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自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。・第9話

光の精霊ピーちゃんの力でセシルはここまで育んで来た今のバーティアとの世界とは違う、多分「本来のシナリオ」の世界に入り込んだ。決定的だったのはヒローニアによる頭が良いだけの人形と言う言葉だったろうか。あれでセシルは自分がマリオネットと言う感覚にとらわれる。

そして「本来のシナリオ」が進んだ。バーティアが流行り病が起きると言う事前の情報をもたらさないと、ルオナ草(治るをもじった名前らしい)の特効薬が間に合わない。そうなのだ。本来のシナリオでは流行り病が流行した時期が季節的に採取出来ない時期だったのだ。修正シナリオではバーティアが予告したせいで早い時期からルオナ草を準備してしかもセシルが特効薬を作ってしまった。

これでノーチェス公爵夫人が流行り病に罹って重篤になる。だからノーチェス公爵は国王に国庫のルオナ草を分けてくれと頼みに来るが、友人として与えたいものの、国王としてそれは出来ないとノーチェス公爵の頼みを断った。これで国王は王としての役目は果たしたものの友人としての役目を果たせなかったと悩む。なのに「心のない」セシルは国王としての役目を果たしたのなら何の問題があるのだと思うのだ。
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ここからノーチェス公爵が歪み始める。愛する妻を病で失い、その愛情はバーティアにだけ注がれた。バーティアは王妃となり国母となってあの病の時の様な目に遭わない様になれと。

これのせいか。前回のただのふくよかなバーティアは可愛げがあるじゃないかと思ったのに、これでバーティアが悪役令嬢への道を真っしぐらに進む。もっとふくよかになって。

しかしこんなバーティアではセシルの心は空虚なまま。
このセシルにごめんね、でもちゃんと心を満たす未来は来るからと謝る子ありけり。

その空虚なセシルを変えるのが本来シナリオのヒローニアだった。ピーちゃんと共に現れたヒローニアがセシルの心に入り込む。

あの庭で寝ていた場面も修正シナリオの時と全く同じ姿なんだけど、シナリオが違ったらこんなにも違うのか。
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そして本来シナリオのヒローニアはちゃんとヒロインしてるんだよ。悪い事なんてしていない。だからセシルが少しづつ心を惹かれる。

一方で本来シナリオのバーティアはどんどん悪役令嬢に。
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さらにはクールガンはノーチェス公爵の悪事を暴く役割に。

そして運命の日が訪れる。明日は卒業パーティーと言う夜にセシルは決定的にヒローニアと結ばれる。まさに光の精霊の力もあって。

卒業パーティーの時は修正シナリオであった様にヒローニアがバーティアの悪事を告白する。本来シナリオではバーティアにいじめられたと言う人々が次々と手を挙げる。ああ、これが本来シナリオだったのか。こうなる筈だとヒローニアは思っていたのだ。ある意味気の毒だな。

だがバーティアはめげない。そうだとして、公爵令嬢に歯向かう事が出来るかと。なるほど、では、と、セシルはノーチェス公爵の告発をした。これでノーチェス公爵は爵位剥奪。したがってバーティアは公爵令嬢ではなくなり、悪事を捻り潰す事が出来なくなった。これが本来シナリオのギャフンだったのか。

でも必死に叫ぶバーティアの声でセシルが目覚めた。光の精霊の夢から目覚めた。

うまく行かなかったピーちゃんが泣いていた。どうしてヒローニアではないのか。助けてくれたヒローニアをどうにかして幸せにしたかっただけなのだが、そのやり方が良くなかった。だからセシルに嫌われた。少し気の毒ではあるが、もう君の役目は終わりなのだとセシルは宣告する。

ピーちゃんはヒローニアに、見えなくてもいつもそばに居るよと告げて消えた。それを聞いてヒローニアはやり直しが出来るだろうか。

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