真夜中ハートチューン・第1話
夜中にポッドキャストの放送で心を惹かれていた少年が居た。なんだか無垢な少年ではないかと思ったのに、それが高校生になってこんな少年になっていたとは。
楓林高校は女子高と男子高があったが、少子化のせいか合併して共学となった。共学になって新たなクラスとなった事でまずは生徒による自己紹介。と思ったところで教師がちょっと噛んだだけでズカズカと前に出て演説をぶる者ありけり。自分でほぼ完璧な財閥の御曹司と言う。御曹司と言う点は事実らしい。そして最後に言う。ここの女子、全員一人づつ自分に「愛してる」と囁やけ。なにこの変態。
こんな事をしたら同じクラスの男子から責められるし女子からは変な目で見られるし、そして当然校内で噂になる。
そんなある日、校内放送で聞こえて来た声があの嘗てのApolloの声に似ている事に気がつく。そう、山吹有栖はあのApolloの声の主を探し求めてこの高校に入った。あの中学の時、Apolloは突如放送をやめてしまった。その声の主をどうしても探し出さねばならない。あの時までに放送していた子は同学年でこの都市に住んでいてそして声の仕事に就きたいと言っていた。入学する高校は海が見える高校。それらの情報から楓林高校を選んだ。
で、探す理由は多分あの声の人に会いたいのもそうだけど、最後に彼はうっかり言ってしまったのだ。自分も愛してると。あの音声は何としても削除して貰わねばならない。そっちかよ。
ところが放送室に入ってみれば四人の女の子が居た。
どの子の声もそれっぽい。
井ノ華六花:茶髪で歌手を目指している子。四人の中で最初に廊下で有栖に接触があった。
日芽川寧々:声優を目指している子。生徒の間では相応に声優として評価されていた。
霧乃イコ:VTuberをやっている子。よくフードを被る。
雨月しのぶ:アナウンサー志望。ロングヘア。
さあ、四人の中でApolloは居るのか。絶対音感が試される。私は分からなかった。と言うか同じと思える子を見つけられなかった。
有栖も中学から時間が経っている事もあって声だけで判断出来ない。なので四人の様子を放送部に入部して調べる事にする。
取り敢えずしのぶは噛み癖があり寧々は漢字が読めない馬鹿なので、Apolloの放送は出来なかったんじゃないの?

