結婚するって、本当ですか・第7話
本城寺の前に海山が現れた。初めての東京で道が分からず自分の入居するアパートに辿り着けない。いや、今どきはストリートビューで事前に建物も道も全部見ておくものでは?当日はGoogleマップの通りに行くだけだし。
泣きつかれた本城寺が住所を見て案内するが、そこは本城寺のマンションの隣のアパートだった。何と言う都合の良い偶然。海山は名刺を渡してここでガラス職人の修行してると言う。
翌日会社で本城寺はじっと大原を見る。昨日海山を案内した事とかもうとっくに話てるんだろうなあと。
会社がひけて帰り道に伊勢崎線南のこうめ橋を渡る本城寺。これは多分海山のガラス工房へ向かってるのではと思ったらそうだった。中を覗いてみたら海山が今まさにガラスを吹こうとしていた。修行初日だから師匠からそうそう簡単にヨシとか言われまい、下手したら師匠が持ってる棒で出来たのを叩き割られるのではと思ったけど、流石にそこまではなかった。
一通り見終わって本城寺が帰ろうとした所を海山に気づかれる。人懐っこい海山、いきなり今日これから飲み会しようと言い出した。しかも本城寺の部屋で。海山の強い圧迫で思わずOKしてしまう本城寺。
本城寺の部屋に乗り込んだ海山、大量のビールも持ち込んだが、一緒にグラスも持ち込んだ。それは海山が自分で作ったグラス。石をすり込んでいるとの事で綺麗な色をしていた。
飲みながら愚痴もこぼす海山。そして本城寺にムカっとする事はあるのかと聞いて来る。地図の端が折れてたとか言い出してから、そこからどんどんビールを飲みながら本城寺も色々愚痴をこぼしだす。
こうなると話がもっと進み出す。海山から大原と本城寺が結婚すると聞いたけど偽装結婚なんですよねと言われ、さらに、でも本当の所大原とはどうなのかと聞かれる。聞かれた本城寺、それを聞きたいのはこっちだ!と言い出した。
阿蘇で何か言いかけて中断し、そしてこんな可愛い子が幼馴染で、じゃあ自分をどう思っているのか。
本城寺は聞いてみた。大原って以前からああ言うはっきりしない子だったのか。海山からしたらそんな事はない。昔あの秘密基地で暗くなってしまって帰り道が分からなくなったけど、大原がちゃんと帰り道を案内して、親から怒られるのも引き受けてくれた。うん、それってはっきりしない子かどうかとはちょっと違う気がする。
でも、だったら直接聞いてみようと言って海山は大原に電話した。今本城寺の家、すぐ来い。大原が話がある。
などと呼んでおいて海山は酔っ払って寝てしまった。
呼ばれてやって来た大原。どうやって住所も調べたのか。ともかく部屋に上がって本城寺と対面。本城寺はあの時何を言おうとしたのか言ってみろ。大原、ここは誤魔化した。一緒に散歩出来て良かったと言おうとしてたと。
それだけ?本城寺は勝手に想像してしまった自分が情けなくなった。
自分は最初は偽装結婚で特にどうと言う気持ちでもなく、でも段々違って来て、それを切ろうと思ってOFFにしたいと思ってるのにそれが大原のせいで出来ない。大原は一体どう思っているのか!
大原「俺は本城寺さんとつきあいたいです」
本城寺「ぎょえ!」(凄い声出たな)
これで二人共固まってしまった。どうしよう。これはなにかの間違いでは。今のは無かった事に、は出来ない。
このままずっとにらめっこしてとうとう大原が耐えきれずに海山を連れて帰るのを口実に帰ってしまった。