これ描いて死ね・第7話
コミティアが無事と言うか、成功裏に終わって王島南高校漫研は王島に帰る船の上。夜行便なので手島は生徒達をみな眠らせて自分は部屋に戻って、そしてそう言えば自分も若き頃に夜行便の船で王島に向かったな、寺村と一緒にと言うのを思い出した。
そこから今回は手島のへびちか先生のアシスタント時代の回想。
金剛寺から絵の練習をした方が良いと言われて「今、死ねと言いましたね」と反発した手島だったが、それが手島あこがれのへびちかの所だと聞いて途端に掌を返す。
そうして行った先が井の頭公園近くにあるらしい設定のへびちかの家。あそこ多分家だな。仕事用の家ではなさそう。漫画家はよく住む家と仕事場を別にする人も居るけどあそこは兼用。そしておしゃれにデザインされている。確か少女漫画家でおしゃれな洋館を建てた人が居るけどだれだったっけ。
手島はあこがれのへびちかの前ですっかり硬くなって金剛寺の注意も上の空。そして制作の部屋に入れて貰ったらそこにあの寺村がヘルプとして既に居たのだ。やはり誰かのアシスタント時代の知り合いだろうとは思っていたが。
寺村の他にアシスタントが二人居たけど、そのうちのチーフアシの夏草春枝がようこそ地獄へとかボソっと言う。なんの事かな。まあ以前の殺す気でとか、妙ににこやかとか、そう言うキャラだととても何かありそうだけど。
あ、アナログだ。寺村が新人漫画賞を取った時だから10年前だけど、それでももうアナログの人ってほとんど居ない時代なのでは。
取り敢えず案の定と言うかへびちかはこれが新人ちゃんの漫画か、全然駄目ねとにこやかに言った。なので先ずは線の引き方の練習をしましょうと言う事になった。来る日も来る日も定規を使って直線を描く。入りと抜きが大事。
へびちかはカレーを作ってふるまってくれるが、このあとずっとカレーだった。ともあれ手島はへびちかの一挙手一投足にすっかり浮かれていた。あまり金剛寺の話を聞かない。
それはともかく、金剛寺は手島にあの新人賞を取った作品をベースにして連載のネームを作りましょうとやらせて行く。でも手島としてはあれは読み切りの筈だったからそこから続きと言われても困る。だからネームを描いても決まらず色々言われた。言われたらそれに基づいて修正した。
ネームはへびちかにも見て貰った。やはり全然駄目ねー30点。もっと見せ場でがーっととか、この人は感覚でしか表現しない。
その結果がいびつなモノとなりつつあった。
そうこうするうちに寺村からはへびちかは暴君だからとか言われたり、そして実際にそれが夏草の絵に対するへびちかの指示で表面化したり。まあ今突然降りてきたから全部描き直しと言われては仕方ない。
寺村とは気が合わないと思っていたが、一つだけ共通点があった。寺村は実家が伊豆王島、手島も祖母の家がそうなのだ。あー、それで手島は王島に渡ったのか。
そして何万本かの練習線を描いた後
試しに背景描いてみる?と言われた。
描いてみたけど未だ未だねと言われた。側面が長すぎって、それはパースの問題なので実際に側面が長い家だったり見る角度だったりで長い事だってあるだろう。これね、小さい頃からの鉄道オタクだと幼い時点で身につけてる。だって列車描いたら絶対側面が短くなる絵が必要となるのだ。
へびちかは手島の観察眼の足りなさから視力の悪さを察した。手島のこの時点での視力は0.4。確かにギリギリでメガネ無くてもいいかなと言う視力だ。でもへびちかはメガネしろと言うのでかけてみたら世界が変わった。
そこからだ。手島の観察とそれを絵にする時にどうするかの考えが始まったのは。
手島にとってこれは勉強になったな。漫画描きとして変わったのだ。
そして一年後、手島は凄い背景を描く様になっていた。最終回向けの背景が細かい。
一方で自分のネームは化物の様になっていた。
こうして出来た渾身の背景だったが、へびちかに見せたら今思いついたけどこれら全部無しにしてラスト5P描き直そうと言い出した。新人ちゃんの絵が悪い訳じゃない(一年経ったのに新人ちゃん)。
これが手島にはこたえた。渾身の背景が没になったのもそうだし未だに新人ちゃん呼びなのもそうだし、何よりもあの時に今降りてきた内容と言う方が最高だったのだ。
これはもう殺すしかない。漫画を以て殺すしかない。
「殺す気」でネームを描いた。それがあのロボ太とポコ太。
そして打ち上げの日。手島はへびちかにこの描き直したネームを見せようとした。殺す気で描いた。どうするのかなと思ったらへびちかはネームを受け取らない。そんな目をする人はもう新人ちゃんではないのだ。

打ち上げ終わって手島と寺村は「最悪の仕事場だった」とこぼす。「笑顔のたえない職場です。」とは違うな。
回想終わって寺村どうしたかと思ったらベッドに居ない。甲板で安海達と話してた。まあ教師としては12時過ぎでも起きてたら指導するけど、ここで寺村は手島のアシスタント時代の苦労を話したらしい。が、今回の回想みたいな細かい内容ではなくて、誰のアシスタントだったかも言わなかったらしい。

