しゃばけ・第6話
今回は仁吉の失恋話。
今(江戸時代のいつかは不明。どうも後から計算すると文化文政期辺り?)を去る1000年前。仁吉は、やはり妖で宮中に女房としてあがっていた吉野と言う女を好きになっていた。だがその思いは伝えられない。と言うのも吉野は人間の男を好いていたから。男がくれた鈴に因んで鈴君と呼んでいた。ただ、妖と人間では命の長さがまるで違う。ましてや鈴君は若くして亡くなってしまった。
吉野はそれでも鈴君はきっと生まれ変わってまた会えると言う。仁吉はそれを冷ややかに聞いていたが、果たせるかなそれから300年後(仮に鈴君と最初に会ったのが道長の時代の西暦1000年だとしたら、1300年、鎌倉幕府の末期)に吉野は鈴君と思しき男と再会し、しかも男の方も吉野の事を覚えていたのだ。ところがこの時も男は5年で亡くなってしまう。吉野はまた悲しむ。そしてさらに250年。推定で1550年頃。また鈴君と再会。ただ今度も僅か2年で亡くなってしまう。どんどん短くなってる?
吉野は大いに悲しむ。まただ。またほんの少しの間だけ一緒で失ってしまった。もう鈴君とは会えないのではないか。そのとおりにさらに250年、推定で1800年、仁吉と吉野=お吉はよしのやと言う小間物屋を営んでいた。
お吉はよしのやのお嬢さん。仁吉は番頭と言う役割で、或日店の者が駆け込んで来る。お嬢さんが神社で人攫いに拐かされそうになっていると。仁吉が駆けつけると神社には血の匂いがしてお吉は人に囲まれていた。ただ、お吉の前で人攫いから守っている男がいる。彼が殴られたその時、確かに鈴の音が聞こえた。お吉も仁吉もはっとした。
人攫いは邪魔が入ったとばかりに退散。そしてその後に岡っ引きの三橋の親分らがやって来た。この辺で人攫いを見かけなかったかと。と言うのも最近も子供を攫おうとした連中が出て、それを助けようとした男が殺されたと言うのだ。血の匂いはそれか。
お吉を助けた男は弥七と言って、薄紅を商っている商売人だった。危ない所を助けられた上に、お吉はその男が鈴君だと思ってこの後のめり込んで行く。ただ、彼はお吉の事を吉野だと気づいていない。あと、ひとつ気になったのは、お嬢さんを助けたお礼と言って仁吉が差し出した金子を一旦断ったりせずにいきなり懐に仕舞い込んだ所作。あれ?と思った。上品さが無い。
お吉は鈴君に違いないとのめり込むが、或日それは破綻する。弥七からお吉に夫婦になろうと持ちかけたが、お吉は過去三回の事から人間と添い遂げる事は出来ないと返事を渋るのだ。
ここでとうとう弥七が馬脚を現した。或日、またお吉が人攫いに襲われてると報せがあって仁吉が駆けつけると、なんと弥七が人攫いの張本人だったのだ。
仁吉の力で弥七を締め上げると、手下は蜘蛛の子を散らす様に逃げ、弥七が落とした財布には鈴が付いていた。それを取り上げられると弥七は金も無しに出奔出来ないと言うから小判を与えて放逐する。
お吉は今度はとことん悲しんだ。それは鈴君でない男を鈴君だと間違えたから、もう自分はちゃんと鈴君の事が分からなくなっているのかもしれない、それに加えて、あの弥七は鈴の音のする財布を持っていたと言う事は、今回生まれ変わった鈴君を、子供を助けようとしたのを、殺して奪った男を、そんな男をよりにもよって間違えたからだ。
また鈴君の生まれ変わりを待てば良いのですと言う仁吉に、もうお吉はその気持に気づいていたろうが、お互い決してそれを口に出せなかった。この関係が壊れない様に。
と言う事で、今回まるまる仁吉の失恋話で、何故こんな話が挟まって来るのかと思ったが、これを聞いた一太郎が決心して行動を起こすのだ。
切り出すタイミングを失ってはならないと。

