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しゃばけ・第5話

一太郎が店番をしていたら妙な客がやって来た。ここでは命をあがなう薬があるのだろう。売れと。仁吉が最初はそんなものはと言うが、食い下がるのでそう言う薬は非常に高価だと言うと、客はありったけの金を出して見せる。これは本当にあったとしても買える金額ではないのでは。なので一太郎は奥に入れて説得をしてみる事にした。あなたには命を救いたい人が居るのかと。藁にも縋る思いならと思ったのかもしれないが、その男はそんなのは居ないと言う。だったらなけなしの金で買うよりも滋養の良い物を買った方が良いと勧めるが全く聞く耳を持たない。

と言う事で仕方なくあのミイラの方へ連れて行く事になる。ただ、この男はここまでの経緯もおかしいが、店に入ったら臭いがすると言うのだ。当初はあのミイラの臭いなのかとも思われたが一太郎はあのミイラにそんな臭いがあったかと疑う。蔵の地下に入ると男は臭いがすると言う。やはりミイラなのか?ところが男はミイラをひったくってその臭いをかいだがこれは違うと言うのだ。
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ミイラは違うと一太郎に投げつけたので仁吉は大丈夫かと寄ったが、その時に隙を見せてしまった。背後から殴られて仁吉は気を失う。そして男は懐から匕首を出して一太郎に迫る。こいつはあの辻斬りの男ではないのか。何とかしなくてはと、鳴家に命じて撹乱させる。その間に鳴家に佐助を呼ばせた。佐助が来る迄何とか時間稼ぎをしなくては。そこで鳴家にロウソクの火を消させる。これで真っ暗になって見えまい。

男は暗くなってしまったので梯子段を上がって戸を開けて光を取り入れる。これでまた中の様子が見える様になって一太郎に迫って来た。何とか気がついた仁吉が男の足を引っ張って止めるものの、未だ仁吉自身が動けない。仁吉は一太郎に逃げろと言うが、仁吉を放置して逃げられない。ここでやっと佐助が到着。一撃で男を仕留めた。

この騒動で一太郎は寝込んでしまって、気がついたらもう一週間。男は当然日限の親分に引き渡されて取り調べを受けた。日限の親分の話によるとあの辻斬りの下手人であるらしい。何故徳兵衛を狙ったかと言うと、息子を大工の弟子に入れようと頼んだものの、人が足りてるから要らないと断れて襲ったと言うのだ。でも徳兵衛が死んだのが恐ろしくなって人を生き返らせる薬を求めてやって来た。

何だかちょっと話が合わない。何故徳兵衛が死んでもう大分経つのに今更生き返らせようとしたのか。もう無理だろう。それに単に殺したのではなく、あの後にわざわざ首を斬り落としてるのだ。これもおかしい。そしてさらには臭いがすると言うのはなんだったのか。あの場面ではもういっぱいいっぱいだったからなのかもしれないが、ミイラが違うが臭いはすると思っていたのなら、これじゃない、あの臭いの薬を出せと言って匕首で襲うのはおかしい。そんな事をしたら薬が手に入らないじゃないか。

ともあれ一太郎の所に菓子屋の栄吉と春が見舞いにやって来た。流動食じゃないと駄目みたいだから餡を。これで汁粉にすると良いと。

栄吉からはあの男、棒手振の長五郎の世間での噂を聞く。何故息子をそんなにしてまで大工にしたかったのか。栄吉からは棒手振と大工では実入りが全く違うと教えられた。へー、そうだったのか。よく落語では長屋の住人として棒手振も大工も登場する。確かに大工の登場人物は腕は確かなのに酒に溺れて貧乏ぐらしして、でもある事を境に目が覚めてちゃんと働いたらちゃんとした生活がおくれる様になると言う噺が多い。何気なく聞いていたけど、大工って長屋の住人の中ではそんなに実入りが良かったんだ。

棒手振の一日の稼ぎは200文にもならない。
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大工の稼ぎは700文。
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次からは落語を聞く時もこれを踏まえて聞くよ。

世の中にはどうしても思い通りにならない事がある。ここから話が変わった。栄吉もどんなに頑張っても菓子作りがうまく行かない。菓子屋の跡取りの筈なのに。そして口を挟んだ春の事を引っ張り出した。春も一太郎を好いているけど、大店長崎屋の跡取りにしがない菓子屋の娘が嫁に入るのは出来ない。こんな事をいきなり一太郎の前で言われて春は涙目で飛び出してしまった。可哀想ではあるが、これはいつか諦めねばならない事でもあった。
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栄吉が18歳とか言っていたが、世間を見つめる目はもうしっかり持っていた。

それに栄吉がもうどうにもならなければ春が婿養子をとって三春屋を継がねばならない。この時代、家の継承が大事だったからなあ。その時栄吉は?一太郎から見て栄吉はこれだけの判断が出来るから大店の番頭を務める事が出来る。なのに栄吉は栄吉でここまで縛られて来てしまった。今から奉公なんて出来ないよね。

さて、仁吉と佐助が汁粉を作って持って来てくれた。そして佐助は臭いが酷い丸薬を飲んで元気になれと言うが、折角汁粉を食べたのにと嫌がる一太郎に、これを飲んだら仁吉の失恋話をすると言うのだ。これで乗り気になる一太郎。いや、そんな話、あまり聞きたいとは思わないんだけど、つづく。

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