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違国日記・第12話

結局、朝はオーディションを受ける事にしたんだ。歌うかどうかは自分で決める事。キャラじゃないとか関係ない。

槙生がえみり母の美知子とランチだそうだ。槙生って他人と一緒だととか言うくせに結構他人と会うよね。

「遺品整理の帰りにここに」の遺品整理の部分をちゃんと聞き取れなかったので、次の美知子の「どれくらいかかった?」が何にどれくらいかかったのかその瞬間は分からなかった。てっきり朝が来て慣れるまで?と思ったけどそれが一週間はちょっとおかしいと思ったら遺品整理に一週間か。

この会話の中で美知子が槙生の顔立ちがその姉の実里と似てると言うのだ。あ、これに気づいてなかった。性格と髪型が違いすぎるので気づかなかった。姉妹なのでそれは当然ではあるが、朝からすると母と同じ顔つきの人間に一緒に住もうと言われて暮らして来たので、この感覚はとても大きいと思う。実際、私も朝と大体同じ年齢の時に大事な人間を亡くしてその弟が葬儀に来た時にまるで生き写しみたいな感覚になった。それを引きずっての共同生活だったのか、朝は。
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笠町の方は塔野とばったり出会った。本当に偶然。と言う事で一緒にお昼。この二人の会話を聞くと塔野の性格が自分と相当重なる。塔野の言う男社会の洗礼に馴染めないと言うのが全くそのとおり。笠町もそうだと言う。あの雰囲気で。そこから降りて楽になった。私の場合、好き嫌いが激しいせいで男社会の洗礼に最初から入らなかった。降りる以前に。

朝が歌ってる。家で。どうやらオーディションに受かったらしい。始業式の次の日に昼休みと放課後に歌うのだそうだ。

作詞の話で日記に書いたのを参考にと言ったけど、朝は槙生から本当の事を書かなくても良いと言われたのに拘っていた。それを朝は「嘘を書く」と理解していた。うーん、槙生が言ったのはちょっと違うと思う。敢えてその事は何も書かないとか(嘘ではない)、大本営発表の「転進」みたいな書き方するとか。あながち嘘ではない。
知らんけど。
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じゃあ母実里の書いた三年日記は嘘が書いてるのかもしれないし、敢えて書いてない事があるかもしれない。

朝が答を求めて高校生活を送ってる中でも周囲では色々置きてる。とくにえみりはしょうこと逢ってるしね。あの入学試験の不正のせいで折れた森本には気にしてる男子がアカウントを教えて貰って悩んでるし、野球部をやめたと思われる生徒はバッティングセンターで他人を見てるし。

朝が押入れに秘密基地を作った。あのお高いランタン買ったんだ。
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こりゃ御殿だ。そして朝はひとつの解答を出した。あれから一年、何かしたい事があるならしなさい。両親の誕生日が近いからその中間に誕生日のお祝いをしよう。それは凄く良い考えだとしみじみと思う槙生。

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