天幕のジャードゥーガル・第6話
前回、シタラの様子「どうせあなた様には分からないでしょう」と言った時の表情を見てシタラを自分の奴隷だと言って連れて帰ったドレゲネ。今回はそのドレゲネの物語。
始まってドレゲネがナイマン部の出身だと知る。ナイマン部か、そう言われてもモンゴルに征服された時に登場する名前でしか覚えてないからなあ。
しかもドレゲネはそのナイマン部からメルキトへ、そのウハズ氏族の長ダイル・ウスンのもとへ政略結婚で嫁がされる。その頃のドレゲネはどうせ自分は相手への宝石や毛皮の贈り物と同類だと諦観の様子で嫁ぐ。
それにダイル・ウスンは結構な年齢で(何歳なんだろう、この時代のこの部族では高齢に見えても実は四十代とかあるからなあ)、ドレゲネとはあまり接触せずに出撃などを繰り返す。
だから相変わらず自分はただのモノだと思っていたドレゲネは、或日メルキトのテントから外に出て、居なくなっても誰もきづくまいと思ったのに、突如止まれ動くなと言う声で呼び止められる。
これで捕まるのかと思ったら、射掛けられた矢はドレゲネの足元の蛇を狙ったもので、ドレゲネの所に来た二人は無事で良かったと言ってくれる。これがクランとクルトガン。クランはあのダイルの娘(ほら、娘がこんなに若く見える..見えるけど、この作品は全員若く見えるからなあ)で、クルトガンの方は別の氏族の族長の子だそうだ。
この二人のおかげでドレゲネはメルキトでの暮らしが変わって行く。どんどん馴染んで行って、今はも以前の様に宝石や毛皮みたいなモノだとは考えない様になって行った。
なのに災厄はやって来る。元々メルキトはモンゴルは以前から戦っていた。仇敵みたいな関係だった。そしてとうとうテムジンの登場によって力関係が崩れ、モンゴルはメルキトを圧迫して行く。メルキトにやって来た時にドレゲネが感じた「何かに追われている」と言うのはそう言う状況だった。
今回の戦いではとうとうモンゴルに追い詰められる事態となった。そこでダイルは、以前クランが言っていた精霊と話すカムの力を使って部族の未来を占う事にした。クランも言っていた北に流れる数多くの河川の源にその地がある。それがモンゴルであって、ダイルはモンゴルに投降する事を決めた。
一族の女を集めてダイルはモンゴル兵に引き渡した。この時にダイルが最後にドレゲネに渡したのが小さなジャダ石。ああなるほど、それではジャダ石が無くなったら必死に探す訳だ。そしてそれ程に大事なジャダ石なら自分の物とシタラの物が全然違うと言うのは一目で分かる。
ダイルが引き渡す時に彼女達はもうメルキトとは無関係この先も、ちゃんとカンにそれを伝えろと。妙にもうメルキトと無関係、などと言うのを強調したと思ったら、その後男達は叛乱を起こす。モンゴルがメルキトを許そうとメルキトはモンゴルを許さない。我々は森の狩人で羊飼いの連中に屈する事はないと。
だが強力なオゴタイ軍によって鎮圧され、ダイルも、そしてクルトガンも戦死。
約束どおりに「もうメルキトではない」と言われた女達はオゴタイの所へ連れて行かれるが、投稿の印として差し出されたクランがそこに居て「愚かな父が招いた当然の事、カンの御威光は何人たりとも傷つけられない」と言いつつ歪んだ笑顔を見せていた。
あの時、ドレゲネは理解出来なかった。あのクランがまるで父ダイルを見捨てたかの様な笑みを浮かべた事を。
だが、今回シタラがチャガタイに向けて同じ笑みを見せてやっと気がついた。あれはあちら側について浮かべた笑みではない。屈辱を噛み締めてその怨念を持ちつつも浮かべた笑みだと。
だから問おう。おまえは何者か。
答えに窮していたシタラだが、ドレゲネは問い詰める訳ではなく、誰なのかはこれ以上問わないが、モンゴルに対する復讐心があるのだけは分かる。共にモンゴルに災いをもたらす事をしてくれないか。
シタラはそこで自分の本当の身分と名前を明かす。モンゴルに主人であるファーティマを殺された事や、それの報復として取り戻したい物がある事を。その上で自分が手に入れたジャダ石をドレゲネに差し出して、自分が新たなジャダ石になりましょうと告げる。

