勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~・第7話
クルトの幼い頃の思い出。角のある女の子に話しかけても返事してくれないので涙目になるけど、それは父からこの村の人と話すなと言われていたから。でも独り言と言う事で仲良くなって森に行ったらその女の子ヒルデガルドが猛毒のパープルベリーを食べてしまって薬を作って、飲ませてやった。そんな思い出。それが10年前。
辺境町の工房はあちこちの頼み事を聞く役目になってしまったらしい。今日行った村では水不足で何とかして欲しい。隣村には溜池があるから権力のある工房主から何とか言って欲しいと言うのだ。工房、いつの間にか統治機関になってないか。
ユーリシアは隣の村に水を分ける様にと言いに行ったが、そっちの村も実は水が尽きていたのだ。それで水を融通してくれない。じゃあどうするの。と思ったところで丘の上に湖が出来ていました。さっきクルトが鳥の世話を頼まれて、鳥も水不足になっていたので湖を作りました。これで両村とも救われたけど自然体系大丈夫か?
このお礼で色々な卵を貰った。あの仕事でこの程度で良いのか。
リーゼロッテの方はこの一帯の領主タイコーン辺境伯の所へ行っていた。さてこの腹黒たぬき(リーゼロッテ談)、工房主の情報を探ろうとリーゼロッテに探りを入れて来た。リーゼロッテとしてはクルトの情報を漏らしたくない。だから色々はぐらかす。タイコーンは辺境町に名前が無いから名付けたいと言うが、町の太守が居ないと付けられない。そこでタイコーンは工房主が太守になってはどうかと言う。太守になってしまうとクルトは前面に出なくてはならなくなる。それを避けたかったのにアルレイドは迂闊にも(クルトなら)その資格がありますとか言っちゃった。
なおも抵抗するリーゼロッテだったけど、タイコーンが工房主が人間的に問題あるのかと言うので、カチンと来たリーゼロッテは彼こそは相応しいとか言っちゃった。
さて、例の卵を持ち帰って調理しようとしたけど、その中の一つは有精卵だったのでその卵を孵そうとしていた。
でも卵から孵ったのは人間の姿をした子供。しかも結構育ってる。でもユーリシアは冷静に考える。卵から人間は生まれない。だとしたらこれは魔物ではないか。クルトに似た姿で可愛いのは人間を油断させる姿かもしれない。もし我々に仇なす魔物になるのであれば今のうちに始末する必要がある。うん、ユーリシアの考えは理に適う。
でもクルトは感情的にその子が悪い子には見えない、責任を持って育てると言う。感情に流されるなと思ったユーリシアだけど、ママと言われてユーリシア惑う。リーゼロッテが抱いてもママと言うし、シーナには姉姉と言う。これでみんなほだされた。ただ、本当に魔物でみんなを騙そうとしていたら思う壺なんだけど。そして名前はアクリとなった。
それでも油断しないユーリシア。アクリの唾液と毛髪をミミコに渡して分析して貰う。
そしてアクリが外に出られない子供部屋をクルトに作って貰った。ミミコの分析が終わる迄はリーゼロッテに近寄らせる事は出来ない。
そしてまた工房はお仕事へ。なのにその馬車にアクリがいつの間にか乗っていた。ミミコのファントムは優秀で普通の人に化けて、アクリを家に帰すのを託せた。
さてまた別の村へお仕事。
よく来たな勇者達よ!