綺麗にしてもらえますか。・第8話
金目さん、いつもとは違う公衆浴場(日航亭大湯)に来てこっちも良いですねと満足の顔。マジで温泉好き。あの「アッピールすればよいのです」の注文殺到は一ヶ月程で落ち着いたらしい。あのままだったら大変だったよね。ところでこの日航亭大湯、実は2年半前の11月に閉業したらしい。うわー、既に聖地消滅ですか。地図を見たら確かにキンメクリーニングから近い場所にあったらしい。
外で何か揉め事みたいな声が聞こえていた。ヘルメットを被った子が文句言われていた。ロケハンの時間が違っていたらしい。さらにはその子がコーヒーを飲もうとしたらぶつかられて相手の人にかかってしまう。服の汚れとあっては金目は黙っていられない。そのまま拭いちゃだめ。水と石鹸をしみらせたティッシュでおさえてから染みを取る。
金目のおかげでロケハンの人達も気分を直してヘルメットの子をさらに責める事はなかった。この手際の良さにその子から今回のサブタイの「おみごとすぎますぅ」が出て来た。その子は市役所観光課の初鮎羽果と言う子で、ロケ誘致支援担当だった。所謂ロケーションサービスの人だった。
その後、キンメクリーニングの前を初鮎が通り過ぎる。この瞬間はただ通り過ぎただけかと思ったら、ストーカーになっとるじゃん。
ストーカーやってるのがバレて何してるのと聞かれた初鮎、実はあの時の金目の手際の良さに人とのコミュニケーションのコツを学びたいと言うのだ。元々他人とのコミュニケーションが苦手だった初鮎なのによりにもよってロケーションサービス担当にされてしまった。それ人事が間違ってるじゃん。
ともあれそれじゃと言う事で金目は初鮎を銭湯(熱海駅前温泉)に誘った。金目は色々な人から声をかけられていたが、お風呂に入ると気持ちが開放的になって馴染みの人話せる様になるのだよと。えー、コミュ障はその程度では誰とも話さないけどなあ。黙って入って黙って出るだけで。
でもその甲斐あってか初鮎もロケ案内で頑張っていた(昨日の今日だけどね)。
今日は船に乗って初島へ。初鮎から電話があって撮影モデルになって欲しいと言うのだ。地元新聞のフリーペーパーで癒やしの日帰りリゾート女子旅の企画で地元の働く女性にモデルになって欲しいと言われたそうだ。いや、それロケーションサービスに言うなよ。言われちゃったら仕方ない。アテのない初鮎が金目に電話して頼んだのだ。でもそれだけだと絶対金目は遠慮しちゃうけど、その代わりに無料で広告を出してくれると聞いて金目は乗り気になった。金目って温泉好きに加えて営業頑張る子だよね。
と言う訳で初島へ。首都圏で一番近い離島と言うのだけど横須賀の猿島はそうじゃないのか。あそこは基本が無人島だから離島に入らないのか。
到着して早速撮影開始。そんなポーズとか金目が撮影慣れしてると思ったら、那色のせいか。
その後、食事の場面とか公園とか灯台とかアスレチックとかで撮影した挙げ句に水着撮影まで。やはり最初に言っておかないと駄目では。さらには入浴シーンまで。
夕方近くになって撮影が終わったけど、どうも金目の様子がおかしい。何か見つめたり、フェリーの最終便が近いのに島の中を歩き回ったり。実は金目の失われた記憶の中にこの島の記憶があるんだろうか。

