透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。・第4話
さて空野は冬月とデートする事になりました。
デート前にシャワー浴びるとかと鳴海にからかわれるけど、鳴海からしたら冬月と付き合いたいんだろと言うのが明白なのに空野は自分がどうしたいのかが未だ分かっていない。空野から見て未だ普通ではないのだ、冬月との付き合い方が。
どこで待ち合わせかと思ったら相生橋の西南橋詰だった。空野は東京海洋大学の寮だからそこが近いのは分かるが、冬月の住まいはどこって設定なのかな。空野はちょっと冬月との会話の仕方に慣れて来ていて、声をかけて自分が誰なのかを名乗る。冬月の方は軽口を叩く程に自然なお付き合いの口調なんだよね。
浅草橋の花火屋に行くので、地下鉄月島駅へ向かうのだが、ここでは未だ対話の仕方に慣れていないのが出る。月島駅はこっち、って指さしても冬月には分からない。
さて、ここで気づきました。日本語とか英語だと月島駅は左手とかそう言う風に方向を指すけど、世界の言語の中ではどっち方向と言うのを東西南北と言う地球上での絶対的な方向で表現するものがある。例えばグーグ・イミディル語とか。そう言う話者だと見えてなくても方向を無条件に表現できるんだけどなあと思った。そう言う言語の話者は建物の中に入ってグルグル歩き回っても東西南北が分かるのだそうだ。
冬月さん、楽しみだなあってスキップが出来るんだけど。
冬月が乗りやすい様にと地下鉄を選んだと言うが、え?月島駅から浅草橋駅までどんなルートなの?特に乗車した電車の車端にクロスシートがあるのってどの路線だったっけ。検索したら浅草橋に乗り入れる京急や住宅・都市整備公団9100形にあるみたいだが。
あ、白杖持ってる人が居たら私は譲りますよ。高齢者だけど、普通に立てるから。
空野は冬月にどうして花火がしたいのか聞いてみたが、花火は見るだけじゃないし、目が見えた頃に親と見に行った思い出もあるし。でも花火がしたいと思ったのは目が見えなくなってから。頑張りたい気持ちで。
浅草橋駅で降りて店の方に向かったら歩きスマホをしてる男が冬月とぶつかる。こいつぶつかってそのまま行ってしまった。当然空野は怒るのだが、それを冬月が押し留めた。声が尖ってるよと。
取り敢えず浅草橋のカフェに入ったのだが、これがまあ早瀬が都合よくアルバイトをしてる店だった。早瀬、二人で仲良くデートですかって顔して見る。空野はあっさり注文出来るけど、冬月には読んであげるものの、早瀬が気を利かせて人気商品を言ってくれた。ここでも空野が「こんな大きなサイズ」とか指さすけど、見えないよね。ここも早瀬が気を利かせてホットなら普通のサイズだよと言ってくれる。
でもミルクティーだけで良いのか。食べているところを見られるのが苦手だと言うのだが、空野がそう言う女子多いよねと言うと、そんな普通の女の子扱いが嬉しいと感じる冬月。食べる時に見られたくないってのはうまく行かないからかなあ。
空野は聞いてみた。目が見えないってどう言う感じなのか。どう言う感じと聞きたくなるけど、どこの部分に問題が起きたかでどう言う知覚になってるか違うんじゃないかな。今回冬月は白いモヤみたいな感じと言っていた。
花火屋に到着。沢山あって、どんなのがあるのか聞かれるけど説明が大変そうと思ったが、空野は解説を読み上げて教えて上げた。その結果、あれもこれもとカゴがいっぱいに。流石冬月財閥だな。
買い込んで、どこでやるかと言うと、その周辺だとやはり大学かな。大量に花火を持ってるから空野が寮へ持って帰る。
帰りはどうするか。冬月の提案で水上バスへ。探してみたら蔵前橋(両国)から越中島への便があるらしい。さっき見たら東京水辺ルートが当面運休って出てたけど。詳細を見たら「現在運航している「あじさい」、「さくら」、「こすもす」が、老朽化のため、東京都により順次廃船されることとなりました。」って、作中で登場した水上バスはもう見られません。マジかー。
そのもう乗られない水上バスに乗って、やはり冬月としては船室の上のデッキの方を選んだ。風とか感じられるしね。でもデッキへ上がる階段は狭くて急だから手を繋いで上がるしかないね。やったね、手を繋いだよ。
でも空野は未だ自分の気持ちが分かっていない。僕でいいならいつでも乗せてあげるよ、なんて約束出来ない。景色がどうかと聞かれて言葉で説明するけど、ペンで描いた跡が盛り上がるデバイスって無いのかな。あったら描いて教えられるんだけど。
こう言う景色の絵を。

