パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき・第8話
前回は確かジークとライラがくっついてラウストがナルセーナに大事な話があると言い、アーミアだけお相手が居ないって話だったか。
ラウストが「明日」などと漠然とした言い方をしたせいでナルセーナが終始ボーっとしており、ジークとライラから早くなんとかしろと言われる。そこでそれじゃあと立った所に若い冒険者が倒れ込んで来た。
彼はキース。シーラやメアリーのよく知っている子だ。今回のアバンで一緒に行った冒険者からただの囮として扱われて命からがら逃げ帰って来たのだ。ボロボロになって。幸い、致命傷とかは無かったようだ。
囮にされた冒険者、これ比較的最近どこかのアニメで見たなと思ったら、ラウスト本人がやられた話だ。
これを見たラウストがナルセーナへの話は今は出来なくなったと顔色を変えて出かける。ギルドに行くとキースを囮にした冒険者達が他の冒険者達からキリキリと縛り上げられて居た。マーネル(?)が、ラウストの依頼どおりにしておいたぜって、え?ついさっきキースが逃げ込んで来たばかりでは?いつのまにラウストはそれを依頼したの?まさか携帯電話で?
こいつらどうする?と言われたラウストだが、これ以上の懲罰はしないが、もうこの街からは出ていけと追放処置にした。
ただ、ギルドから言わせたら冒険者同士でいざこざを起こしたり、勝手に懲罰を下して追放にしたりと言うのは規則から外れている。その辺りをハンザムがラウストに対して追及した。規則をやぶったから追放されるのはある意味ではラウスト、おまえの方だと。ただ、この物言いに他の冒険者は納得出来ない。
そこでラウストとハンザムの話し合いとなる。何故ここのギルドは問題のある冒険者を取り締まったり、迷宮孤児をちゃんと扱わないのか。ハンザム曰く、そんな人手も金も無い。それをやってるギルドはその結果として成果を出してるのか。大して成果は出していまい。なら人も金も出せない。いや、治安維持の姿勢は見せろよ。
ただし、冒険者の世界は厳しい。能力の無い冒険者は死ぬ事になる。それはおまえも良く知ってるだろうと言ってハンザムは左腕の大きな傷を見せた。それを見てラウストは気がついた。嘗て一緒に居た事のあるノグゼムではないか。
そしてここから回想。ハンザムもラウストも未だ若い冒険者だった頃。二人共あるパーティの荷物持ちとして雇われていた。但し一人前の冒険者としてではなくただの荷物持ちとして。
ところがある晩、ラウストが気がついた。ゴブリンが出現した。それで冒険者達を起こしたが、数え切れない程のゴブリンなので到底戦う訳には行かない。それどころか脱出するのさえ難しい。その結果どうしたかと言うと、パーティの連中はラウストとハンザムを囮としてゴブリンの所へ突き落として逃げてしまった。
ラウストとハンザムは何とか抵抗してうまく隠れる事が出来た。ゴブリンの習性として探しあぐねたら大勢の方に向かうと言うのだ。そんな習性あったのか。それは結果的に逃げた連中の方へゴブリンが向かう事になる。ラウストとハンザムは見逃される。ただ、この時にハンザムは左腕に深い傷を負っていて、逃げるのもままならない。それをラウストはゴブリンが戻って来る危険性も顧みずにヒールしたのだ。
その後二人は別々の道を歩んだが、ハンザムの方はミストと言う、今のここのギルド長に引き立てられてギルドの管理を任されている。そのハンザムが言う。ここのやり方が気に食わないのなら早々にここから出て行け。いや、ここを早く立ち去るのを勧める。ハンザムは悪意を持ってラウストを追い出そうとしているのではなく、どうやらここにずっと居るとまずいから逃げろと言ってるみたいだ。あれ?ひょっとしたらこの街にやさぐれた冒険者が集まっているの、まさか生贄の為?
これがその後のハンザムとミストとの会話で意味を持ちそうになって来る。王都の宰相からの手紙はアナレストリア家の青い髪の少女をしっかり監視していろと言う内容らしい。あの、前回人形使いが演じた物語はそのまま本当の話で青い髪の少女は邪竜を留める犠牲になると言う。宰相とミストはこの街に塔を建設して邪竜を封じる儀式をするつもりなのか。そしてヤサグレ冒険者達はその邪竜への囮にするつもりか?
一方で反ミスト派もギルド内にはあるらしい。それをアマーストが教えてくれる。守銭奴なのに魔物の退治をしてくれたら買い取り費用に自腹で上乗せしてくれると言う程に。