透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。・第3話
どんどん仲良くなって日常的にテラスでお茶する空野と冬月。ところが今回は冬月のマイ自販機でいつも飲むミルクティーが売り切れらしく反応しない。そこで冬月は勘でボタンを推して買ってみた。そんな闇雲に買うなんてあるのかと思った空野だけど、眼の前の事象はそうかもしれないが、様々な場面で登場する「じゃあジュース買って来るね」「ああ、任せた」はそれとほぼ同等なんだけど。私は偏食が際立っているのでそう言う場面では絶対自分も行って自分で確かめて買う。誰かに任せるのはありえない。
ところで講義の後に時間が空くと一緒にお茶するのが習慣となった「テラス」だが、昨日実際に行ってみたらテラスじゃないです。単なる自販機でコーナー。いや、ひょっとしたら昨日は海の日行事とオープンキャンパスをやっていて人が多いから椅子とテーブルをどかした可能性もあるけど、兎に角そんな素敵な空間ではなかった。あそこ憧れたのに。
闇雲に買った飲み物が悪い予感がすると言う冬月。ああ、炭酸が苦手なのか。でも目が見えなくとも匂いで分かるのでは。兎に角苦手で、冬月は残りを空野に託す。そうです、これはすぐに気がつく。関節キスではと。まあコップの別の方、特にリップクリームがついてない方がはっきりしてるから大丈夫では。
そこにやって来た早瀬と鳴海。たまたま会ってもう講義が無いからどこかに行こう。そうか、あの飲み会の時に鳴海が早瀬と冬月の所へ行こうって誘ったんだっけ。だからもう知り合いか。
どこに?冬月の提案でカラオケに行く事になった。初めてのカラオケだそうだ。冬月、やりたい事の一つがかなったかな。そして歌いたい曲は花火の曲。やはり花火は外せない要素だった。歌は順番に進むけど、空野君だけが上手じゃないと言う設定。ああ、気を使わせるってのはああ言う事をするのか。
さてまたテラス席。冬月は本を読んでいた。気配を消すと居なくなった感覚に襲われるそうだ。
冬月が「いつも読んでる本」はアンネの日記だそうだ。タイトル見せられても空野には読めない。私も分からない。今回ふと思った。よく手話は別の言語だと言われる。点字は母語の文字をそのまま点字にしてるのだろうか。漢字かな混じり文の日本語ではどうしてるのだろう。アルファベットみたいに少ない限られた文字数じゃないから、やはり仮名文字だけが点字化されているのか。調べてみたらそうだった。そして母音と子音によってある程度場所も決まっていた。
渡された本を空野が開いてみたら黄色い栞が挟まっている。冬月が自分で作ったもので、点字で何か書いてある。
花火の話になって空野は下関に居た頃の花火大会の思い出を語る。何しろ日本で二番目に人が来る花火大会だそうで(さっき検索したら三番目だったけど、その辺は変わるだろう)、感想は「混んでた」。
でも冬月からしたらそこに居る人々みんなが花火に惹き込まれているのが良いと言う。
栞に書かれているのはどうも「死ぬまでにやりたい事リスト」みたいだ。人間、いつ死ぬとも限りませんよと言う冬月だが、ここで不吉な話を出して来たなあ。途中に挟まっているCMで「この夏、最も涙する物語。」って言ってるんだから、このまま順調では済まないのでは。
そう思ったところで栞が風に煽られて飛んで行ってしまう。無くしてしまってひたすら謝る空野。
文月は構わないと言った後で、花火研究会と言うのがあると言い出す。ポンドの横にプレハブがあって、そこに花火研究会があると言うのを早瀬から聞いたので連れて行って欲しいと言う。栞を無くした後ろめたさで空野が案内する。
到着した花火研究会の部室は....荒れ果てた小屋。これは駄目かもしれない。ノックしてみてと頼まれて空野はノックしたが、反応が無くて空野はホッとした。でもそこにやって来た者ありけり。代表の琴麦と言う。
琴麦は冬月が目が見えないのには気づいた。まあ聞く分には良いだろうと思う琴麦だが、やってみたいと言われるとそれは無理だと思った。厳しいなと言いつつ火傷だらけの腕を出すが、それは冬月には見えない。琴麦としてはこの悲惨な腕で理解して貰いたかったのだろうがそれは出来なくて微妙な「間」が出来る。
その先の理由を告げずに琴麦は部室の中に入ってしまった。何があったのか冬月は空野に聞いてみると、そう言う事かと分かるけど、でも説明を諦められるのは寂しい。
諦めきれない冬月は、浅草橋に花火専門店があるから行こうと、かなり強引に決められた。
明日行くのは良いのだが、そう言えば待ち合わせの場所を決めてない。なので電話がかかって来て、改めてデートの決め事です。デートです。

