全修。・第5話
ナツ子が未だ生きていた頃(と書いたけど、本当に死んだのかな)、あの初恋の監督だったもののさっぱりコンテが捗らない。誰かにコンテ描かせましょうかと言われても自分が描くのか一番早いと言って受け入れない。これが大コケしたらうちの会社潰れるのかななどと囁かれていたが、流石に「滅びゆく物語」みたいな大コケは無いだろうとも言われていた。その「滅びゆく物語」の中にまさに居るナツ子。
でも「滅びゆく物語」の世界の中で今ナツ子は連戦連勝。もうここまで来ると何がオリジナルアニメか分からないけどスケバンみたいなのとか美少女戦士みたいなのとかドカベンみたいなのを描いてヴォイドを一網打尽にしていた。ユニオ、そこは「もうあいつ一人でいいんじゃね」って言う場面だ。
でもルークはモヤっている。
モヤッてるのはナツ子に全部任せて良いのかと言う点ばかりではないが。
一方でナツ子も分かってるが映画で見た展開からはもう完全に外れている。でも出て来たヴォイドにどんな絵を描けば良いのかそれで済んでるうちは未だ良い。
さてデステニーさん登場。あれ?何だか体つきが変わった?
と思ったら、確かにそうで、ムキムキになってる。
今はあの望みだった孤児院を作って孤児達をそこで養育してるらしいが、この世界にはまだまだスラム街に居て救われていない孤児が沢山居ると言うのだ。うーん、確か唯一最後に残った町長がムキムキの父親で、そんな状況は統治に失敗してるのでは。
デステニーからの依頼はその沢山居る孤児達にサーバルキャットハウスの事を教えてなるべく頼って欲しいと言うのだ。だが、孤児達の多くは大人に警戒心を抱いていて来てくれない。だからナインソルジャーなら警戒心を持たれないから孤児達の心を開いて来てくれる様にして欲しいと言うのだ。
そう言う地区は沢山あって、手分けして行こうと言うので、ナツ子とルーク、それに二人だけにしておけるかと割り込んだユニオで絶望地区へ行く。でも絶望地区と言うのは設定資料集にも無かった。
ヴォイドを倒したら絶望地区を何とかしたいと言うルークに意外と大人なんだねとナツ子に言われたら、俺は大人だとムキになるルーク。
タップを盗まれるナツ子だが、この地区の子供はみんなこんななのだと言う。こんなだと言われた子供達ではあるが、流石にナインソルジャーの威光は凄い。ナインソルジャーだと知ったら戦隊ヒーローみたいな感覚で集まって来た。そんな子供達にナツ子は嘗てナインソルジャーに居たらしいキャラの絵を描いてやる。その時ジャスティスの名前が出たらルークがピクリと反応した。
この騒々しい子供達をナツ子が絵と歌で人心掌握するのだ。それどんな才能だよ。
スラム街通いは何度目かになっていた。ナツ子が足が棒になると言う位に。でもその何回目かにすっかり没落したジャスティスと遭遇。展開が変わったせいでこの姿のジャスティスの事をナツ子は知らないらしい。
でも過去のジャスティスは知ってる。ある時二人だけで話す機会が出来た。ナツ子はその過去の話をジャスティスに語る。八つ目のソウルフューチャーを失った戦いでガンガーは命を落とし、ジャスティスも負傷した。でもその時のルークはジャスティスが負傷したとは知らずにガンガーにばかり気を向ける。
この時ジャスティスは負傷を隠してナインソルジャーを離脱する。多分その時はその程度しか描かれなかったが、今目の当たりにして分かる。やはりその翼は飛べない翼になっていたんだ。何故その事を言わない。勝手にナインソルジャーを抜けて堕落した姿をルークに見せてそれで良いのか。ジャスティス、こんな飛べない姿になった自分にルークはきっと責任を感じる筈だ。でもルークにはそんな事を思って欲しくない。逆に自分を憎んでくれる方が良い。
今のナインソルジャーはヴォイドには楽勝だと言うナツ子に慢心は足をすくわれるぞと言うジャスティス。多分この時はそこまで深い考えは無かったかもしれないが、でも今回のアバンで自分がやった方が早いと言ったナツ子だからな。
そしてヴォイド反応がまた出現。
ナインソルジャーの出動となるが、その時にナツ子に語りかける鳥らしきものありけり。
「無駄だよ、修正しても無駄だよ」
やはり全修の意味はこの世界の全修か。
現場に駆けつけたら卵みたいなのが沢山あるだけ。襲って来ない。今回もチャチャッとやっちゃいましょうとナツ子が作画して浪人武士を描いた。これって何がオリジナル?
兎も角武士は卵を全部斬ったものの、その中から粘性のある物が出現した。やはり斬ったら出て来るやつだったか。これが触手の如き動きで襲って来る。タップは作画追加と言う。あの武士だけではだめなのだ。ナツ子、全部自分で描くとばかりに今回も作画を始めるが、しかし間に合わない。武士は倒され、触手がナツ子を襲う。
ナツ子を助けるのはジャスティスかな。
身を挺して。