誰ソ彼ホテル・第6話
冒頭で遥斗が君の音には心が無いとか言われてしょげていた。そして音楽を諦めて色々処分しようとしていた中にレコード?がある。
今回のお客様は二人。
一人は子供で....えー、と言う事は未だ幼いのに何かあって来ちゃったのか。
頭はスペースシャトルみたいなのになっていて、猫を追いかけている。
もう一人は紳士で頭はアナログレコード。
ロケット頭の少年が猫を追いかけてホテル中を駆け巡るのでいつか何か倒したり壊したりする事故が起きると思ったら支配人の方に向かって行って、支配人が倒れた拍子に花瓶が都合よくすっぽり頭に被ってしまった。炎、大丈夫かな?と思ったけど短時間水色になるだけだった。
この猫、レコード頭の男にはちゃんと抱かれるのにロケット頭の少年からは逃げる。でも逃げるけど、一定の距離には居るからまたロケット頭の少年が追いかける。
ともあれ、お客様を部屋へご案内。ロケット頭の少年の方は音子が、レコード頭の男の方は遥斗がご案内。
ロケット頭の少年の部屋は宇宙っぽい品物に溢れている。これはみんな母が買ってくれたみたいだけど、でもロケット頭の少年に言わせると母は嫌いだと言うのだ。ただ、本当に嫌いだと口の端にも上らせないけど。
この時点で、母と言う単語と、猫がロケット頭の少年から付かず離れずな距離に居るから、ひょっとしたらこの猫は母?とも思ったが、よく考えてみたら現在迄のところ黄昏ホテルに来る人間は他の人や生き物に化けて来た例は無い。
レコード頭の男の部屋には音楽系の物が沢山あり、そこにはサックスがあった。これは生前彼が使っていたものなのだろう。そして遥斗は見つける。棚にアバンで彼が処分しようとして迷っていたレコード(?)を発見したのだ。これは多分遥斗にはもうこの人物が分かったと思う。ただ、黄昏ホテルのルールって従業員が勝手に相手を認識して名前を指摘しても良いのだろうか。今までだと客と一緒に見つけて「誰々さんですね?」と言うのはあったが、客が見つけてもいないのに指摘して良いのか。ともあれこの場では遥斗は指摘しなかった。
ロケット頭の少年とレコード頭の男はすっかり仲良くなって、レコード頭の男はホテルに置いてあるピアノを見つけてちょっと弾いてみて、ロケット頭の少年を抱き上げて子供向けの曲を少し一緒に弾いてみたりする。
ロケット頭の少年は相変わらず猫にご執心な一方で猫は逃げる。実はこの猫、少年がこの世界に来た時に最初に現れて少年を黄昏ホテル迄誘導したのだ。なのにホテルでは逃げる。
一方でレコード頭の男は自力で自分の名前を思い出していた。彼小川隆は、やはり遥斗が憧れた音楽家。でも遥斗は心が無いと言われて諦めたと明かすと、小川は、君は未だ若いのだ、自分だって随分挫折したものだと励ましてくれる。
ロケット頭の少年、今日も部屋の中で暴れた結果、音子が二人を捕まえようとしてシーツを被せたら、どこからそんなにと思われる埃が沢山舞い上がった。当然の様にロケット頭の少年は咳をしたが、一緒に薬も出て来た。そこには少年の名前も書いてあって(あれ?今でもこう言う紙袋で薬を出す薬局残ってるの?)エアゾールタイプの吸入薬が。
しかしそれを吸入する間も無く部屋が変形して少年は滑り台の上へ。そしてそこから転落。これで少年は何もかも思い出した。
少年は喘息持ちで、或日猫を見つけたがその猫が雨で弱ってしまい、家に入れようとしても母は少年が喘息持ちだから動物は駄目だと入れさせなかった。それで少年は猫を抱えて公園へ。しかしその滑り台の上に居た時に咳き込んで転落したのだ。うーん、そんな事で転落する様に滑り台って出来ていたっけ?
ともかくこれで思い出した。そして母が帰って来てと泣き叫んでいる声も聞こえる。彼渡辺将太は未だ帰れるのだ。猫は将太が仲良くなった小川に託して、お客様、お帰りです。
小川は以前宿泊したホテルで心臓発作を起こしたものの、コンシェルジュの咄嗟の処置で生き延び、そして余生を音楽に費やして最後に気持ちよくサックスを吹いている時にまた倒れた。あまりに気持ちよく吹いていたから死んだのかどうかも分からなくてこの黄昏ホテルに来た。分かった以上はもう昇天する事になるだろう。
だから小川は遥斗と支配人と音子の前で最後の演奏を聴かせてくれる。やがて姿が消えてそこには彼のサックスが残される。客の持ち物は一緒に消える事の方が多いけど、たまにこう言う事もあるのだと支配人は、これは君が受け継いだ方が良いだろうと遥斗に渡してくれる。