幼女戦記Ⅱ・第4話
鉄槌作戦発動。
ルーデルドルフ中将が墓参りしているが、ゼートゥーア中将との会話を聞くとどうも娘婿が戦死したらしい。そのショックで南部に疎開している様だ。ルーデルドルフの家族もこの戦争で犠牲になっている。ひょっとしたらルーデルドルフが敵撃滅に燃えるのはその辺の事情があるのかもしれない。
そして乾坤一擲の大反撃。これを聞いた時点ではそう言うのは大抵成功しないと思ったけど物語は違う方向で戦争を続ける事になる。ゼートゥーアは以前からそうだしルーデルドルフもやはり終わらせたがっている。
参謀本部での会議の席上、参謀本部長は最高統帥府の結論として無賠償無割譲無条件での講和は飲めないと報告する。軍部の条件としてはルーデルドルフが切り出すが安全保障が最優先。敵が帝国に攻め込まない為に緩衝地帯となる非武装地帯を設ける。
デグレチャフ中佐の所にも命令書の開封命令が届く。あまり良い命令が来るとは思っていなかったデグレチャフ中佐、読んでみたらまあその通りだった。
サラマンダー戦闘団の将校を集めての命令伝達。その前に集まった面々の様子を伺って見てみたが、この状況で攻勢とはと不安がる新規加入将校達。一方でもう慣れっこになってしまっていた以前からの将校達。仕方ない、自分もこの状況に慣れるしかないと表に出る。
今回の鉄槌作戦の主目的は連邦の主力を壊滅させて継戦能力を奪う事にある。嫌でも講和の席に座らせる為に。それが参謀本部が考えた大目標。
ではどうするかと言うと、現在の戦線は敵連邦軍の背後に大河が存在する。この大河を利用する。大河を渡る数少ない橋を帝国空挺部隊の降下猟兵が占拠して退路を断つ。そうしておいて前面からの包囲大攻勢によって主力を壊滅させる。
サラマンダー戦闘団の役割は敵背後に降りて橋を確保した降下猟兵の援軍。その為には敵主力を打通せねばならない。え?どうやって。
取り敢えず帝国が航空優勢は確保してある。だから空から攻撃を受ける事はない。それでも敵の防衛線は分厚い。そこを聞かれたデグレチャフ中佐の顔面がひくついた。全然嬉しくない方法なのだろう。
地図には連邦軍の管轄区域の図が載せられた。これ、この時代だと当然透明のプラスチックフィルムじゃなくて、多分パラフィン紙なんじゃないかな。とにかく敵戦区の感激を打通せよと言うのが参謀本部の命令。
そこでアーレンス大尉の出番です。地上を戦車などに乗って、地上の高速移動。道は悪いし敵に発見されたら肉壁の的にされてしまう。みんな敵の攻撃に神経を尖らせつつ乗り心地の悪い戦車の上で疲弊していた。ノイマン中尉だけいつも通りに呑気だけど。
こうして何日か経っただろうか、河川が見えた。やっと着いたと思ったら敵兵が。緊張が走るが、しっかり見たらあれは友軍のヘルメットではないか。こちらもヘルメットを振れ。
当然降下猟兵は味方の到着に喜んだ。もう弾薬が尽きかけている。ではこちらの弾薬を提供しよう。そちらからは水を貰いたい。眼の前に川があるがと言う降下猟兵の司令官に、デグレチャフ中佐はそれは貴官らの獲物だ。それを貰う事で水と弾薬の物々交換だ。いきな配慮をするなデグレチャフ中佐。
これは直ちに参謀本部に伝達される。第六降下猟兵とレルゲン戦闘団が接触。まあ形の上ではレルゲン大佐の下だけど、そう言う風に呼ぶ事は欺瞞にもなる。
作戦は順調。これで敵を包囲殲滅出来る。帝国軍主力を向かわせるがより効果的に敵を打ちのめすには敵司令部を直撃するのが良い。あーあ、敵司令部直撃って誰に命令が行くかもう分かってるじゃないか。
いくらデグレチャフ中佐の航空魔導大隊とは言っても敵がうじゃうじゃ居る場所でのただの予想された敵司令部を叩くのは簡単な話ではない。強力な反撃を受けて損傷も大きい。これはもう駄目だ。陣地を突破して敵司令部らしき物を見つけてもそれが本当の司令部か分からない。よって隊列を整えたまま離脱捜索撃滅に入る。離脱しながらだ。
と思ったら見つけちゃったよ(笑)。
あのバカ(誰だ、彼は)散々誤認しておいてここに来て発見かよと怒り心頭のデグレチャフ中佐、もう怒りの鉄槌しかない。これに巻き込まれたら大変だと大隊は全員退避。
敵司令部撃滅を聞いて喜びに湧く参謀本部。
勝ったなガハハ。
こうして鉄槌作戦は成功裏に終わった。イルドア王国の観戦武官カランドロ大佐もこの戦果には褒め称えるしかない。
連邦では流石に今回の損耗にはショックを受けている。だから政治局は講和を望んでいるらしい。ロリヤが悔しがっていた。あの「妖精さん」を手中に収められないではないか。くそ、っと書類を散らかした中に帝国の新聞を見た。何だこれは。帝国の世論はこの戦勝に沸き立っている?これは使える。統制されていない衆愚主義は利用出来る。
その統制されていない衆愚主義に犯された最高統帥府の政治側。軍部が考えた講和条件では全く納得出来ない。こんな程度が有利な講和条件?笑わせるなと。
ゼートゥーア中将は歯に衣着せぬ。これで帝国内で講和に反対する内乱が起きようと軍は知った事ではない。軍が真に対峙せねばならぬのは敵国なのだと。
ルーデルドルフ中将に話の向きが変えられた。帝国軍はこれ以上の勝利は無理なのか。難しい。不可能ではない?軍の職務は外的から祖国を守る事であり、その使命を達成する為ならば犠牲ははらう。ゼートゥーア中将震える手を抑えるのがやっとだ。
ルーデルドルフ中将は言う「そこまで勝てとおっしゃるのなら勝ってみせましょう。どんな犠牲があろうとも」。
駄目だ。下手に戦闘で勝ってるから政治家が戦争終結に目を向けられない。軍部の方が現実的だった。またさらなる犠牲が増えてしまう。

