謎解きはディナーのあとで・第3話
絹江を殺したのは誰か。前回この作品だと可能性の低いのが真犯人だろうと書いたけど、いや、そんな設定があったのかと言うオチだった。
里美は何かの理由で倒れて寝込んでしまった。麗子に何かを言おうとした?その里美の部屋で麗子は妙な物を見る。千切れたカーテンのすだれ、そしてそれがゴミ箱にあるのを。うーん、たまたま千切れたから捨てたって線もあるのだが。
改めて屋敷を外から見上げるとニ階の窓はかなり高い。普通の人には無理だろう。と思うのだが、人間の体力の普通は私の思ってる基準と相当違うのでどうなんだ。そしてここで気づいたのは凶器が投げ込まれた部屋の真上の部屋が里美の部屋だと言うのだ。あ、これは繋がった。里美の部屋から下の部屋に入れたな。
さて吾郎にはアリバイが出て来た。嘗てのマルチ仲間と丁度その時に電話で話をしていたのだ。電話口でガラスの割れる音がしたので、吾郎は電話を切って向かった。アリバイとしては完璧だが、まあ口裏を合わせの可能性はある。
和夫と謙二郎は絹江がひょっとして遺書で前田に会社の経営権を譲ろうとしてないか、金庫を開ける算段をしていた。それを尻目に前田は生前絹江が気に入っていたと言う写真を持って来る。この写真もなあ、これだけだと、視聴者には情報が無いから判断しかねる。その写真を渡しながら前田は、金持ちの御曹司と令嬢はろくなヤツがいないと言うので、麗子と風祭は全力で否定。
しかしこのままでは迷宮入り。そんな麗子お嬢様に影山が状況を話してくれたら解決のヒントをあげましょうと言う。最初麗子はまたアホ呼ばわりされるから嫌だと言うが、アホとは申しませんと言うのでこれまで見てきた事を全部話した。
なんだこの麗子の完全記憶能力は。カーテンのすだれもスマホの待ち受け画面も全部覚えてるのか。
それを聞いて影山は全部分かった。なので「お許しください、お嬢様。わたくしチャンチャラおかしくて横っ腹が痛うございます」と悪態をつく。アホとは言ってない。
これで真犯人の目星はついたので里美の代わりに麗子がベッドで寝て前田が襲って来たのを捕まえた。
なんで前田だよと思ったけど、前回は単なる運転手だと思ったのが実は秘書みたいな立場だったのだ。だから絹江の片腕となっていた。こうなったら経営権が譲られる可能性は無いとは言えなくなる。
でも理由はそんなものではなかったのだ。前田は絹江に恨みを持っていた。両親を破滅させたと言う。両親はとある場所で理髪店を経営していた。そこの子供だった。なので風祭が徹夜で捜査していた翌日にヒゲがとか言ったのだ。あれは確かに妙だなとは思ったけど理髪店の話は視聴者は知らないから。
忠実な秘書兼運転手のフリをしていた前田は隙を狙って絹江の会社を破滅させようとしていた。が、それがバレる。そして親ともどもけなされた前田が逆上してあのブロンズ像で絹江を撲殺してしまう。ここで前田は失策をした。ダイイングメッセージで「ゴロー」と書いたが、実は前田が参加していないあの日の夕食で強く叱責されたのは吾郎ではなく和夫だったのだ。
それにしてもあの素手のままで殴り殺したら指紋が残るのでは?原作で運転手扱いしたのは常に手袋をしてると言う設定だったのでは?
これ、素手だよね。
殺人事件の後に夜中に起きて来たのが里美。里美は現場を見てしまう。そしてダイイングメッセージに「ゴロー」とあったので拭き取る。里美は吾郎が好きだったので。さらに吾郎は不可能と思わせる為に自分の部屋から下の部屋にあの凶器をカーテンのすだれを使って放り込む。吾郎なら「肩を壊した」から無理だと犯人から外す為に。でも大人が言う野球で肩を壊すのは勝負が出来なくなる程度で常人以上の投球力はあると言うのを知らなかった。だから吾郎を外した筈が逆に犯人になりそうで気絶したのだ。
そしてこの話、全員が後悔する結末を迎える。絹江が気に入っていたと言う写真は、背後のビルに意味があった。それは絹江が不動産会社の社長として初めて再開発して建てた、前田の両親を追い出して建てたビルだが、SINCEはその前田理髪店の開業年にしてあるのだ。
その年は金庫の解錠番号にもなっていて、中には和夫に経営権を譲る遺言の他に前田に手紙も残してあった。一緒に入っていたアルバムには家族がみんなで楽しく写っていた写真が入っていた。誰も絹江の気持ちに気づいてやれなかったのだ。