株式会社マジルミエ・第4話
地下を伝って商店街中に広がった怪異。広域魔法で一気に潰せば片付けられるかもしれないが、それでは昔ながらの商店街が滅茶苦茶になってしまう。
それで桜木が思いついたのが下水管を伝って消毒する様に怪異を叩く魔法。でもそんな魔法は存在しない。無ければ作れば良い。
マジルミエには二子山と言うマニアックなエンジニアが居るから、彼が一気に全部やるのかと思っていたけど、社長も設計するんだ。しかも魔法陣をその甘麦商店街に合わせてオーダーメイドで。20分、いや15分あれば作って送れる。それ迄現場の越谷と桜木は怪異が商店街の外に出ない様にしてくれ。
そこで二人は手分けして怪異が外に出そうな所を潰して行く。怪異って、カビみたいにただ単に増殖して行くのではなく、攻撃して来るのが厄介だな。攻撃をかわしつつ外に出そうな怪異を退治。
丁度その頃ASTの土刃が別の場所で業務を執行しようとしていた。依頼側がやけにその部屋にあるのは手に入りにくい物なので成る可く傷つけない様にと強調してたから、てっきり制圧の為には仕方ないのだと破壊してしまうのではと思ったが、結構穏便に始末していた。
新規魔法の開発は終わりつつある。あとはどこからそれを注入するか。成る可く口径の大きなマンホールが効果的だ。確か下水管のマップは公開されていた筈だが、実際の大きさは現物を見た者が正確だ。
ここで社長は桜木におまえが飛んだ付近に大きな口径のマンホールの蓋があった筈だ、覚えてるかと問う。出たな絶対記憶能力。桜木は記憶を辿って行く。そして思い出した。入口から50mの所。そこを起点として発動する魔法に仕上げて越谷に転送される。
現場は多くの怪異が出ていたが、それからの攻撃をぬって桜木が援護して越谷が魔法をぶち込んだ。
魔法は下水管を伝って商店街中へ。下水管から溢れた魔法が吹き上がる。
それを避難していた商店街の人達、そして土刃が見かける。土刃は知らない魔法だと言うが、でも日々新しく開発されてるのならそう言う事もあるのでは。
怪異退治が終わって、二人は商店街の人達に大感謝される。
ここで商店街の人達が二人を贈り物攻めにするのも良いけど、でも避難してる先でもっと心配してる場面があっても良かったよね。あれだけの怪異だ、ただでは済むまいとか、XX市では商店街の半分が潰れたと言うじゃないかとか。
ともかく、桜木と越谷のおかげで甘麦商店街は元のまま守られた。あの避難していた子が、それだけ描く時間が一体どこにあったのかと思う絵も贈られて。