夏目友人帳 漆・第11話
おや、夏目友人帳の始まりの話か。
四方谷の大お化け(ソラノメ)に名前を返しに出向く夏目。わざわざ面倒な事をと言うニャンコ先生には美味しい和菓子屋があるかもと言っても、いつもそんな物に釣られるかと返すニャンコ先生だが、川でヤマメかと言われたらそっちに気が向く。ただの食いしん坊か。
ついでにこの周辺で他にも名前を返せる妖が居たら返そうと呟く夏目にソラノメが声をかける。この周辺で名前を書いたのは私しかおらぬ。
と言う事で、もう返す段階だが、ソラノメが言うには友人帳の一枚目がそれだと迷わずに言うのだ。名を返す時に毎回一枚づつ友人帳から取ってるから一枚目と即答出来ると言う事は、友人帳に最初に名を書いた妖だ。だから夏目はよかったらレイコの話を聞かせて欲しいとお願いした。
ソラノメは一瞬だが相手の心が見える。ニャンコ先生は面倒臭そうと考えてる。そんな訳で相手の心が染み込むの面倒なのでソラノメは森の奥に住んでいた。なのにそこにレイコが来たのだ。まあレイコさん、普通じゃないけど森の奥にわざわざやって来て、しかもソラノメの言う事だと自分の寝床(地面)で寝てたと言うのだ。これはもう自由の範疇を越えているのでは。
そんなレイコにソラノメは興味を持ったらしい。寝床にはもう来なかったが森にはよく来る。ちょっかいを出す妖はヒラリとかわして自由に動き回って一人になる。
或日「人の子が西の石塚に来てる」と言う妖の言葉を聞いて行ってみたら、それはレイコではない。一人「人魚の姫」と言う本を読んでいる子だった。これはいかにも妖の標的にされそうな。レイコがやって来る。何だか騒がしいからやって来た。森の妖が噂してるからレイコには騒がしさが分かるが、その子には分からない。だから自分が騒がしくしててそれを責められたのかと思った。
ただ、儚げな子が一人でこの森に居るのは良くないから早く帰れと言ってレイコが立ち去ろうとしたが、その子は少しお話がしたいと言う。でもレイコは拒否。
だったのにその子はレイコが去った後に落ちていた物を拾った。それは校章。レイコの物だろうと思ったその子はレイコにそれを渡そうとまた来たのだ。
その時はそれで別れたのに、その子はまた西の石塚の所に来た。だからソラノメはそれをレイコに教えてやる。ただ、ソラノメ、何故こんな事を教えたのか自分で分からない。
レイコは石塚に行って、ここが気に入ってるからここで寝るのだとその子の隣で横になる。多分他の妖が手出しするのを防ぐつもりなのだ。ただこれはソラノメの憶測で、実はレイコの心は全く流れ込んで来た事が無かったのだ。
そんな日々が続いたらその子はレイコに名前を教えて欲しいと切り出す。自分は森永蒼子。しかしレイコは自分の名前は教えない。おお、友人帳の発端ぽくなって来たな。
レイコが名前を教えない理由は後の部分で推定出来た。だが言いかけたところでお腹がなってしまったので、蒼子が飴をあげる為の勝負をしましょうと言う。勝ったら教えてね。ますます友人帳ぽくなって来た。
でもレイコは何でも強い。最初の勝負は石を目標の岩の三角の窪みに当てる勝負。まあレイコさんが完璧に当てて勝つんだけど。ただ、蒼子は「明日は負けないから」と言って帰ってしまった。明日はって。
その後何度も蒼子は勝負を挑む。しかし木迄走る競争で蒼子が顔面蒼白にしたから蒼子は療養で来てるのかと思われる。ここでちょっと蒼子の病が気になった。蒼子が庭に花を植えたいと言う言葉を聞いたレイコ、森の奥にある綺麗な花の原っぱにいつかと思った。
この時の二人の気持ち、ソラノメにはレイコは分からないが蒼子の気持ちは分かった。蒼子は勿論レイコと友達になりたかった。それは家に帰ると気まずい事情があったのもある。レイコは....何となくソラノメは予想はした。
或日、蒼子が学校で聞いた噂を色々話したが、その中の一つは隣町には乱暴な女の子が居るからそちらには行かない方が良い、夏目レイコと言う名前で、怖い事を言われたり怪我をさせられたりするからと。それをレイコに言う。レイコに。
この時、レイコは自分の事を言おうとしたかもしれない。しかし大型の妖が出て言葉を中断して別の方向に蒼子を連れて行くが、その時に蒼子の手が赤くなっていた。この時はまさか病が進んだ?とか心配したけど、違うのだ、それは。
次の日、蒼子はあの石投げを勝負にしようと言う。ああそうか、それで手が赤くなってるのか病じゃなくて良かった。そして蒼子は見事に三角の的に当てた。ここでソラノメがまたレイコに教える。蒼子はレイコと別れた後でいつも石投げの練習をしていた。どうしても勝ってレイコの名前を聞いて呼び合いたかったのだろう。これでレイコが負けたら教える事が出来る。出来るがわざと負けてそれを言う?勝負は人間にとって大事な事なのかとソラノメに言われていたレイコだが。きっかけには大事なのだ。
今なら名前を知られて蒼子が離れても諦められる。
ただ、だからと言ってわざと負けるのか。それはレイコにいたずらをした小妖怪によって図らずしもそうなってしまう。気を逸らされたレイコが的を外すのだ。
やはり蒼子は名前を聞いて来た。友達になりたいの。
でも自分は「夏目レイコ」。
その時だ。雨が降り出して、一度ちょっかいをかけようとした大型妖怪が蒼子に近づく。思わずレイコは叫ぶ「あっちへ行きなさい」と。妖怪に向けて。でも「騒がしい」の話と同じでそれを蒼子は妖怪相手などとは露も思わない。言われたのは自分だと思う。雨が降って、身体が弱そうな蒼子を帰れと言って帰す。
ソラノメの予想ではレイコはもう来ないだろうと思ったが、レイコは来た。だが蒼子は来ない。何日かレイコは石塚の所に来たが蒼子は来ない。
これでソラノメが泣く。そんなソラノメをレイコはあの綺麗な花の草原に連れて行った。蒼子を連れて行こうと思ったあの草原。ネモヒラの草原。日が沈む頃に起こせと言うレイコだが、そんな義理が無いと言うソラノメにじゃあ勝負しよう。自分が勝ったら子分になって起こす役をやって貰う。
これが夏目友人帳の始まりだった。
これを最後にレイコは来なくなったが、次の日に蒼子が来たのだ。やはり身体が弱かったので雨に濡れて体調を崩し、ここ二日来られなかったのだ。それをソラノメは心が読めて分かる。二人のすれ違いではないか。ソラノメは何度も来た必死に蒼子に事情を話そうとしたが、全く妖怪の気配が分からない蒼子にそれは無駄だった。花畑の事も教えたかった。
レイコの孫ならこの話が少しでも伝わったらそれで良かった。
これでソラノメは名前を返して貰う。
これ、七期の最終回に相応しい話だったのではと思ったのに次回がおそらく今期最終回でその予告で「さよなら夏目」とか、何その不穏なセリフ。七期の11話と12話でアニメシリーズを完結させようとしてる?