真夜中ハートチューン・第9話
「こんイコー」ってイコのVTuberの挨拶だったっけ。
皇イコンの名前から取った挨拶か。この世界はよく分からぬ。
イコの登録者数が3万人を超えました。これは順調ではなかろうか。と思ったのに世間は広い。有名VTuberグループのトップの百歳あおは登録者数が300万人を超えたそうだ。みんな、そんなに暇なの?
でもそれを聞かされたイコは今のペースだとあと100年はかかると言う計算をした。そして放送部の四人の中では自分が一番夢から遠いとも。それらの判断はちょっと違うんじゃないかな。まず、トップVTuberであらねばならぬと言う目標は、まあ目標とするだけなら良いかもしれないけど現実的な目標としては収益化なのでは?四人の中で一番遠いって言うけど、四人の中で現時点で世間に出てるのは逆にイコだけではないのか。
そうやって悩めるイコに有栖が声をかけたら全部君のせいだと。
何を言われているか分からない有栖。
ともあれイコは自分と百歳あおの違いを見て、百歳あおにあって自分に無いモノは何かと分析したらなにもかもが足りない。だから何か一つ百歳あおを上回る事をしなくちゃ。
と言う事で始めたの4段ケーキのクッキング配信。でもたちまち行き詰まってしまった。いやいや、配信にする前に一度試してみるものでは。コメントも困惑。有栖も困惑。
そこから泥沼。火曜日のあの尺八みたいなのは何だ?水曜日は東大模試。木曜日は登録者数300万人行くまで歌配信。混迷しまくってる。だから有栖が何やってるんだと言ってきた。百歳あおに対抗してるのをここで有栖が知る。
そして何日か後、新衣装お披露目配信。嫌な予感がしたがセクシー水着衣装だった。身体を売る方向に行っちゃいかんだろ。有栖止めろ。止めに行った。なので泉イコンの動きがおかしくなった。
有栖は理解した。これはやめろ、あとは俺に頼れ。おまえは百歳あおに負けていない。その具体的な理由は声だ。イコの声はとても良い。VTuberは声が命。イコの声は透明感があってずっと聞いていたくなる。褒め殺しか?
だから先ずはイコの声を聞いてもらおう。その近道は格上とのコラボ。それで声を聞いて貰おう。イコはコラボしてくれる人なんているんだろうかと(冒頭でVTuberのトップかもとか言っていた勢いはどうした)心配するが、そこは有栖は抜け目ない。登録者数15万人のコン・パイラがホラーゲームのタイムアタック企画をしていて、配信で良いタイムを出してるVTuberに声をかけている。だからイコもそれでタイムを出せたらあちらから声がかかる。理屈は分かった。
イコがここまで前向きになったのは何だろうと思う有栖。それがあのアバンの夢なのか。
と言う事で一週間後にそのホラーゲームのプレイ配信。ゲーム配信自体はセンスがありそうだったが、ゾンビが出たところで恐怖に怯える。実はホラーが超苦手。とうとうもう漏れちゃうと投げ出した。放送部の三人はイコがホラー嫌いが尋常ではないのを知ってたけど有栖は知らなかったのだ。いや、だから、一度試してみろって、配信練習を。
この最後の漏れちゃうが切り抜かれてバズってしまう。実際は漏れてないのに。
しかしこれが百歳あおの目にとまった。あちらからコラボのお誘い。と言っても大勢(50人以上)参加するイベントへのお誘いで高得点を取ったら百歳あおとの直接コラボ。
と言う事で「こんアオー」ってここも同じ系統の挨拶か。VTuberの世界の定番なのか。予選グループでイコがネタ枠に入れられて予選が始まる。他の三人がイロモノすぎる。イコがチュー顔しようとしても妙な顔になるし。こうなったら勝つしかない。と思ったのに四人の中の最下位でした。なにもかも駄目だった。
イロモノ枠に入れられた挙げ句に最下位とか、イコに申し訳ない事をしたと思った有栖だったのにイコの反応が違う。あれを面白がっていた。
順位しか考えてなかった有栖は反省。そしてイコをこんな目にあわせた奴ら許せぬと怒る。
そこに百歳あおからの直電。参加した人全員に労いの電話してると言うのだ。この辺がトップVTuberとしての素質か。でもただの労いの電話ではなかった。また参加してね、後ろの人も一緒にね。
見抜かれていたのに驚いた有栖。
これがVTuberの頂点なのか。
このお礼にイコがあの妙な顔をしたタブレット画面で有栖にチュ。

