Summer Pockets・第13話
藍の記憶を取り戻す為に、人の記憶が思い残した形となって飛んでいる七影蝶に触れては藍の七影蝶かどうかを探していた蒼。記憶を見た結果、藍のではない七影蝶は橘の木で送り出してやる。この木は夏に花が咲く。その期間だけこれが出来るのだ。
蒼は慣れているから一晩でいくつもの七影蝶に触れられるが、初めての羽依里に人の記憶の負荷は大きい。だから羽依里は帰れと蒼は言うけど、蒼が好きなんだから一緒に居てやるとここで明白な告白の羽依里。そしてその晩は一晩中やっていました。
昨晩はお楽しみでしたね。
しかしここで蒼の呼び出し。直ちに診療所へ来い。藍の容態が急変したのだ。前回の最後にあの腕の珠、蒼の話だと藍と二人で作って藍のが綺麗に出来て蒼のはいびつになったあの珠を交換していたが、その藍につけていた珠が紐が切れて落ちちゃった、あの時に容態が悪化したのか。
医師の話では取り敢えず落ち着いたものの、どうやらそろそろ覚悟しなくてはならないと言われたらしい。
初めて七影蝶に触れて記憶の負荷が来た羽依里はその日はずっと寝てしまって、夜になって起きたら山中に明かりが。蒼が一人で七影蝶を探しているのだ。
蒼は焦っていた。橘の木の花期が終わって、次は来年なんて言ってられない事態になってしまったから。それで無茶をしてフラフラになってしまっている。これ以上七影蝶に触れたら蒼自身がどうにかなるかもしれない。なのにそこに七影蝶が集まって来る。寄るなと追い払う羽依里にさらにもう一匹の七影蝶。でもこの七影蝶が来たらさっきまで集まって来ていた七影蝶が去って行く。もしかしておまえが追い払ってくれたのか。そしてそれをしてくれると言う事はもしかしたら藍の七影蝶か。
そうして触れた七影蝶から藍の記憶が流れ込んで来た。記憶がはっきりして、藍の顔も初めてはっきりする。
喧嘩別れみたいになった後で藍は蒼の後を追った。あの落とした珠も拾って。だが、その先で崖から落ちたのだ。
でもその七影蝶を蒼は見えない。そうか、あんなに藍を探していたのに心の中では藍を避けていたのか。だから見つけられなかったんだ。でも羽依里から教えられた今は違う。見える様になった七影蝶を連れて藍のところへ。これで藍には記憶が戻ったと思われるけど、身体は戻るのか。

