帝乃三姉妹は案外、チョロい。・第1話
番宣で流れていた雰囲気のままだった。
どうやら転校生として才華学園に入った綾世優。何故か目をつけられて勝負を挑まれたが、その理由は優の母親が稀代の名優綾世昴で、昴は何事にも優れていたので、その息子がどれ程のものかを試されていたらしい。
しかし、優は学業も、スポーツも、演技も全部駄目。平均点以下。優の力量を知りたいと試させていたのはこの学園で「三帝」と呼ばれる三姉妹だった。長女一輝は長身美貌で歌劇団の男役スター、次女二琥は武道の達人、三女三和は学業の天才。あの昴の息子ならどれ程かと試させたが全てが凡庸でつまらない男だと判定した。
なので空手で負けた優に道場の掃除をしろと言ってみな立ち去る。いや、そんなもの知るかって放置しても良いんじゃないと思ったけど優は掃除を始めた。ああ、そうだったか、この優、家事に優れているのか。道場がピカピカになってしまった。
優は昴との母子家庭だった。幼い頃は母に憧れて役者の真似事をしたが、その歴然たる差に愕然として、母の凄さ故に敬遠する様になる。ところがその母が病で倒れ、最期の時に昔母が出演した普通の家庭ドラマの事でやっと話が出来る様になった。そんな母の最後の言葉が幸せな家庭を作りなさい。これが優の人生となる。
とは言っても独り身となった優に、昔母に恩を受けたと言う人から一緒に住もうと申し出があって、その家へ行く。鍵は渡しておくから勝手に入ってくれと。そこで入ってみたら大豪邸。
カッコウの許嫁で見た感じのリビングだ。
ところがそこに出現したのがあの三帝会戦でなくて三帝と言われていた三姉妹。しかも彼女達は優に一緒に住もうと言ってくれた帝乃の娘だったのだ。娘達とよろしく。三帝はあの凡人が?と見下したが、よく家の中を見ると惨憺たる状態。床に物が散らかってるし(いや、最初に入った時無かったろ)、台所は全く片付けられてないし、洗濯物は大量に溜まってるし。実は全部三姉妹で分担していたが、三人とも家事が全く駄目でこの有り様。三人がどうのこうの言ってる僅かな間にそれを全部優が片付けた。
翌朝、冷蔵庫に残っていた駄目になりそうな食材を使って優が朝食を作ったが三姉妹はちゃんとした朝食を受け入れない。そして出かけようとしたが、ここであの番線の場面。忘れ物がありますよと言った優が三人に送ったのは「いってらっしゃい」。
あれ?優はタラシなのでは?
それにチラチラ見せる演技力とか、ただの凡人じゃないよね。

