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【推しの子】(第2期)・第17話

舞台東ブレが開幕した。
順調に舞台が進んで行くが、この舞台は「推しの子」の物語的には大きな流れの中ではアクアがアイを殺した犯人を探す為に金田一に近づく為の物だが、舞台をやる上で埋め込まれた要素がある。

一つは最初に揉めた原作者と脚本家の対立。これはアビ子とGOAがめでたく意気投合して解決する。

その結果としてGOAの尖った脚本が生まれたが、それを演じるにはアクアには感情演技が求められた。だがアクアはこれまで感情を表に出す事が出来なかった。それはアイが殺された時のPTSDのせいで。それを克服出来るのかが二ツ目の要素。これは五反田が手を貸したが、その結果はこれから。

もう一つ、かなとあかねの対決。どちらも自分が演者として上である事を示したい。ララライ随一の役者姫川から見て単純に比較しても甲乙つけ難い。だが今回の東ブレに限って言えばかなだ。何故なら演じる時の相手が自分だからだ。

ここでもう一つの要素が生まれてしまった。姫川が居るからかながあかねの上。だがあかねは契約上と言う修飾語付きの恋人であるアクアに自分の彼女がやられるのを黙って見過ごすなんて事はしないでと言う。それにアクアが応えると言う事は、感情演技の問題を克服して尚且つ姫川の演技を超えると言う事だ。この対決はこのエピソードの最後に持ち込まれるのだろう。

そしてその前に結果を出す物がもう一つ。今回の舞台には鏑木のゴリ押しによってメルトが加えられていた。この話が始まってからずっとメルトは今日あまでアクアとかなの演技を見せつけられて今迄の自分の大根さに後悔していた。そしてそれは今日あま原作者の吉祥寺の評価もずっとそうで、毎回毎回メルトは吉祥寺に塩対応されていた。随分何度もそこをほじくり返すなと思ったけど、そうか今回のこの話の為だったんだ。

今日あまで後悔したメルトはあの後それなりに役者としての稽古に励んでいた。だが、そう簡単に大根が名優になれる訳がない。だからこの東ブレの稽古の最中もずっと格下の状況におかれていた。これはプロデューサーの雷田もそう見ていた。なんでこんなやっと水準に指先が届くのかどうかの役者を鏑木は押し込んで来たのかと。でも鏑木、ただ単に利害関係だけでない気持ちがあった様に雷田との会話の時に様子を見せる。君も好きでしょう、がむしゃらに努力する子。
参考資料

メルトの件は、前回メルトが鴨志田に対してルビーの友達のみなみを誘おうとした時にそれを掣肘した事で吹き出す。演技が下手くそなくせに何をいっちょうまえに自分に意見してるんだと。それにメルトは言い返せない。

そして今回の舞台で鴨志田とメルトの対決が組まれる。鴨志田はあんなチャラ男ではあるが、2.5次元の舞台の勘所を掴んでいる。作品を2.5次元でしっかり昇華させている。それを見た他の役者も鴨志田から勉強してる。それ程の役者ではある。だからこの舞台ですっかり鴨志田に押されっぱなしのメルトだった。稽古の時から。

なのでメルトは恥を忍んでアクアにどうしたら良いのか聞いてみる。するとアクアが下手ならそれで良いのではないかと。折角聞いたのにその答えは何だと思ったメルトだったが、アクアの言いたい事は違う。全部を底上げしようとしても今の時点では焼け石に水だ。だからある一点だけで光れ。
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観客は確かにメルトに関してはこんな程度の役者なんだと見ていた。一人だけ何だか下手だねと。当然、「世界で一番厳しい目で見る」吉祥寺もそうだった。ほらメルトはこの程度の役者。何故人が魂を削って作った作品にこんなのを出すのか。そうやって観てる全員がメルトを侮る。観てる方だけでなく鴨志田も侮る。

そしてその時は訪れる。鴨志田とやりあう場面の最後の1分。

アビ子が喜ぶのは勿論、世界で一番メルトに厳しい目を向けてる吉祥寺が感動した。吉祥寺が認めたらそれは本物だ。だからこの話、ずっと吉祥寺が出ていたし塩対応していた。今回ここで決める為に。

鏑木「ほら、僕の目に間違いは無かった」
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