真夜中ぱんチ・第5話
前回、譜風が過去の苦い記憶を乗り越えて歌が歌える様になった、そしてそれが動画として真夜中ぱんチのチャンネルに載ってどうやら好評だったらしく、その後も個人企画が順調で真咲は全員企画をやって行こうと考えたらしい。うーん、しかし三人の個人動画面白いのか?
ところが目にくまを作って編集もやったのにりぶ以外誰も居ない。これは一体どう言う事か。こんな事では自分の血はりぶにやれない。これにはりぶが泣きついた。なんでもするから。今何でもするって言ったよね。無人島貸し切りプランで無人島を借り切ってそこでサバイバル動画を撮って来い。
微妙に南鳥島に似てるな。
と言う事でやって来ましたミナミーノ島。あの時に譜風と苺子があの場に居なかった理由はこの時分かった。譜風はバイトで苺子は買い物。そりゃ仕方ない話だったのでは。
さて、大きなテーマは真咲の命令だったが、細かい企画はりぶが作った。
少女が水着で無人島生活。これなら当たるだろう。
一日目は拠点作り。場所は決めた。地ならしなどは十景達に任せてりぶが材料集め。漂着物探しも動画の一貫。ビニールシートも流木もあった。これで行けるぞ。動画も。
ヴァンパイアが本気出せばあの程度の荷物簡単に抱えて飛んで帰れる。そして帰ってみたら、あれま、もう立派な小屋が出来てる。どうやったんだと思ったら、十景がチョップで木を切り出したそうだ。でもそれじゃ普通の女の子四人のサバイバルにならないので、破棄してビニールシートテント。
そして火起こし。よくやる火起こし。苺子がやったらあっさり着火するが、それじゃ駄目で譜風にやらせる。
水の確保。チョロチョロしか出てないのを岩を破壊して沢山吹き出させようとか、煮沸しない水飲むとか、イチイチ人間の苦労を知らんな。
あれ?太陽光で蓄電とか文明の利器良いの?と思ったけど、動画を撮ると言う前提なら仕方ない。
ともあれ、一日目でりぶは真咲の動画作成の苦労が分かって来た。
人間の女の子らしく魚を獲るのも十景達には伝われないし。それにしてもヴァンパイアに魚は不要だったか。なので血を飲もうとしたが、血が無い。持って来るの忘れた。
そしてそこに台風襲来。当然テントなんて吹っ飛ぶし。辛うじて洞窟に避難した。本当の遭難になってしまった。これ、動画を録り続けちゃ駄目なのでは。十景が血迷って飛んで帰ろうとしたが、暴風雨に飛ばされて駄目。泳いでも駄目。筏も駄目。
少なくとも暴風雨過ぎるの待つべきでは。
苺子が衰弱してコウモリの姿に。追って譜風も。そして十景も。やはり最初から省エネモードになって天候が安定してる時に戻るべきだったな。それにしても20年平気で寝てたのに数日でここまで消耗するか。
結局思った通りの動画は全然撮れなかった。最後の場面だけ撮ろうと撮ってりぶは倒れる。
その頃、真咲は一週間経ったのに帰って来ないと思ってたら、血のパックが残っていて忘れて行ったのかと気づいた。この展開は多分真咲が助けに来てくれる、でも真咲の力だとどうにもならないからゆきに頼むんだなと思ったら、そのとおりだった。
ゆきに泣きついたそうだ。
でも助かったとは言ってもちゃんとした動画撮れなくて真咲に合わせる顔が無いと言うりぶ。みんなが寝てるうちに真咲は動画をチェックしてた。あれだけあれば編集でどうにでもなる。良い素材だった。
今回でりぶは動画作りの大変さを思い知った。真咲と一緒に頑張る。
ここ、日向と日陰同士で腕だけ伸ばしてタッチすると思ったけど、真咲が日向から日陰に歩み寄ったな。