これ描いて死ね・第2話
安海が☆野0に会いたい本を買いたいとこっそりコミティアに行ったら、☆野0はやはり手島先生だった。今は教師が本分の手島、無理矢理安海を連れて帰る。今日の事はお互いの秘密にしろと念押しして。安海は仰せのままにと言ったのに、週明けにあっさりと赤福にバラしちゃった。
赤福は父親がワイルドでこの島に引っ越して来たらしいが、ワイルドなせいでエアコンなど要らぬと家につけていない。島だったらそんなには暑くならないのではと思ったけど、実はつい先日伊豆諸島に熱中症警戒アラートが出たのだ。マジか。海風があるから暑くなってもなんとか凌げると思ったのに。
だから赤福はこの夏をどうしようと思っていた。そこに降って湧いた手島先生の話だった。これは使えると思ったに違いない。安海と一緒に手島先生の所へ行く。
安海はどうしても手島先生に漫画の描き方を教わりたい。だから漫画同好会を設立し、手島先生に顧問をお願いしたいと頼みに行く。勿論赤福の目的は漫画ではなく同好会が出来たら部室が確保されそこにはエアコンがあるだろうから夏を乗り切れると考えたのだ。だから手島先生を脅す。教師って副業いいんでしたっけ?
あの程度だと副業にはならないんじゃないかな。まあ以前がプロだから副業の範疇に入ってしまうのかもしれない。
そう言われた手島先生、だったら一週間で漫画を一本描いて出せと言う。
手島にはある程度の算段があった。漫画を描くのは大変な労力がかかる。それに懲りて安海は諦めるかもしれない。
その予想どおり安海はどう描いたら良いのか苦しんでいた。それまで全く描いた事が無くて高校生になってから始めたらそうかもしれない。後から完成品はノートにボールペンで描かれたと分かるが、これはそうなるだろう。いきなりペン画は無理だよ。私は物心ついた頃には鉛筆でチラシ裏に漫画を描いていて中一でボールペンで描き出した。安海がそうだった様に下書き無しでボールペンの一発描き。中二で「漫画家はペンで描いてる」と言う事から初めてペンを握った。これが駄目なんだ。ペンは紙に引っ掛かる。漫画家はケント紙に描いてるって書かれていたけどケント紙なんて高くて買えなくて白い上質紙に描いていた。なので安海の段階はよく分かる。
手島と貸本屋の店主寺村は昔馴染だった様だ。てっきり貸本屋は安海が見た幻の可能性も考えたけど、「ロボ太とポコ太」に出て来るキャラが寺村に似てたのはそのせいかもしれない。
ここで手島の回想。大学の卒業が近づいて就職がチラついて来た時に思い立って漫画を描いてみた。自意識過剰だと自分で思った作品が出来た。それをスピリッツの編集部に持ち込んで駄目だろうなと思ったのに、編集さん、興味を持ってくれた。
あれ?この編集さんのままだと手島が漫画を諦める流れにならない感じがするが、だとすると突然編集が変わるのかな。
手島は一週間で漫画を一本描いて来られるか、描けないけどそれでも同好会を作りたくて脅して来るのなら辞表を出すと言う。寺村がタバコを吸う時に手島がライターを出すが、手島もタバコを吸うのか?吸わない人間がライターなど持ってる訳がないと思ったが、この後寺村から未だ諦めてないじゃないか、ライターを持ってるのだからと言うので気がついた。
ああそうか!
漫画を描くのにデジタルに移って随分時間が経ったからアナログでの描き方を忘れてたよ。おろしたてのペンは若干の油分が付いてるから使い始める前にライターで軽く炙る。やったやった。
と思って一応確認をしてみたら衝撃の事実。
先ずは赤松健さんの14年前のポスト
https://x.com/KenAkamatsu/status/254976932263886848 ゼブラでは油は使っていない、都市伝説、との事。
半世紀以上信じてたよ!
一週間後、安海は漫画を描いて来た。ノート一冊に。初めて見様見真似でノートに描いたのだから、ボールペンで描いてるし、当然構成コマ割りセリフ回し全部が素人のそれだった。でも読んだ手島が惹かれたのは事実だった。
よし認めよう(赤福は描いてないけど)。これが同好会の申請書だ。そう渡された申請書だったが、構成要員としては三名が必要だった。
三人目、居るよね。絵の上手い子。
でもあの子は自分を押し殺している子だった。

