幼女戦記Ⅱ・第6話
貴重なヴァイス少佐の負傷によって連邦軍自体に魔導部隊が居る事を知れる。共産主義者によって反革命分子として追放されラーゲリ(の強制労働施設?)に入れられていた筈の魔導部隊を連邦は引きずり出して来たのか。
幸いな事に連邦軍のミケル大佐は「党の指導」によってソルディム528の包囲すると言う役割を果たすと深追いせずに引き上げた。これに納得しないのが例のメアリー・スー中尉。ラインの悪魔を討ち滅ぼしましょうと。共産党の圧迫が骨身に染みているミケル大佐は党の命令以外の事はしない。食い下がるスー中尉だが流石にドレイク中佐が止めた。
東部軍の司令部ではゼートゥーア中将が師団長達に包囲されたレルゲン戦闘団の救援に向かえと言っていたが、師団長達は動かない。あれ、そんな命令に従わないのは許されるのか。まあ無理な作戦ではあるけれど。
動かない指揮官達にこれ以上の説得は無駄だと思ったゼートゥーア中将は下がってグランツ中尉を呼び出した。散歩に行かないか。既に戦略予備のクラム師団長には話をつけてある。デグレチャフ中佐の下で鍛えられたグランツ中尉、その意図を汲み喜んでと答えたが、ゼートゥーア中将が一緒に出ようとして面食らった。先頭に立つゼートゥーア中将を皆が止めるが。
この動きは一応暗号化された電文でデグレチャフ中佐に届けられた。援軍が動き出した。「速やかに行動を開始せよ」これは「最適な行動を選択しろ」と言う意味かと思ったデグレチャフ中佐だが、ではその最適な行動とは。
救援部隊はたちまち会敵。攻撃されてもグランツ中尉が守るからと動じないゼートゥーア中将。
その頃連邦軍の包囲司令部にも帝国軍の解囲軍がソルディム528に向かっていると戦闘発生の報せが入る。しかも傍受した無線の内容から東部軍の司令官であるゼートゥーア中将であろうと推測された。
ドレイク中佐は思い出した。「おじさん」のドレイク大佐から言われていた。ゼートゥーア中将は帝国でもとびきりの有能な軍人。見かけたら必ず殺せと。その好機がやって来た。
これは行かねばならぬ。しかしタネーチカ中尉は本来のソルディム528包囲作戦から外れると一旦止めるが、ミケル大佐がドレイク中佐の意図を理解して党から連携を指示された部隊が行くのなら見殺しには出来ない。それが党の意向を汲む行動だと言うので、それならばとタネーチカ中尉は認めた。
ゼートゥーア中将の援軍の前には連邦軍の本格的な部隊が出現。その数から突破は不可能と思われたが、ゼートゥーア中将曰くこれは挟撃作となると言うのだ。こちらに敵軍を引きつけて背後からデグレチャフ中佐の魔導部隊が敵部隊を叩く。なるほど、そんな作戦をデグレチャフ中佐と立てていたんですねと感心するクラム師団長とグランツ中尉だったが、いや、今思いついた作戦だと言うのだ。連絡などしていない。まあ「最適な行動を選択しろ」と連絡したらデグレチャフ中佐ならやってくれる。
そのデグレチャフ中佐の方は通信傍受によって連邦軍の動きに変化があったのを知る。救援軍に向かっているが、そこには重要目標が司令機能があると言ってるのだ。これ、セレブリャコーフ中尉が同時通訳してると言う事は平文か。
それを聞いたデグレチャフ中佐、司令部が露呈したと交信を交わす連邦軍の内容を聞いて、ゼートゥーア中将がそんなヘマをする訳がない。であるならばこれは囮だ。閣下自らが大きな囮となって敵を引きつけているのだ。引きつけているなら我々がすべき事はその敵の背後を突く事だ。
しかしソルディム528が妙に静かな事でドレイク中佐が感づく。敵魔導部隊は救援軍の方へ向かっている。今がソルディム528を叩くチャンスだ。しかし硬直した党の司令はそう簡単には覆せない。タネーチカ中尉がその方針を飲まない。連邦軍は動かない。ここまではデグレチャフ中佐の望んだ状況だったのだが。
またぞろ都合の良いところでスー中尉がこれを聞くのだ。ラインの悪魔が出撃したと聞いたらもう止まらない。勝手に出撃。これにはドレイク中佐も一人だけ見殺しには出来ないと部隊を引き連れざるを得なかった。
勝手がすぎる連合王国軍部隊の動きを党に報告するタネーチカ中尉。取り敢えず党に報告はしなければならない。勝手に動いたのを黙って見ていたのかと後から糾弾されかねない。ところがラインの悪魔を追って出撃したと言ったら党の命令が変わった。そうだよね、ロリヤは妖精さんを捕まえるのが最大の目的なのだから。
だからタネーチカ中尉はミケル大佐に新しい命令を伝える。連合王国軍部隊を追い、ラインの悪魔を確保せよ。
先走ったスー中尉が魔導反応を追って行った先は、用心の為にデコイとして別行動を取っていたセレブリャコーフ中尉だった。ラインの悪魔ではないと知ったスー中尉は怒りのあまりに闇雲に攻撃。
これで無事に敵軍の背後を突けるかと思ったのに、ミケル大佐が追いついた。何故追いつける。そしてこの連邦軍の魔導部隊が強い。と言うか、先ず硬い。連携が良いのは練度が高い証拠ではあるが、防殻魔法がやけに硬い。革命前の魔導部隊、どんな術式を編み出していたんだ。
デグレチャフ中佐の強力な攻撃を守り切る。ラーゲリの風に比べたらぬるいと。
デグレチャフ中佐の背後からの攻撃が間に合わないとゼートゥーア中将の部隊が危うい。あ、これ、やはりゼートゥーア中将の戦死フラグ?軍旗をあげよ。
「高級将官が死ぬ。後ろの連中も目を覚ます」
それか。自らを捧げてレルゲン戦闘団救援軍を動かそうと言うのか。
これでさらにデグレチャフ中佐の目の色が変わった。硬い連邦の魔導部隊の防殻魔術を破って肉薄。そこでデグレチャフ中佐の弾切れだったが、ミケル大佐の宝珠の方も切れた。
これでデグレチャフ中佐の魔導部隊が連邦軍を殲滅。地上に降りたデグレチャフ中佐の背中にゼートゥーア中将。見事なアルテだ。これが終わったらお茶に誘いたい。これが帝国の文化。獣と一線を画す。「たとえ神聖ローマ帝国が塵と消えようとも神聖なるドイツの文化は不滅である」ではないが、これが我が帝国であり、東方の野蛮な連中とは違うと言う。

