勘違いの工房主~英雄パーティの元雑用係が、実は戦闘以外がSSSランクだったというよくある話~・第4話
リーゼロッテ王女の外での修行先として隠れ蓑となる工房を新設。密かにクルトを工房主とし、専属冒険者としてサクラの一行を加えた。場所は辺境町。だがひとりシーナだけが悶々としていた。戦闘能力がゼロだと言っておいてアイアンドラゴンゴーレムをあっさり一人で倒してしまった。これは裏があるに違いない。
新しい工房の建設予定値に到着したら、ただの更地があるだけだった。じゃあクルト、ここに工房の建設をよろしく。流石の僕でも今日中だと丸太小屋しか建てられません、と言うのをシーナ達がそもそもそれを一日で一人でなんてと思ったのに、三日下さいと言うからさらに驚く。ユーリシアは慣れてるけどね。
クルトを置いて宿に行ったので、シーナはユーリシアに全部事情を話せと言う。まあここで話しておこうとユーリシアは全部明かした。自分は元王家直属の冒険者、そしてリーゼとは世を忍ぶ名前(そのままだけど)で第三王女のリーゼロッテ。
その一方でクルトの事はよく分からない。戦闘能力はゼロだけどそれ以外はSSSランク。新しい工房主はクルトだ。でもこれらを全部明かしたらクルトを悪用しようとする連中が出て来る。
リーゼロッテはクルトに助けられた経緯を話し、王女を狙う連中を捕まえようと言うのを話した。ユーリシア曰く、クルトは純粋すぎる。だからクルトに本当の事は言えない。仲間になってくれないかと言うリーゼロッテに、ダンゾウやカンスはクルトはもう仲間なのだ守るさと言う。かと言ってシーナは未だ納得出来ない。出会って数日で何か分かるか。でもユーリシア曰く自分もクルトと出会って六日しか経ってない。え?未だ一週間も経ってなかったの?
迷いのあるままシーナはクルトの所に行ったら、もう土台が出来てました。
こんな仕事を押し付けられてクルトは不満が無いのかとシーナは聞いたが、クルトに不満などある筈が無い。ちゃんと仕事が貰える今が幸せ。
なーんだ、ユーリシアが言ったとおりじゃないか。クルトは本当に純真なのだ。
さて、サクラが窮地に陥った元凶のビビノッケ。サウザンドフェイクとか言っていたが、日本で言うと千三つか。いくつもの冒険者パーティに潜り込んでそのパーティを崩壊させる仕事を請け負う。今回もサクラに恨みがあるパーティが送り込んだのだろう。
と、この情報を話してるのはバンダナさん?
そのビビノッケ。酒場で飲んでる所にダンゾウが向かった。慌てて逃げたビビノッケだが追い詰められた。今にも斬りそうだったが、次仲間に近づいたら斬る。ダンゾウが斬らなかったので始末しようとしたバンダナだったが、ミミコの諜報部隊が回収して行った。
そしてバンダナに何か情報。マーレフィスがどうにかなったらしい。
マーレフィスは一旦はゴルノヴァの失態から逃げおおせたかに見えたが。
裏でこんな事が起きているうちに、工房が完成しました。
三日で。
内部を案内して貰ったが、建てる時にユーリシアに何か注文していたと思ったら、サファイアを魔法晶石にして水を作る永久機関とか、アメジストで照明の原動力にするとか。
クルトが工房主様に作ったと言う部屋だが、当然みんなは工房主がクルトだと知ってるので、台所の片隅の部屋で寝ると言うクルトを二時間もかけて説得して工房主の部屋を使って貰う事になった。
ユーリシアはリーゼロッテを守る為に呪い除けの結界が欲しいと思ってクルトに相談したが、それは無理だと言われた。珍しく無理と言う返事が出てきたぞ。仕方ないのでユーリシアはミミコから貰った呪い除けの護符を屋敷に貼って、特にリーゼロッテの部屋の周りには念入りに貼った。
翌朝、クルトが美味しい朝食を用意してくれて堪能していたが、クルトが居ないなと思ったら屋敷の中の落書きを落としてると言うのだ。これでピンと来たユーリシア。駆けつけてみたら護符が全部消されていた。ミミコ曰く一度貼ったら絶対消えない護符。愕然とするユーリシア。
言葉が返せないユーリシア、何とか最近出て来た落書きを書くラクガキンキと言ういたずら好きのヤツの落書きだろうと言うのが精一杯。