アラフォー男の異世界通販・第5話
シャガの野盗団を壊滅させてプリムラやアネモネなど囚われていた女性達を解放して戻って来たケンイチ団。マロウは当然大喜びだが、でもすぐさま娘のプリムラと一緒に今着てる服の値踏みと商売の話になってしまった。それは兎も角ケンイチには感謝の念しかない。
これはこれとして「戦利品」とかは空のトラックで済む話ではない。何しろこの社会風習の異世界だから野盗団を倒した「証拠」として討ち取った「首」を持参しないといけない。首を刈り取るのは猫獣人がやってくれたけど、しまう先はケンイチのアイテムボックスなのだ。ここで初めて思ったけどアイテムボックスに関する通念はどうなっているのだろう。多分完全に品物別で隔離されているとは思う。それはそれ。一方でどんなに隔離されているとは言っても「同じ容れ物」に食料と糞尿を入れてますと言われたらその食料は食べたくないだろう。現世の人間なら。異世界モノ、登場人物に対してこの辺の観念をどう描いているのか、何も考えてないのか。
その他に野盗団が貯め込んでいた大量の武器だの金貨だの諸々も全部詰め込んだ。
その他、野盗団に攫われて捕まっていた女性達の処遇。故郷に戻れない人達も居る。そうでない人達はマロウ商会が一応引き取る。何人になったか知らないが。一方で途中で降ろした場面もあったからある程度の人数に減ってるとは思う。
そしてアネモネ。故郷は800km程先の村。まあ車さえあれば行けない場所ではないから送ってあげようとケンイチは言うけどアナマは多分この子は口減らしの為に売られたんだよと言うので、それは帰せない。
帰り道でアナマが言った言葉は意味深だった。女性達がケンイチさんみたいな男だと良いのですか?と聞いたら、あれは駄目。やりたい事があると女には目もくれない。一人でどこかに行ってしまう男。
さて、事は済んだけど問題は起きる。シャガの野盗団50人以上を狩って戦利品を持ち帰り、それを収納出来るアイテムボックスがある。勿論猫獣人や道具屋の爺さんは他言はしないけど、何しろギルドに持ち込んだから知られない筈がない。
アナマは報奨金は要らない、大して働いてない。でも自分の子供が生きてたらこれくらいになった筈のアネモネを引き取らせて欲しいと言う。この時点でケンイチは子供を育てるとは思いも寄らないのでそれを了承。
宿に戻ったら吟遊詩人が今回の事をぼかしてはいるけどもう語り始めてる。やはり知られるのは時間の問題。アザレアも当然その話は知っていて、愛人で良いから抱えてくれと言うのだ。それはちょっと。なんだけど、その晩しっかりベッドの中に入って来た。来たのだが、ケンイチを追ってきたアネモネに見咎められた。
でも翌日アナマの所に行ったらアナマは居ない。戦利品を処分して家に戻ったらそこにアナマが居る。アネモネが居なくなって心配したのだ。でもアネモネはどうしてもケンイチと一緒に居たいと言う。本人がそう言うのでは仕方ない。アナマには気の毒だが。
ここから半月。ノースポール騎士爵はシャガ討伐の功績で男爵に昇爵。一方ナントカ貴族はシャガを利用したから爵位剥奪。自転車=ドライジーネはマロウが認めて商品化。
報奨金の計算も出来て万事終了の筈だったが、その頃にはケンイチはマントの男達から付け回されていた。家を嗅ぎつけられたのは随分前なのに時間かかったな。どうもどこかの貴族が雇った男達を使ってケンイチを拘束しようとしたらしい。その場は逃げて騒動にもなったから何とか回避。それを見かけたマロウは領主に会ってみたらと勧めるけど、でも領主から色々求められたら逆らえないだろう。ここに居るのも潮時。
プリムラはケンイチの恩も何もかもあって愈々一緒になって欲しいと本気で申し出ようとケンイチの家へ。
でもダリアに居るのも潮時と思ったケンイチはもう全部を引き払った後だった。
アナマの言ったとおりになった。一人でどこかに行ってしまう男だ。
とは言ってもプリムラはこのままでは済まさないだろうなあ。
どこかに出発したケンイチ、オフロードバイクを買ってそれで移動していた。
アネモネと森猫と一緒に。