日々は過ぎれど飯うまし・第9話
大学祭の季節です。事務員さんから何かするなら出店届の期限は来週までだと言われた。しのんが忘れるパターンでは無さそう。頑張って何か作る話になりそう。
皆に諮ったら最初は飲食のお店は大変だよと言うが、でもまこがやってみたいと言うからみんなが賛成した。それじゃ役割分担を決めよう。しのん、自分は味見役に固執。
なながお店やるんだと浮かれていたものの、はたと気がついた。あれ?お店って事は接客があるのでは?見ず知らずに人と話すのでは?つつじは裏方やってくれれば良いとは言うけど、それは忍びないと言うので、つつじはななが初対面の相手と話せる練習しようと言ってくれた。うん、そう簡単に行かないと思うよ。
でも何を作ろう。と言う事でくれあのたかお食堂で試作してみる事にした。無難にカレーか。でも試作品のカレーは味も無難だった。食材にこるとお金がかかる。どうしたものか。ここでスペシャルコーディネーターしのんの活躍。
あの農業部のさくらが来てくれた。農業サークルの野菜を使ってくれないかなと。新鮮野菜が大量に手に入る。でも例によって何か交換条件があるのでは?また炎天下の農作業とか。さくらに言わせると、サークルの野菜の宣伝になれば良いと言うのだ。
と言う事でメニューはゴロゴロ野菜のスープカレー。次は肉をどうしよう。それもさくらのアイディアで道の駅へ。
その頃ななが話しかける練習をしていたが、やはり駄目でした。道路のコーンを被ったら話せるのか。その形を見て、クー・クラックス・クランの衣装を着れば良いのではと思った。
さくらが案内してくれた道の駅でジビエ肉を教えてくれる。何しろさくらは狩猟免許持っていて猟友会に入ってると言うのだ。マタギ先輩。
メニューが決まって愈々出店準備。ななとつつじの設計図が良くてお店も完成。まこが明日はうまく行きます様にと祈る。ここでちょっと心配にはなった。翌日の場面でお店がどうもメインストリートから外れてる風があって、人が通らないのではと。
確かにスタート時点ではほとんど人が居ない。大丈夫だろうか。
それを救うのが三人。つつじのひつじ着ぐるみは見慣れてるが、その隣のロボットみたいなのは何と思ったらうさぎのつもりのなならしい。そして逆に普通の格好してるしのんが妙な目で見られる。
それはさておき、チラシも作って来てお店の案内を開始。ひつじは目に付くし、うさぎロボットも奇妙な上に、人の視線が気にならないななは俄然呼び込みに向いていた。と言う事でボチボチお客さんが気始める。あの、ななの練習台にされて逃げた二人も。
評判が評判を呼んで追加で作ったカレーも完売。明日の分まで無くなっちゃった。
と言う事で撤収。祭りの後の寂しさはあるけど、充実感もあった。
ところでこのカレー、実はモコ太郎が大学祭に来ていて、カレーがとっても美味しいかったモコ、作ってくれた人ありがとうと言ってくれた。まこ、大感動。