あかね噺・第3話
志ぐま師匠が緊張している。まさき(真幸)って誰だったっけ。志ぐまは朱音の弟子入りを認めた。ただ、今は未だ高校生だから高校卒業迄は見習い。そしてもう一つ。親御さんを連れて来い。親が認めなくちゃ駄目だ。分かりました、明日母を連れて来ます(父の徹(元阿良川志ん太)は単身赴任中)。と言う事で真幸が来たのだ。志ぐまが緊張するのも当然で、何しろ志ん太を守ってやれなかったのだから。そしてあの時以来の顔合わせ。だから開口一番志ん太の事を謝り、その上で朱音が落語家になるのを許可してくれと言う。今度こそ立派に育てる。
でも真幸は嫌だと言う。まあ、はいどうぞなんて会話にはならんと思っていたけど。それに朱音がこの6年間ずっと志ぐま師匠の指導を受けてたのは知ってる。だから駄目と言っても朱音が言う事を聞かないだろう。この子を宜しくお願いします。
これで朱音はやっと前座見習いとなった。と言う事で志ぐまの所の四人の兄弟子(四人とも二ツ目)を紹介するが、まいけるとこぐまは朱音の指導を嫌だと言う。どうもこぐまは以前教えたのにやめた者のトラウマがあるらしい。まいけるの方は自分の美貌に女の子だと惚れちゃうから駄目だと言う。おまえは何を言ってるんだ。
だから四人の中で一番上の享二が手を挙げた。あ、こいつポンコツ風紀委員みたいな様子だな。特に目。
と言う事で早速享二の指導が始まる。でも予想どおりの下働きばかり。そりゃいきなり芸の練習にはなるまい。特に享二は見抜いていた。朱音は未だ子供だ。気働きと言う概念すら持っていない。先ずは人の機微を掴む修練からだ。でも朱音には未だそれが分からなかった。芸の技量だけあれば良いと思っている。
しかしその機会はすぐに来た。享二と柏家白州の二人でやる二ツ目会で、白州がいきなり朱音に高座にあがってみなよと言うのだ。待ってましたとあかねは高座に上がった。今回はらくご喫茶の時程にはあがっていない。よし行けると思ったのに客の反応が鈍い。こんな筈では。
帰り道で享二が教えてくれた。芸が芸がと言っていたおまえの落語は、例えるなら150kmの速球を投げられる投手がボール球ばかり投げてる様なものだ。気働きが出来ていない。人に合わせて話が出来ていない。
そんな朱音に享二は明日から一週間ここに行けとメールを送る。どーでも良いけどもう折りたたみのガラケーは使い物にならないのでは。電波終わっただろう。
朱音が送り出された場所は居酒屋「海」。あかねは居酒屋と知ってどう接客するのかはマニュアルを見た様だ。はっきりとした声で元気に。でもそれは大声すぎるのでは。客がちょっと引いてるぞ。
流石に疲れた朱音に、店長御来屋守(だからミクちゃんか)は自分は逆に落語家から教えて貰ったと言う。これがやはり気働き。そんな時に柊が駆け込んで来る。日本語は勿論、英語も通じない客が来たのだ。いや、それでよく一人で日本旅行してるな。そこはやはりスマホで、Googleライブ翻訳だろ。あれは凄いぞ。同時通訳がその場に居るみたいで。でも朱音はメニューの品物が何なのかを落語の身振りで表現する。外国人の客はそれで理解してくれた。落語で人とのやり取りが出来たのだ。
この話を聞いた享二、よし来週は高座に上がれ。

