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幼女戦記Ⅱ・第9話

連合王国第二戦隊を撃破してイルドア王国の港に凱旋入港するデグレチャフ中佐。雰囲気からイルドア王国に大歓迎されている訳ではないのは察知する。それでもカランドロ大佐はにこやかに迎え入れてくれた。

カランドロ大佐を見るにつけて帝国に対してイルドア王国の平和を思い知らされる。まずはカランドロ大佐の軍服。しっかりアイロンもかかって靴も綺麗だ。そう言えば東部戦線に来た時はどうだったのだろう。この時、対して我らがレルゲン大佐殿は、とか見比べるかと思ったのだが。

イルドア王国の王都への列車だろうか、食堂車には隊長のデグレチャフ中佐だけが招待されている模様。ここでデグレチャフ中佐は色々驚くしまたも思い知らされる。給仕されたウォーターサーバーがテーブルの端近くに置かれて、これでは揺れで落ちるのではと思ったが、列車が揺れない。イルドア王国の素晴らしい鉄道台車!イルドア王国では保線がちゃんと行き届いているのだ。
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そして供されたパンがまたちゃんとしたパン。帝都でちゃんとした食事が出来るレストランで出されたパンがアレだったのに。その後に出て来る料理がまた素晴らしい。何しろデグレチャフ中佐は転生前は現代日本と言う飽食の世界に居た。だからそんじょそこらの料理では驚かない筈なのにすっかり感服した。ところで転生から何年経ってるんだっけ。未だ現代日本の料理の味を覚えてるのかな。

このお礼にまた帝国の戦線に来た時はもてなしますと言うと、カランドロ大佐はそうだな観戦武官になった時はと言う言葉を漏らすと、やはりイルドア王国は敵にも味方にもならない、大戦は高みの見物かとしみじみ思った。

そして王都に到着。あの帝都の惨状と見比べざるを得ない。明るい。

カランドロ大佐はこの地で24時間の滞在の手配もしてくれている。イルドア王国はガスマン大将の図らいで小切手が第二〇三魔導大隊に支給された。ガスマン大将、ち、しかたねーな、穏便に通過して貰うには金を渡すに限るとか思ったか。
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ただ、ガソリンもと言うとデグレチャフ中佐の表情が変わる。一応感謝するとは言ったものの、言葉のトゲがキツイ。カランドロ大佐は、多分この人は立場に迫られなければいい人なのだろうけど、そう言ってくれるなとデグレチャフ中佐を宥める。

第二〇三魔導大隊の隊員は支給された小切手でしこたま飲み食いをする。今の帝国では出来ないしね。

そして列車に乗って帝国へ。途中で突如車内の様子が変わったから、すわ存在X登場かと思ったが、そうではない。国境を越えたのだ。たちまち保線状態が悪くなって列車の動揺が大きくなったのだ。
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これ、実は実際に似た事を体験していて、とある地方鉄道に行った時、そこには大手私鉄の車両が譲渡されて走っていたが乗ってみて驚いた。おかしい、この車両はこんなに揺れる車両では無い筈。さてはこの地方鉄道の保線状態が悪いのかと。東京以外の大手私鉄は知らないが、東京の大手私鉄の保線は凄い。動揺は無いし、静か。半世紀前、地下鉄の中では騒音でろくに会話も出来ないと言われていたが、車両の性能が上がったのもあるだろうが今の都内の地下鉄でそんな事は全くない。

イルドア王国の平和との違いを思い知らされたデグレチャフ中佐、次を考えねば。

イルドア王国の土産を配りながらレルゲン大佐の所へ行くと思わぬ情報をもたらされる。部下のメーベルト大尉とトスパン中尉が拘束された。なんだそれは。帝国西方の軍港。あ、サラマンダー戦闘団は東部から西部に移ったか。そこでの事件。敵らしき部隊が近づいて来たのでメーベルト大尉は砲撃許可を求めた。しかし待たされる。トスパン中尉の確認で敵魔導師であるのが分かって許可を待たずに発砲。するとあとから電話で何故砲撃しない、敵の接近を許すなとか寝ぼけた事を言われる。

この件で二人が拘束されたが流石にレルゲン大佐が憲兵司令部に怒鳴り込んで釈放させた。
こんな事態、二人とも早く講和がなるのをしみじみと望んでいる。

土産配りをしてるデグレチャフ中佐の所にロメール少将。何しろ第二〇三魔導大隊のおかげで無事に引き上げられたから感謝にたえない。それで飲み明かす、と言ってもロメール少将だけだが、したたかに飲んだくれる。このロメール少将にしてもいつ戦争が終わるのかと。

そして親玉のルーデルドルフ中将。当然ルーデルドルフ中将は戦況の悪さ、国家の状況の悪さは分かっている。だが最高統帥府にはこの時点でも夢があると言うのだ。戦況をひっくり返して講和して戦時賠償を求める。夢すぎるだろ。

この時点でもルーデルドルフ中将は軍が政治に容喙などせぬと一線を画す。

その上で漏らしたのは最高統帥府はイルドア王国の制圧を考え出したと言う。あの、未だ手つかずで物資が豊かなイルドア王国を制圧して戦争に引きずり込み、戦況を一変させようと言うつもりか。

そんな無理を、と思ったデグレチャフ中佐だが、カランドロ大佐の様子を思い出して、イルドア王国軍の緩み具合なら無理ではないのかもと思ってしまう。制圧だけなら。だからと言って戦争が思い通りになるか。
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検索したけれどどうしても出て来なかったが1970年代後半にボードゲームとしてエポック社がworld war gameを出してその中に第二次世界大戦の欧州戦線を舞台にした物があったと思う。エポック社かは確証が無いが。ともあれ、それでプレイしたが、私はじゃんけんの末にイギリスになった。ところがソ連担当が一瞬にして崩壊して戦線から離脱。やむなくイギリスの私は「負けない為」に北欧の征服をした。それを思い出した、イルドア王国の制圧は。

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