お気楽領主の楽しい領地防衛~生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に~・第4話
アーマードリザードの大群が攻めて来た。そもそも何故こんなに来るんだ。生態系はどうなってるんだ。でもヴァンの作った城壁とバリスタがあったら楽勝なのでは?撃ち手は住民の協力が得られればと思ってみてた。
確かにヴァンの作ったバリスタは強力で初撃でアーマードリザードを10体程倒す。でも鉄の矢があともう一回の斉射で切れると言う。何でその程度しか無いんだ。やはり材料が無いからなのか。
このままではアーマードリザードの突進で城壁がやぶられてしまう。え?あの立派そうな城壁がその程度のものなの?思案したヴァンは、クサラ自慢の盾がカムシンの為に作った木を素材にした剣でスッパリと斬られたのを思い出して、木が素材でも行けるのではと考え、木の矢を打ち込む事にする。
その結果、ヴァンが木を素材にした矢も強力であの硬いアーマードリザードを仕留める事が出来た。まあ木の素材の矢はそれっぽく見えるけど、カムシンに渡したのはどう見ても鉄から作った感じで、前回から「え?」とは思っていた。ちゃんとした素材が無いと目的の物が作れないみたいだが、でも木からカムシンの剣が作れる程度の変換が出来るならもっと作れそう。
40体は居ると思われたアーマードリザードを全滅させたので、それらの素材が全部手に入る。今晩は大謝肉祭だ。
ヴァンが作ったナイフがスパスパ切れるからアーマードリザードの解体も順調に進む。肉はこのままだと腐ってしまうから商人に売れないけど、他の素材が全部売れたら金貨300枚、日本円にして3億円程にもなるだろう。ただ、売上の半分は領主のフォルティオ侯爵家に取られるので1.5億円になってしまう。これだけの金額は隠し通せないから取られる。
一方でこの村でそれだけの事が出来た、それだけの価値があるとフォルティオ侯爵に知られてしまった、また召し上げられてヴァンは別の辺境に追いやられるかもしれない。困ったなと思ったが、ここは侯爵に殺されそうになった時に助けてくれたムルシアに連絡してムルシアが退治した功績として貰う事にする。ムルシアも功績が欲しいところだったから。
と言う事で買取の商人二人メアリ商会のベルとランゴがやって来た。あれ?この村って以前来た時にこんな立派な城壁のある村だったか?招き入れられてアーマードリザードの素材を見てびっくり。是非とも買い取らせて欲しい。量が多いから仲間を連れて来る。
ただこの二人はちょっと欲を出した。この村の宣伝をと言われたけど渋ったのを見て、ヴァンはさては利益を独占したいのだなと見て取った。なのでヴァン君からの提案。君たちがここで店を構えたら良いのではと。店は作ってあげましょう。その条件を飲んだ二人にさくっと店を建ててあげる。
今は未だ方形で中国の都城みたいな形で、しかも中がスカスカだけどエスパーダ曰く、ここは一万人が住める都市にしなくてはならないと言う。え?一万人?この技術文明とか見たら一万人都市は相当な巨大都市では?ともあれそれだけの大きさで防衛も出来る姿として星型要塞を計画した。やはりこの技術文明ならそれが相応だろう。
さて、サブタイになってる使者と言うか来客があった。
前回チラと出た二人。前回は婚約者とか居たんだったっけと思ったけどそれは間違いで、今回初めてフェルディナット伯爵家から遣わされた二人だった。少女の方がフェルディナット伯爵家の娘のアルテ、付き添いの様にして来たのが騎士爵から子爵に上がったパナメラ・カレラ・カイエン。
パナメラは噂で聞いていたのとヴァンの村が全然違う事に疑心を抱いていた。これだけの城壁の村、一体何千人を侯爵家から連れて来たのか。ここでヴァンはある程度まで正直に話した。侯爵から同行を許されたのはカムシンだけ。ではそこに居る者は?そう聞かれて先ずはディーが誇らしげにヴァンの剣の腕に惚れて騎士団の副団長を投げ売って(事実上)来た。エスパーダはもう老齢だから侯爵家を引退してついて来た。そしてティルはヴァンの優しい性格について来た。
それだけの人数?では城壁の作り方を具体的に見せましょう、と言う事で二人を外に連れ出す。まずはエスパーダの強力な土魔術で一瞬にして壁を生成。確かに壁は出来たがこれでは魔力が切れたら崩れてしまう。そこでヴァンが生産系魔術でこれを完成させる。城壁のみならず城門もこうやって出来る。
ここでヴァンは自分の魔術が生産系だと明かした。世間では最も不遇な魔術だと言われていると。最も不遇でアルテが自分を重ね合わせたみたいだ。
驚いたパナメラ。侯爵はこんな貴重な人材を放擲したのか。
事情は理解した。パナメラの役目はアルテとヴァンの婚約を進める為に来た。だがどうやらパナメラはアルテを大事に思っている。侯爵家から追い出されて寒村の領主となった相手との婚約ではアルテが不幸になってしまう。だから本当は婚約させたく無いと思って来た。しかしこれはどうだ。これなら申し分ないではないか。年齢さえ合えば自分が婚約したい程だと。
「は?」
まあゆっくり考えて、アルテ。
今日は泊めさせて貰おう。
と言う事で、二人の為に宿泊施設を一瞬にして作りました。
夕食を食べながらアルテの好きな物とかを伺うヴァン。今度人形を見せてね。
さて、急に来たフェルディナット伯爵家の二人。大事な娘を侯爵家から追い出された自分の婚約者にと言って来たと言う事は、多分あのアルテも四元素魔術適性が無くて自分同様に追い出されたのではないか。だとしたら別に婚約せずともアルテが居たいのならここに住まわせてあげようと考える。

