ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝~・第6話
中身玲琳の素晴らしい舞は清佳も認めざるを得ない。だから自分の女官が莉莉に無礼を働いたのは謝罪する。その上で中身玲琳からの質問。この簪を莉莉に渡した雅容と言う白練の女官は居るのか。
そう言われたが清佳には全く心当たりがない。では先程簪を盗まれた女官が居たと言うが、その女官とは。雅容の真相に迫りかねない流れだが、ここで中段が入る。
冬雪が血相を変えて入って来た。無礼を承知で皇后陛下に申し上げます。玲琳様が高熱で意識を失ってしまった。今までにない重篤な状態。
豪胆な絹秀はあの気丈な子が頑張ってもそれで駄目なら仕方ないとは言うが、それでもあの子が頑張って何かを求めるのならそれに応えたい、あらゆる手助けを惜しまぬ。
まあこの時点で、どんな薬師の薬も効かないとか言うのでは何をどうする事も出来ない。見舞う以外に出来る事がない。この場に居る一人を除いて。
絹秀皇后と尭明皇太子が退出しようとするのに中身玲琳が声をかける。うーん、一体どうやって何を言うのか。ストレートに自分が薬をと言っても誰も納得しまい。
どう言うのかと思ったら、看病の心得があると言う。それ、到底皇后も皇太子も信じまい。あの慧月にそんな事が出来るのかと。ともあれ一応「あらゆる手助け」とは言ったんだよね。
尭明も慧月を叱る。おまえが一体何を言うのか。普段から玲琳を妬んで終始疎ましげな視線を送っていたであろうにと。
ここで中身玲琳さんが衝撃。
え?そんな視線を送られていたの?気づいてなかったんかい(笑
慌てて繕うのだが、その内容が「確かに見つめておりました。彼女の事が好きだったのです」。それにツッコむ莉莉。
中身玲琳、ここで引けぬ。先程の舞の褒美として行かせて欲しい。でもこの時点でそう言われても尭明はうんとは言えない。そこで絹秀が機会を与えようと言った。ただ、それは看病の機会ではなく、信用を得る機会を。それを果たせたら許そう。
それは玄家に伝わる破魔の弓。それを一晩中打てたのならば。ただ、玄家は水の気を持つ家。そこの破魔の弓は水の気の強い神器。それを火の気の朱家が使うのは難しい。そう鷲官長が申し上げても、容易い試練など意味がないと言って渡す。
その時に莉莉が一旦受け取って渡すのだが莉莉から見て相当に重い弓だった。でも身体を鍛えた中身玲琳なら持つのは容易い。
やって見せましょう。
徹夜弓。
弓をうちはじめた中身玲琳。流石にいきなり弓を、しかも水の気の弓を使ってそう簡単に的には当てられない。みな逸れていた。莉莉が水を持って来たが、中身玲琳は先に持って来た食べ物も口にせずに一心不乱に弓を打っている。莉莉が何と言おうと。
尭明は忸怩たる思いで皇太子宮に居た。様々な権力を持っている自分なのにこの事態に何一つ出来ないで部屋で待つだけ。黄家から報せは何も来ない。あんなに愛した子なのに。
黄家からの知らせは来ていないが、宦官や女官の話を聞いたとして中身玲琳が既に三刻弓を引き続けていると言うのは届いた。そんなに?
ここまでやっているのを皇太子などの耳に届いて、鷲官長がやって来る。もう誠意は分かった。中身玲琳の様子を見かねたこの辺の女官や宦官が鷲官長に訴えたのだ。贖罪の為の行為ならもう良い、それは黄家からも確認を取った。でも未だ中身玲琳の薬は飲めない。そもそも飲める状態になっていない。ならばと中身玲琳はまた弓をひこうとしたのを鷲官長が見咎める。なんだその血で染まった手は。
中身玲琳、神器を血で汚さない様にしてるから大丈夫と言うが、周囲のみんなが言ってるのはそっちではない。中身玲琳の身体の事を言ってるのだ。鷲官長が止めようとしても聞かない。悪女が傷ついても関係ないでしょう。そこに報せが入った。玲琳の容態が回復しつつあると。
あの玄家の管理の弓、本当に破魔の力があるらしく、冒頭から「あれ?」と思っていた玲琳の部屋の香炉に変化が訪れた。
ともあれ玲琳の回復傾向を聞いた尭明は喜び、紫龍泉の水を汲みに行くと言って動き出した。しかも汲むのは二杯。
とうとう中身玲琳の矢が的に当たりだした。そのたびに香炉にひびが。香炉が損傷して行くたびに中身慧月の苦しみが弱まる。そして最後の矢が的中して香炉が壊れ、中身慧月が目覚めた。やりとげた中身玲琳だが、そこで力尽きて倒れる。
折角の八日連続気絶なし記録が途切れてしまう!
え?まだ八日しか経ってない?入れ替わってから?
Cパートがありました。
あばら家で気がついた中身玲琳だが、そこに冬雪がやって来る。中身玲琳の仕草を見て冬雪は確信した。あなた様は本当の玲琳様ですね!
お、とうとう気づいた人間が出たぞ。流石日々接していた女官だ。

