パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき・第7話
フェニックスの魔石を換金したらこれっぽっち?お?トラブルか?と思ったけどアーネストがやけに真面目な顔してるので、ああ銅貨とか銀貨に対して金貨の違いか大金貨かなと思ったけど普通の金貨だった。
かなりの大金を手に入れたので、以前アーネストも言っていたいつまでも宿屋暮らしではなく家を借りたらとナルセーナは提案するが、ラウストが乗り気ではない。先日のフェニックスの一件でジークから一緒のパーティにならないかと言われていた。そうなると二人だけの愛の巣って訳には行くまい。それを言われたらナルセーナも主張出来ない。
確かに最低限ジークとは一緒にやりたい。あれだけの剣士が居るか居ないかではパーティの実力が段違いだ。そして遠距離攻撃の為には魔法使いのアーミアも必要。ライラは....そうだなあラウストの治癒師としての能力がいまいちだから要るか。
と言う事であの5人のパーティが結成され、結成記念はあの宿屋でおかみさんのサービス料理も付いたパーティー。おや?パーティ名が未だ付いてない気がする。
散々飲み食いしたらアーミアが最初に眠たくなった。ライラがじゃあ部屋に寝かせに連れて行くと立ち上がったが、それにナルセーナが一緒に行って折行っての話があると言う。
話と言うのはラウストに家の件を言ったけど断られた、ラウストって何を考えてるのか分からないと言う事だった。これを聞いたライラ、流石に愛の巣を言い出したとは大胆だなあと思う。それにしても何故こんな話を自分に?と聞いてみると、ナルセーナから見てライラは経験豊富な女性に見えるから。
そこから、じゃあライラとジークはどうなのかと言う話になって、その昔語り。ほら、私ってイケてる女じゃない、だから昔ジークと一緒のパーティだった時に自分目当てで入って来る男も居たんだよ。
「あー、マルグルスもやりたがってたみたいで」
こんな恋バナを聞いてはナルセーナも眠っていられない。
或日ジーク不在のタイミングで男がライラを襲って来たのだ。でもライラはただやられる女でなく、その男を倒して、帰って来たジークが自分のパーティでこんな事が起きた、仲間にする人間を見る目が無かったと恥じてその男を追放した(物理)後で、姿を消したと言うのだ。
そんな、勝手に姿を消しちゃうジークに怒ってるライラを見て宿屋の娘シーラが、なーんだジークの事を好きなんだと指摘してしまった。ナルセーナもアーミアもシーラも未だ子供なのに(パーティーの時にアーミアとナルセーナは酒を飲んでなかった)、みんなおませさんなんだから。
さて、ライラとジークの事は分かった。じゃあナルセーナの事をラウストはどう考えてるのか。別にナルセーナが嫌いとか、そんな訳じゃない。と言う所にタイミング良くアーネストがやって来る。ギルドとは別の仕事としてラウストの依頼でナルセーナの事を調べて貰っていたのだ。
と言うのも前回ナルセーナがアナレストリアト伯爵家の娘と発覚して、そうなると伯爵令嬢が冒険者としてこのままで良いのかと言う事になる。その辺を調べて貰ったのだが、確かにナルセーナはアナレストリアト伯爵令嬢だった。当然当初は伯爵はナルセーナが冒険者になると言うのに反対していた。何しろ唯一の後継者でもあるのだ。
しかしそれが一変する。或日突如としてナルセーナの髪が金髪から青髪に変わってしまった。え?あれってラウストを誤魔化すために染めてたんじゃないのか。そして青髪に変わったら伯爵が一転してナルセーナが冒険者になるのを許したのだ。だから今ここにナルセーナは居る。何だろう、青髪は呪われてる?
ともあれナルセーナはここまで積極的にラウストの所にやって来た。それを聞いたライラがうっかり自分もそれ位積極的に行かなくちゃならないのかなと口走ったので三人が聞き逃さない。
三人に後押しされてライラがジークと話があると外に連れ出す。その様子をうかがう三人とラウスト。
ところがライラがジークに「あなたのパートナーにしてくれない?」と言っても、肝心のジークがこの顔。これが鈍感男の顔です。
人生のパートナーとまで踏み込んで、やっとジークは理解した。まあこの時点で気づくのだから許してあげよう。考えておく、と言う返事に外のナルセーナ達は頭を抱えるものの、でもちゃんと考えてくれるのならとライラは受け入れる。
そしてラウストは今度はナルセーナに話があるから明日時間をくれと言う。
などと言う話が進みつつ、邪竜様と勇者と眠り姫の話が平行して進む。最初に邪竜様の場面が出た時は、ただ単に街角の描写かと思ったのに、それが続いてそして最後にはその眠り姫の髪が青いと描かれてしまった。
やはり青い髪は呪いだったのか。
伯爵はその運命を知ってナルセーナの好きにさせているのか?