笑顔のたえない職場です。・第8話
11話のネームその方向でとの相談をしている。先日単行本作業やってた時は5話の話だったのであれから随分、あ、月刊なので半年進んでるじゃないか。予想外に時間が経過していた。
そんな相談をしてる時に話しかけてくるちょっと年配の人ありけり。誰かと思ったらクローバーの編集長だった。あ、双見に凄い好意持ってる。
で、編集長の立浪に会議室で話があると呼ばれたのだが、誰かに聞かれたくない話?切り出されたのはクローバーの表紙イラスト。ただ納期が短い。一週間後に欲しいと言うのだ。それは急なのでは。
しかも双見は気づいてる。前号での予告では次号の表紙は別の作品になっていた筈。勘の鋭い子は....確かに次号の表紙は別の作品で決まっていた。その作品、ドラマ化も決まっていた。そのドラマのキャストが表紙を飾る筈だった。ところがだ、やらかしたのだ、主演の俳優が。まあニュースになるのは明日なんだけどね。
ただ、これには作家に大ダメージ。そりゃそうだよね、自分の作品がドラマ化されるぞーと思っていたのに主演俳優がやらかしたんだから。なので編集長判断で次号は休載し、編集長がその作家のケアに向かう。これが上に立つものの役割。
それは置いておいて、ただの代役じゃない。編集長の気持ちとして「昴へ」は順調だし次の新刊も出るし。その件は佐藤に相談したらグイグイと食いついて来た。
この身体の傾きが物語ってる。
佐藤がそこまで期待されているし、双見は受ける事にした。
双見、受けたものの、雑誌の顔なのだ。一体どんな感じにしたら。それを考えながら単行本の表紙のデザインの相談にデザイナーの月縄のところへ。実は本を見るたびに表紙デザインの所は「あーそういう人も居るんだね」程度に思っていたけど、結構重要なスタッフなんだなあ。
単行本二巻のデザインで盛り上がった。え?三時間も?それが終わって食事の時にデザイナーの考え方を聞く事が出来る。素材をどう活かすか、それがデザイナー。本(雑誌)は先ずは見た目で勝負。表紙の出来次第で売れ行きが違う。手に取るかどうかだから。
このおかげで双見は次号の表紙の「素材」をどうするか方向が固まった。
絵描きは方向が固まったら早いよね。特に双見はそうみたいだから。
「昴へ」の次の展開、スカッと勝利する話にしてみたいと佐藤と話し合っていたが、将棋でそんな事が出来るのか。と言うので角館と相談していたが(あれ?角館って東京じゃないのに居るの?わざわざ来てくれたの?)、そこに来客ありけり。
間が出てみたら淑女が立っていた。新キャラ次々と出るな。
間も角館も初対面だったので紹介して貰う。双見が滝沢のアシをやっていた時にやはりアシスタントをやっていた早池峰和。既に単行本も出してる(今回初めて出した)漫画家。梨田が独立した後に滝沢のアシに入ったので幸運にも梨田とか被っていない。
どんな作風なんだろうと間は女性誌か「せいねんし」かと聞いたら後者だと言う。うんうん、私も間と同じ想像したよ。でもこれは漫画そしてアニメなのだ。そんな簡単な展開ではない。
双見は角館と打ち合わせをしてるので早池峰は別室で間が応対。初単行本を双見に献本しようと思って持って来てるので、よかったらと間に渡した。受け取った間が衝撃を受けた。
「あの清楚で可憐な淑女」の早池峰さんが成年漫画家だった。
双見曰く、成年誌で描いてる女性漫画家は沢山居るよ。うーん、居ると言うのは知ってるけど沢山なの?よくわからないけど。私も角館と同じ意見かな。
で、双見また曰く早池峰は「着衣エロの申し子」なのだそうだ。まあ良いから一度読んでみなさい。そして読んでみた。間、エロ漫画で泣けるのを始めて知る。これもよく分からないがそう言うのもあるんだ。
早池峰、アシが居ない。それを聞いた間、スケジュールが空いてる時ならお手伝いしますと言ったら、早速頼みたいとモデルをやらされた。
実は双見は当初から早池峰が成年漫画を描いてるって聞いた時から、早池峰に凄い感心していて、確かに絵を描くと分かると思うが裸で色々なポーズを描けると言うのは凄いのだ。服で誤魔化せないから。その上で私が思ってるのはヒトの欲望を掻き立てる様な絵が描けると言うのは本当に大した事だと思ってる。私には描けないよ。

