エリスの聖杯・第8話
前回最後の方でいきなり出会ったサンとエウラリアのやり取りで地図の座標の見方から鍵に刻まれていた暗号を理解したコンスタンス。切れ端が観光案内の本だったのであの本のP10つまり10頁の地図の座標E3にある建物にヒントがあると理解する。そこにはオーラミュンデ家の寄贈品のある歴史資料館が建っている。
寄贈品は聖典でそれを開いたら手紙が張り付いていた。
と言う事で今回はリリィさんの手紙が語るほとんど全ての真相。
リリィが5歳の時、それまでは自分は誰よりも優れていると思っていたのに、そこで出会ったのだ、スカーレットに。スカーレットは優れていた。会った当時の自分よりも。だがここで逆恨みするリリィではなく、そのスカーレットと付き合っていく方向へ。スカーレットからレディとして「ど三流」と言われても。
そして8歳の時、第一王子エンリケの学友に選ばれる。付き合いにくいエンリケもスカーレットにかかれば惹き込まれるのだ。まさにエンリケにふさわしい女友達だった筈。エンリケが先生に提出するのに遅れてもスカーレットとリリィが時間稼ぎのお膳立てをしてくれる。
そして仲良くなってエンリケからあの月光石の耳飾りをプレゼントして貰う。あれはエンリケからの贈り物だったのか。そりゃ特注品だ。しかも婚約の品らしい。
そこにセシリアの登場と、スカーレットの毒殺未遂事件が発生。当然リリィはそんなバカな筈がないとエンリケに抗議に行くが、実はエンリケもそんな筈はないと分かっていた。だが、これは国王の命令なのだと言う。
これはおかしい。以前も書いたが、こんな事で四大公爵家の令嬢が捜査を受けて処刑されるのはおかしい。国王がわざわざ動くのはおかしい。相手はいくらエンリケの相手となったとは言えばたかが子爵令嬢なのだ。これに大してカスティエル公爵が何も異議を申し立てないのもおかしい。全てがおかしい。
スカーレットの処刑から8年。リリィは貧しい子を助ける施設を作ろうとしていた。それで貧民街にもよく来ていた。ここでリリィは見てしまうのだ。あれはセシリアではないのか。気になってつけてみたらあらぬ会話を聞いてしまう。
「キリキキリクク」「エリスの聖杯が再開される」「二度目の失敗は許されない」「俺達もファリスも」「爆薬も準備した」「いつでも反乱可能」
これは我が王国が侵略される謀略なのではないか。ここからリリィの単独行動が始まる。行動しやすい様にアルスターと婚約。大分危ない橋を渡りながら情報を集めた様だ。でもそれでダエズガルスに目をつけられたらしい。リリィ一人ではこれ以上どうにもならない。戦争が勃発したら身寄りのない子達が危ない。それであの合言葉を教えたりした。
覚悟を決めたリリィは最後の行動に出た。セシリアに会いに行くと言うエンリケの反応を見てエンリケは本当はセシリアを愛したから結婚したのではないと言うのを確認する。以前もその様子が描かれていた。その結婚は強要されたのか。しかしそれを最初から理解していたエンリケは何も出来ていなかった。8年間も何をしていたのか、この、ど三流。そう言われて悔し涙するエンリケに、だったらリリィが時間稼ぎをしてあげましょう。
そしてセシリアとの面会でリリィは思い切った誘導をした。あの貧民街の話をした直後に、そこで、とは言わないままセシリアを見かけたと言うとセシリアはあっさり自分はそんな所へ行ってないと漏らしてしまった。本当に行ってないのなら「え?どこで?」と聞き返す筈なのに。さらに突っ込む。エリスの聖杯はご存知ですか?もしご存知なら計画を見直した方が良い。「もう失敗は許されない」のでしょう?
これは自分の身を危険にさらしてでも相手に計画が漏れたと疑心暗鬼にさせて計画実行を遅らせる「時間稼ぎ」だったのか。
そしてここまで言ってしまっては当然ダエズガルスの手が伸びる。捕まって白状させられる前に、未来の誰かにこれを託してあの礼拝堂で毒を煽った。覚悟が凄すぎるリリィ。
スカーレットが居たからこそこれが出来た。
ここまで知ったコンスタンス、リリィに未来を託されたコンスタンスの所にアメリアが接触して来た。国を出ていかなければならないがここまでの事はコンスタンスに託すとアメリアも情報を託した。あまりの事にアビゲイルに相談。アビゲイルの知識でここまでの情報は整理出来た。出来たけど結局スカーレットを陥れた連中が膨れ上がった。そいつら全員はっ倒すとスカーレットは言うけど、それをリアルで実行する場合はコンスタンスに乗り移らないといけないのですが。
アルスターも動いていた。10年前の捜査資料、スカーレット処刑の資料が欲しいとデュラン・ベレスフォード憲兵局の総司令官の所へ赴いた。こいつ大丈夫なのかと思ったが、このベレスフォードも以前陥れられそうだった方だと言うので大丈夫だろう。
ベレスフォードもファリスが開戦準備をしてるのを理解していた。そして戦争にならない様にと考えてはいた。
さらにコンスタンスの所にまたあのサンとエウラリアがやって来る。コンスタンスに対して聖杯少女と言うが、それはグレイルがファリスの古語で聖杯だからと言うのだ。こんな偶然?そしてファリスの者と聞くと警戒するアルスター。
だがこの二人はファリスの人間と言っても第三王女派で、第三王女は反戦派なのだ。だからアルスターに頼みたい。所在不明になった第七王子を口実にファリスは開戦しようとしている。それを止めて欲しい。
このサンから事情が聞ける。10年前のエリスの聖杯が中止になった理由はスカーレットが処刑されたから。それにはスカーレットの出自が理由となる。スカーレットの母はファリスが帝国だった時の最後の皇女の子孫。アデルバイドの血とファリスの血の混じったアメジストの瞳であるスカーレットを祭り上げてファリスの皇帝としてアデルバイドを属国にするのがエリスの聖杯計画。
これを手札を揃えたのかと言うカスティエル公爵に語る。
スカーレットが死んだせいで10年前の計画は阻止された。それはスカーレットが死ぬ様に導いたから戦争は回避出来た。だから首謀者はカスティエル公爵、スカーレットの父なのだ。そしてこれを国王が同意した。おかしいと言われた国王付近の行動はこれで説明がついた。

