結婚するって、本当ですか・第10話
「この恋愛の連鎖をすぐさま断ち切らねば!」
「大原君、私とデートしましょう」
どうしてそうなったで、これを宣言された大原がパニックする。
え?デート?次の休みの日に?
でも本城寺が電話に出られなくてすみませんでしたの一言は、電話に出なかったのは怒ってる訳ではないと言う事だけは分かった。
ともあれ大原は本城寺に指定された場所へ行った。え?羽村?何故そこに。羽村ったらせいぜい羽村取水堰しか思いつかないけどと思ったらまさに羽村取水堰だった。存在は知ってたけど駅から徒歩12分って、そんなに近い場所だったんだ。
さて、何故デートなのか。やっと意味が分かった。こんな面白くない女に恋愛感情とか大原は何か勘違いをしている。だから素の自分を見せて大原にその勘違いを解かせよう、その為には玉川上水巡りデートをしてつまらなさを体感させるのだと。
大原くん、存分にがっかりして下さい。
大原さん、一体何を言ってるんですか。玉川上水巡り、最高に面白いじゃないですか。自分でもブラタモリ(ボチコモリ)で見たと言ってるでしょう。つまりブラタモリに採用される程面白いのに。
大原、そんな事でつまらないとかは思わない。自分もブラタモリ好きだと言う。じゃあ先週の箱根の回は見たのだろうかって、そう言う時間軸?ブラタモリが「江戸の水 ~江戸の水が東京を潤す?~」をやったのは平成3年の11月6日。でもWikipediaで放送回リスト見たら玉川上水より後に箱根やってないんだけど。
玉川上水、私が勘違いしてた点があるのが分かって、羽村取水堰で取水した水を今でも水道水にしてると言うのだ。23区の方に来てからの玉川上水は復活事業で人工的に少しだけ水を流してる、と思っていたので水道水にするとは何だと思ったら、ああそうなのか、上流はそのまま東村山浄水場へ送ってるんだ。うちは実際の所はどの浄水場の水が来てるんだろう。因みに東京都水道局の浄水場別配水地図はこちら。
https://www.waterworks.metro.tokyo.lg.jp/suigen/map.html
羽村取水堰から歩いて立川崖線へ。そう、玉川上水は江戸に給水する為に台地の上に水を流さなくてはならない。でも取水したのは台地の下の多摩川。ポンプも無しに台地の上に流すにはどうするか。ブラタモリでやった気もするけど、微妙に台地のヘリを少しづつ辿って武蔵野台地上に出る仕組みにしてる。これは江戸時代としては難工事だったろう。
ほら、おもしれーじゃん。
でも大原が見てるのはその面白いのを見てる本城寺の方。
さらに進んで「幸せの鐘」。知らんがな。それどこにあるんだ。福生加美上水公園?
お昼になったけど、特にレストランとかコンビニに寄らず、本城寺が用意したスティック食事。そう言えば飲み物は?さらに進んで玉川上水駅。そして少しあるいて小平監視所。ここから東村山浄水場に流されるらしい。その近くに上水小橋。おお、この辺、全然知らなかったな。参考になる。ほら、おもしれーじゃん。
ここでブラタモリ風の本城寺による当時の場面復活。
それを大原に同意されてしまってたじろぐ。退屈じゃないのか。帰らないのか。これが楽しい筈がない。そんな人間が居る筈がない。だから、面白いって。
でも本城寺はそれが納得出来ない。だから大原との関係は今日限りにしましょう。アラスカ行きは自分が責任を取る。自分は大原と居るのが怖いのだ。
これっきりの筈だったのに、これで本当に良いのか。自分は大原と一緒に居たい。そして大原の方もこれで帰っちゃ駄目なんだ、ここで怯んだらあの時の権田と同じではないかと思った。それが帰らず本城寺の手を握りしめ、本城寺が握り返して、そして二人は幸せなキスを。
所謂気持ちが盛り上がったのでやっちゃいましたな二人、特に本城寺が頭と身体が真っ白になって大原に地図を託して帰るのが精一杯だった。
残された大原、本城寺があんなに冷静で居られるのに驚いたが、いや、本城寺、家に帰った瞬間に大爆発。声も放送出来ない程に。
しかし話はこの二人だけのガチガチ関係だけで終わらない。黒川支店長に謎の電話がかかって来たらしい。支店長は二人を呼び出す。何の話だろう。