ふつつかな悪女ではございますが~雛宮蝶鼠とりかえ伝~・第5話
中元節が始まります。
尭明曰く、慧月はどの面下げてこの中元節に来ると言うのか。雛宮の全員に嫌われているばかりか後見人の朱雅媚からも出席をひかえろと言われたらしい。それに対して玲琳は例によって体調が悪いから出られないのは無念だと泣いていた。玲琳が泣いているのを見たのは初めてだ。気丈な子だった筈なのに。
そこに入って来た慧月。当然だが連れて来られた上級女官は一人だけ。
なのに二人、輝いている。
中身玲琳さん、この日の為に準備する日々が充実して大変ご満足の様子。ただ、席が無い。慧月は欠席する筈。ロクに舞も出来ず雛宮の者たちから嫌われ雅媚からも出席を止められたから来ない前提で清佳は準備した。
清佳は、慧月から席が無いと言われて来られる筈が無いと思っていたのに、それでも出て来る面の皮が厚いのなら座っても大丈夫なのではと煽る。なのに中身玲琳だと丈夫と言われる事の方が嬉しい。
流石に尭明はこの状況はよくないと清佳に椅子を用意しろと言うものの、中身玲琳はご配慮はありがたく頂戴しておいてここで大丈夫ですと床に座ってしまう。
この慧月の行いに動揺する清佳ではあったが、中元節を滞り無く進めなくては。こうして式次第は順に進み、雛姫の豊穣の舞が順番に行われる。最初に玄歌吹。清佳の見立てでは無骨ながら無難にまとめたなと。ちゃんと舞えた雛姫には各家から褒美の品が贈られる。あの貧しい庵生活では慧月は何も出せまいと思った清佳だったが、中身玲琳お手縫いの見事なくす玉が贈られた。
次に藍芳春は幼いながら練習は積んだ様だ。こちらにも各家からの贈り物。
そしてその次は清佳。流石に慧月に含む所があるとは言え、雛姫としての能力は高く、これまでの二人とは格の違う舞を見せ、見事な舞に尭明からも贈り物がある。清佳は思う。尭明皇太子がお褒めの品をくれた程の舞に、これまでの歌吹と芳春と同じ品を出して皇太子に無礼。どうするつもりかと見ていた。
すると慧月は近寄って来て、これしかありませんが、と言ってあの簪を出した。
この時点での中身玲琳は清佳がこれを黙って収めれば莉莉への束縛はこれで無かった事にすると意味になると考えていた。ただ清佳はこれは何だと言う顔をして見ている。そして周囲の女官は何だそれと嘲笑の声をあげる。
そう、ここで金家の女官の声を聞くと、莉莉に簪を渡して慧月をいじめろと言った女官が分かるかもしれない。声を聞くと。だがどれも違う。ただ聞いてるうちに莉莉の悪口になると中身玲琳が黙っていられない。あの怒った顔になっている。
女官が不始末をしたら雛姫が謝ってしかるべき。さあどうすると迫る中身玲琳だったが、ここで朱雅媚が声をあげた。声を出したよ。これ以上儀式を妨げて恥を晒す様な事はやめよと。それを聞いた中身玲琳、では儀式を妨げず恥にならなかればよいのですねと言って「さくっと舞ってまいります」と顔をあげる。
と言う事で中身玲琳の舞となるが、金家の女官が鈴に仕込んだ。中身玲琳が手に取ると鈴が全部ポロポロと落下。これには清佳がなんて事をしてくれたんだと睨むが、中身玲琳は動ぜず、不慮の事故として終わらせてはいけないと舞をする事にした。
その舞、莉莉に頼んで覚えた胡旋舞。見惚れる衆目の中でも清佳はやはり見る目がある。これは慧月が余程の修練を積んでいないと出来ない動きだと。
衆人は拍手喝采だし、尭明など身動き出来なくなっていた。
尭明からはこれまで見た中で最高の舞だった、しかし今ここでそれにふさわしい褒美は出せない。だから今はこの扇子を受け取れと、自らの扇子を出す。
ただ尭明の言い方にカチンと来た中身玲琳、取り敢えず礼を述べておいて後回しになっていた清佳との話の決着を。迫る慧月に清佳は折れた。こちらの女官が無礼をした。あなたの女官は素晴らしい。中身玲琳、それさえ聞ければ良い。
そして最後の質問。金家に雅容と言う白練(しろねり)の女官は居るか?
だが清佳には全く心当たりが無い。
だよねー。

