自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。・第11話
二人は証を交換して永遠に結ばれるのでした、から一転。
当然今回の件の始末もつけなくてはならない。
ヒローニアがセシルに呼び出された。この時点でもヒローニアは未だ自分が真のヒロインだと思いこんでいる。だからセシルに呼び出されたのは卒業パーティーでの事をひっくり返してくれるのだろうと思っていた。
でも当然セシルはそんな事は思っていない。
それでもヒローニアはあの場で光ったのが聖なる光だと思っている。でもあれは光の精霊の暴走。ヒローニアが飼っていたピーちゃんが光の精霊なのだと告げる。まだヒローニアは納得していない。光の精霊がパートナーであるのがヒロインの証拠と言うが、精霊は知られていないけど他にもパートナーとしてる人間は居るのだ、上位貴族の秘密だが。だから逆にこの事を漏らしたら君はどうなるか覚悟しておく事だ。
精霊なんて話「ゲームでも聞いていない」と言うヒローニア。やはりゲームとか言うんだ。ただこの部分は無視されたな。確かに以前からバーティアによってゲームと言う単語は聞いていたろうが、それをヒローニアが知っているのは気にしなかったのだろうか。
なおも食い下がるヒローニア。光の精霊が見せてくれたシナリオと言うのは自分としては願い下げだとセシルが言っても、それはあなたが人形だからと言うのだ。失礼だな。でもセシルは人形ではない。それはバーティアが変えてくれた。悪役令嬢が勝手に動き回ったからシナリオが変わったのだろうと言うヒローニアに、同じくシナリオからは別人になった者がいる、それはおまえだと指す。
あの「シナリオ」の中のヒローニアは一生懸命ちゃんとした令嬢になろうとしていた。なのにおまえはどうか。最近ですら作法の教師から嘆かれていたではないか。何もちゃんとした努力をしていない。上っ面のイベントだけを起こそうとしていた。
こんな未来認められない、そうセシルは叫んでピーちゃんの行方を聞く。そのピーちゃん、懸命にヒローニアを幸せにしようとして力尽きて消えてしまったのだ。あのパーティー会場で最後にヒローニアに向かって微笑んだ姿がそれか。
そして最後にセシルに伝えた。姿がもう見えなくてもヒローニアのそばに居ると言ってくれと。
セシルはそれを伝えた後、ピーちゃんが完全消滅する前にゼノの力で辛うじて核を留めておいたペンダントをヒローニアに渡した。
ヒローニアへの処罰としては修道院送りとなる。その送り先はセシルが国王に頼んで決めさせて貰いたいと願った。それはヒローニアに選ばせる事だった。
一つは国の北の果ての修道院。ここは厳しい環境の修道院。
一つは王都から馬車で三日で着ける温暖な南の修道院。
やけに差があるが、これには意味が隠されている。北の修道院は厳しい環境ではあるが、北の地は聖なる光への信仰心が厚い。祈り続ければなくなった命も戻るかもしれない。
さあ選べ。
当然北が期待されるけど、ヒローニアをとことん悪役にする為には南と言わせる可能性もある。でもこの作品ではヒローニアにも最後の選択をさせてくれた。北へ。
そう言ってから立ち去るヒローニアは始めて令嬢としての作法を行う事が出来た。いや、覚悟だろうか。
当然ヒローニアの行く末をバーティアは気にしていた。なのでセシルの無理強いの膝の上で、ヒローニアがどうなったのかを聞く。バーティアは喜んでくれた。ヒローニアも救われたと。
相変わらずヒロインを気にするバーティアに既成事実と思うセシルだけど精霊はそれを許さない。まあ結婚してからのお楽しみとしてとっておこう。バーティアも今は多分無理だし。
でも後がある。セシルに流れる血とは?
実は王家に流れる血は、何百年かに一度優れた子が生まれる。ただ、興味の向く方向にしか動かないから国に仇なす可能性もある。初代国王も実はそれで戦闘狂だったのだ。でもその時の運命の人たるアーンネイ王妃が、戦う事しか考えないのなら嫌いになりますと言われて変わった。そのおかげで初代国王トージン王は「英雄王」となる事が出来た。
ところで「何百年かに一度」生まれるって事はアルファスタ王朝は千年クラスで続いてる?
ケイン国王はセシルが生まれて異様に物覚えが良いのを見てこの血筋が発動したのかと心配し、そして初代国王をアーンネイ王妃が変えてくれたのと同じ事をバーティアに期待して婚約させた。バーティア次第だったのだ。

