。ルーデルドルフ中将から貧乏籤を引いたなと言われてこれでサブタイ回収かなと思ったが、いや、そんなものではない。

東部方面軍前進拠点に呼び出されるデグレチャフ中佐。デグレチャフさん、この時点では帝国中枢の残念な結果を知らない。なぜ呼び出されるのだろう。向かってる時はひょっとしたら講和関係だろうかと思いつつ停戦命令は出ていない。自分の感触もそうだしイルドア王国のカランドロ大佐だってこれで停戦だなと思っていた。合理的判断が出来る人間ならここは講和以外ありえない。
前進拠点の本部ともなると参謀本部の建物から見たら完全にあばら家。しかしそこに居たのはゼートゥーア中将。曰く、参謀本部から島流になった。衝撃のデグレチャフさん、自派閥のボスがしくじって島流?流石サラリーマンをそれなりにやったデグレチャフさんだからこれが何を意味するのか痛い程分かる。自分の将来がすげーヤバい。
それでも講和さえ成立したらそれでも何とか出来るかもと思ったけど、講和の話は吹っ飛んだ。それに反対したのでゼートゥーア中将が左遷された。膝から崩れ落ちるデグレチャフさん。

こうなった以上、ゼートゥーア中将としてはこれまで以上にデグレチャフ中佐に頑張って貰わねばならない。ええええ、これでなおこき使われる?
当然講和しないでもっと有利な条件を掴み取る戦略が用意されていなければならない。連邦が完全に継戦意志を失う様な勝利を得なければならない。そうして立てられたのが「アンドロメダ計画」だった。
どうやったら連邦の継戦意志を砕けるか。そこで目をつけたのが連邦の資源地帯。東部方面軍を資源地帯の確保に向かうA集団、戦線維持をするB集団に分ける。ゼートゥーア中将はB集団の指揮を執る。戦線維持をする側。
ゼートゥーア中将はデグレチャフ中佐を買ってるから計画書を見せて意見を求めた。パラパラと見たデグレチャフ中佐、奇譚のない意見を開陳。これは無謀。B集団が守る戦線はもう既に長くなりすぎていて、兵力が見合っていない。ここでさらにA集団が戦線を伸ばすともう維持が出来ない。アンドロメダ計画と言う名前も気に食わない。
デグレチャフ中佐の言う所は分かる、が、計画の変更は出来ない。だからB集団が取れる作戦を考えよ。マジで帝国はデグレチャフ中佐の頭脳に頼ってる。デグレチャフ中佐は主導権を握らねばならないと答える。ではどうやって主導権を握るか。こちらは勢力としては少ない。だから囮を使って敵を誘引し、引き込んだとこを撃滅。囮は魅力が必要で、しかも殺到する敵を持ちこたえる根性も必要。
ニヤリと答えるゼートゥーアさん。そこは大丈夫だ。私にも持ち札がある。この時点でデグレチャフ中佐は気づいていない。どこの誰か知らないがご愁傷さまなんて思っていて。囮はそう言う要件として誘引した敵を撃滅する強力な打撃力が必要。それが出来そうなのは今の東部方面軍には機甲師団が一つしか無い。でも簡単には動けまい。そうなると残ったのはサラマンダー戦闘団しかないな。
でもゼートゥーア中将はデグレチャフ中佐に過酷な要求はしないとまずは一言言うのでデグレチャフ中佐はとても喜んだが、続けた言葉が酷い。デグレチャフ中佐には囮になって貰う。囮になった上での打撃力もやれとは言わない。は?
ああ、また言い出しっぺの法則に絡め取られた。敵首都を焼いた戦闘団が囮になったら敵軍も喜んで釣られるだろう。
だが打撃力の不足が補われていない。そこでだ、デグレチャフ中佐の所の中隊をひとつ寄越せ。それがないと包囲される貴官を救援に向かう打撃力が足りないぞ。そう言われてデグレチャフ中佐はやむなくグランツ中尉の部隊を出す事にした。
これで役割は決まったな。
作戦の舞台はソルディム528と言う輸送拠点。敵もここの奪還を目指して来るだろう。状況が悪くとも死守せよ。

はい、今回、真の意味で貧乏籤を引いたのはデグレチャフ中佐でした。
無謀な戦いを求められてその中で努力するデグレチャフ中佐の現場に対して敵は考えている以上の事をして来る。
まずは連合王国。ドレイク大佐は連合王国の諜報機関ウルトラからの情報を掴んでいた。軍部と政府の対立の結果、参謀本部の将軍が東部にとばされた。その名もゼートゥーア中将。とびきり有能な軍人、だから、戦場で目にしたら何があっても殺せ。あれ?まさかゼートゥーア中将の死亡フラグ?
アンドロメダ計画の前提は連邦の航空戦力が撃滅された状態でだったが、合衆国の援助で再建されてしまっている。話が違うと大荒れのルーデルドルフ中将。これまで行政府との水面下の折衝はゼートゥーア中将がやっていたのに、それが欠けて参謀本部の機能が大幅に低下していた。
そこにウーガ中佐からの補給状況の報告。西部工業地帯への爆撃で生産が落ちていて補給が思う様にならない。ウーガ中佐としては全部正直に報告してるが、ルーデルドルフ中将は悪い知らせだけを受け取って苛ついていた。これがウーガ中佐に向けられて、ストレスが酷いウーガ中佐がCパートであんな事を言い出したのか。
そして連邦。あのソルディム528にラインの悪魔の反応を感知して占拠している。報告を受けたロリヤは部下が撃滅しましょうと言う提案に対して、生け捕りを命じた。まあねロリヤさんはあの幼女をお求めなので。表向きは「あの首都を焼いたけしからんヤツは生け捕りにして晒し者にしなくてはならない」だけど。
と言う事でロリヤの命令で膨大な連邦軍が直ちにソルディム528へ送られる。あまりに早い進撃と膨大な部隊でソルディム528は早くも押され気味だった。各部隊の状態はと言うと、装甲部隊は隠蔽に徹している、砲兵部隊は温存している、あのいきなり増えた部隊の部隊長もデグレチャフ中佐の下で成長していた。
そこに歩兵部隊のトスパン中尉から意見具申。以前教本どおりの事だけを言ってきたヤツかと思ったが、今回は違った。命令が欲しい。あまりに多い敵と遭遇したら軍教程では後退となっているが、現場指揮官のデグレチャフ中佐に死守命令を出してほしいと言うのだ。おまえも分かって来たじゃないか。

その時に敵の攻撃が迫る。歩兵が前進して来るが砲兵はそれに構わず砲撃してるので味方の歩兵まで巻き添えになっていた。流石共産主義者共、歩兵の損害など気にしていない。
メーベルト大尉からこちらも砲撃で応戦の命令をと求められたが、デグレチャフ中佐はヴァイス少佐に魔導航空部隊により敵砲弾の撃墜を命令した。出来ないとでも言うのか、だったらまた訓練だ。
これでヴァイス少佐が砲弾撃墜に向かったものの、連邦軍からも魔導部隊が上がって来る。共産主義者に一度は強制収容所に入れられたものの、背に腹は代えられないと呼び出されたヤツか。手ごわそうと思っていたが、今回こいつの攻撃で貴重なヴァイス少佐が。