妃教育から逃げたい私・第1話
ドルマン公爵(え?あの屋敷で公爵だったのか)の娘として生まれ、自由に生きて来たレティシアだったが、或日手紙が届いてそれを境に辛い日々が始まる。
それは王子の婚約者として選ばれたから(王子の婚約者なら公爵家から選ばれるのも道理か)王宮に来いと言うものだった。父とも母とも離れ離れとなり、兄ナディルだけが付き添いとして王宮に一緒に行けたが、ナディルとは必ずしも仲の良い兄妹ではなかった。
王宮に到着したら早速いかにもな教育係がレティシアに付けられてビシバシと躾けられるので次第にレティシアの顔から笑顔が消えて行く。まるでロボットの様に。侍女としてリリーが付けられたが、このリリーも仏頂面な感じだったからレティシアは寄る辺ない子になってしまうかなと思ったら、リリーは表情は変えないけどレティシアの面倒を見てくれる。
リリーが居たおかげだろうか、レティシアは無表情な子となりながら妃教育はこなしていく。
こうしてどこから見ても王子の婚約者として立派な令嬢になったレティシアだったが、或日王子が別の貴族令嬢を連れてこう言うのだ。
「君の相手は出来ない」
やたー!これで婚約破棄よ!
抑圧されていたレティシアの元の性格が爆発。晴れて自由の身となったレティシアは兄をせかせてトルマン家の田舎の屋敷に引っ越すのだった。
この時、リリーに一緒に来て欲しいとまで頼る様になっていた。
でも多分王子の言葉は「今日のダンスは相手が出来ない」な意味合いだったのではないかな。