天幕のジャードゥーガル・第7話
私がドレゲネ様のジャダ石となりましょう、そう言ったシタラ。もうソルコクタニの奴隷ではない。表向きはソルコクタニに隷属してる事にするけど。
オゴタイ大カアンの所にチャガタイがやって来た。何かと思えば、あれってなんだったっけ、まあ何か賭けをしたみたいな場面が確かにあったが、あれは大カアンを蔑ろにする行為だったと謝罪に来て、大カアンのオゴタイに許しを請うたのだ。チンカイ曰くオゴタイの基盤が未だ盤石ではないのをチャガタイが儀式的に補強してくれた。
クリルタイが開催された。今後のモンゴルの方針を決めるクリルタイ。オゴタイの妃達も隣に座っている。第三妃のキルギスタニが分かるが、するとその隣は第二妃か。そこに第六妃ドレゲネがやって来た。普段は来ないのに。
臣下の席のテムゲが息子のオタイに説明する。今後の攻略対象とそれをどうするかがこのクリルタイで決まる。未だ金が踏みとどまっている時代。金への遠征でうまい立ち位置になりたいと考えていた。因みに南宋は北宋時代に悩まされた遼を倒すのに金の力を借りたけど背信行為もあったりして金の怒りを勝って淮河の北を取られた。今回もまたその金を倒すのに懲りもせずモンゴルを使おうとか考えている訳だが。
テムゲみたいな期待をしてる中でオゴタイは都を作りたいと言い出した。えー、今日はそれかよと言う顔をする面々。チャガタイなど「アチャー」とか言ってるし。臣下達は農耕民みたいに定住するなどまっぴらだと当然の文句が出たが、チンカイがそれを遮って大カアンのお話を聞けと促す。
都はモンゴル貴族が住む場所ではなくて、商工業の都にすると言うのだ。当然武器とかそう言うのをどこかで作る必要がある。そして商人の取引を通して交易を盛んにする。
でもその場のモンゴル貴族は何の事か理解出来ない。そこをトルイが声をあげた。それは良い話だ。だが戦争の話をしようぜ。どうやって金を滅ぼすかの。
上述したとおり淮河の北は金の領土になっている。金の都は嘗ての北宋の都の開封。大カアンは黄河の北に陣を張り、トルイが南から開封を攻める。それにあたってはテムゲに手伝って欲しい。金の住民を追い立てて開封の中に封じ込める。膨れ上がった人口を支える食料はやがて尽きるだろう。そこを叩く。
トルイの主導で作戦は決まった。
この作戦をドレゲネから聞かされたシタラは考えた。トルイの作戦は成功するだろう。その過程で開封の民が苦しむ。
トルイの作戦が成功すればモンゴルの中で内訌が起きるのを期待出来る、そうシタラは考えたのだが、場面変わって別の考えをする者出現。
モゲが見舞いに行った先はオゴタイの第一妃のボラクチン。ボラクチンはこの作戦を聞いてトルイの力が大きくなるとモンゴル内で力のバランスが崩れ分裂の危機が訪れる。それを防がねばならぬと言うのだ。シタラの反対の人間が出て来た。
オゴタイの軍が金攻めの為に動き出す。留守を預かるのはチャガタイ。今大カアンの所にチャガタイが来ていた。シタラはトルイに対抗する力としてチャガタイを期待したので、ドレゲネの使いとしてチャガタイの所へ向かったが、最近のシタラの動きを怪しむカダクがついてきた。
それを振り切る過程で今度はモゲの一行と遭遇してしまった。モゲが勝手に勘違いしてくれてその場は収まるけど、その時にシタラは思う。以前とモゲの印象が違う。そうだ、以前は立派な耳飾りがあったのだ。
うっかり口から出た耳飾りの言葉にモゲが反応した。以前大カアンが遭遇した農民からメロンを買うのにあの耳飾りをやってしまった。だがオゴタイはいづれ戻って来るだろうと言う。このエピソード、交易路の話に繋がる。
大カアンの所に西からの商人が来ていた。そしてあの耳飾りも来ていた。ホラーサーンで会った商人から手に入れた。あまりに立派な真珠だったので出どころを聞いた。ウイグル人の町で手に入れた。立派すぎる真珠の耳飾りだったので献上品として持って来た。
オゴタイはそれは良かったと商品を全部買い取ってやろうと言うのだ、気前よく。
その商人達にシタラは聞いた。何故ホラーサーンからモンゴルまで来たのか。怖くはないのか。途中の襲撃とかなかったのか。
商人達曰く、だってモンゴルは高く買ってくれる。それにモンゴルの支配になった草原は以前とは違って安全に通行出来る様になった。あの皇帝は大したお方だ。都で交易をしたいと言い出したオゴタイ、東西の交易路を作り上げた。
モンゴルによって人類に世界史が生まれた時代だった。

