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完璧すぎて可愛げがないと婚約破棄された聖女は隣国に売られる・第1話

この世界では魔物が跋扈しそれらから国を守る為に各国には聖女が必要だった。最低限一人居ればよいのだが、一方で聖女が絶えてしまったら大変な事になる。

聖女フィリア・アデナウアーは歴代最高と言われる力を持ち、ジルトニア王国ではフィリアのおかげで様々な事が全てこともなくこなされていた。そう、完璧な聖女なので。そもそもフィリアがここまで完璧になったのは顔に全く感情が出ず無表情で親から愛されず、親の愛はもっぱら妹のミアに向けられた。因みにミアも聖女。それならばとフィリアは聖女としての完璧さを求めて努力したのだ。

これが裏目に出る。両親はもとより国民からも敬愛されず強力な聖女だけど怖いと敬遠されてしまう。あまつさえ、聖女の家系の長女だからと第二王子のユリウスと婚約させられていたが、そのユリウスがフィリアは可愛げが全く無いと煙たがっていた。因みに第一王子は側近の会話だとユリウスの威光に怖気づいて何も出来ない王子だと言う。これは本当かは分からない。ともあれ、第一王子を差し置いて第二王子と婚約させられたのだから本当かもしれない。

ここでユリウスに好都合な事態が訪れる。隣国のパルナコルタ王国では唯一の聖女が亡くなってしまい、聖女が二人居るジルトニア王国に見を低くして一人譲って欲しいと言って来たのだ。大金を払ってでもと。

こりゃいい、とユリウスはアデナウアー家の両親と話をつけ、その両親も良い機会だとフィリアの婚約を破棄する代わりにミアを第二王子の婚約者にする事に同意する。
参考資料

でもミアは何も知らない。そしてずっと姉のフィリアを愛していた。だから自分の知らない所で勝手に話が進められていたのだ。フィリアは妹ミアの為ならとこの話を飲む。

かくしてフィリアは隣国パルナコルタ王国に身売りされる事になったが、密かにジルトニア王国に来ていたのはやはりパルナコルタ王国の王子だったみたい。

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