真夜中ぱんチ・第6話
苺子が公園で子供達と遊んでいた。
遊び終わって晩杯荘に戻ったら、いきなり爆発音みたいなのがして十景が飛び出して来た。何やったんだ。
そして本編が始まったらみんなでどこかの廃墟みたいな建物に向かっていた。まさかヴァンパイアが幽霊みたいなのを恐れるの?と思ったら、そうじゃない。どうやらそこはマザーの居城(本部)。ゆきが全員を呼び出したのだ。
と言うのもあれだけの爆発を起こしたら世間では事件になる。なのでニュース沙汰になって、十景が付近の住民としてインタビューを受けていたのだが、これは隠れて暮らす筈のヴァンパイアとしてはあってはならない事。なので今回は本格的にマザーがお怒りなのだ。
ヴァンパイアじゃないけど真咲も巻き込まれてここに来た。ただ、話を聞いてみたら真咲が一緒に来たのも仕方なくて、まず十景が今回たまたまパチンコか何かで大儲けしたらしい。そんな訳で十景が儲けた金で宴会をして、調子に乗って胴上げして、そした十景が飛び出したのだ。いや、胴上げから何故そうなる。ともあれそこに真咲も参加していたのだ。
目立ってしまった事にマザーはお怒りで、晩杯荘は取り壊すと決定した。おまえらは全員腐ったみかんだ!とマザーは仰ってる。それ最初言い出したの知らないけど、よく言われる事だよね。
晩杯荘を取り壊したらりぶ達は別の所へ移らねばならない。問題児が居る所へ移れと言うのだが、ヴァンパイアは他にも問題児が居るのか。そして真咲はそこには入れられない。当然ヴァンパイア一族が真咲の面倒を見る義理は無いのでどこか好きな所へ行け。
ただ、りぶは一番反対した。真咲の血を狙っているのだから。そして譜風も他のヴァンパイアの所へは行きたくない。十景は釘の調整の分かってるパチンコ店から離れたくないと言う。苺子も猛反対。この時点では苺子の反対理由はあの子供達から離れたくないからかなと思ったのだが。
りぶがあれは酒が悪いんだとか言い出した。それは理由になっとらんだろ。とうとうマザーが怒る。ちょっと風を起こしたらりぶの両手が吹っ飛んだ。なるほど、ここでマザーの怖さを示しておくのか。まありぶだとくっつくんだけど。
これで何も言えなくなったが、晩杯荘に戻ったらみんなの気持ちが変わってる。りぶは真咲との同棲生活をしようとしてニヤニヤしてるし、譜風は流石にマザーには逆らえない、そして十景は別の場所に住んでも馴染みのパチンコ店に飛んでいけばいい。
ここで十景がはっきり言う。晩杯荘にこだわってるのは苺子だけだろ。
一人パチンコ店に残された苺子に補導員が声をかけた。子供がパチンコやっちゃ駄目。小さい子だから声かけだけで済んだのだろうが、でも苺子は110歳です。
みんなは晩杯荘の価値が分かってないだけだと言う苺子は鍋の用意をして待っていた。でも真咲は疑問だった。ヴァンパイアは食事が要らないのでは。みんなで食事は苺子のこだわりだった。苺子は元は人間。苺子がヴァンパイアになった頃は野放しのヴァンパイアも居て勝手に人間をヴァンパイア化する奴も居た。そうやって一人ヴァンパイアにされてしまった苺子だが、一人だけの状態で彷徨っていたらこの晩杯荘でりぶが拾ってくれたのだ。それにしてもさっき110歳と言っただけの事はあって、苺子がヴァンパイアになったばかりの日本って1920年頃だから第一次世界大戦が終わって間もなくの風景か。
人間からヴァンパイアになったばかりの苺子、みんなと一緒に食事をしたくて毎回ごはんを作っていた。最初はりぶも十景も見向きもしなかったが、やがてりぶが食べてくれ、そして十景も巻き込んで、やがて譜風も来た。そんな思い出があるのだ。
みんなが帰って来る迄食べられない、それを聞いた真咲が分かった何とかすると言って立ち上がったと思ったら、ニンニクを身体に巻いて自分がマザーに談判に行くと言うのだ。それを見てりぶ達がそんなのでどうにもならないと言うのだ。
その後、真咲がニンニクを外して帰って来たし、みんなも帰って来たので、まさかもう談判が済んだのかと思ったが、どうやら一旦引き留めたらしい。
晩杯荘を壊さないで請願をどうするか。頭を下げただけでは赦してくれない。晩杯荘に居る事で成長したと言うのを見せよう。それには何が。そこで思い出したのが苺子が子供達から見せて貰った動画らしい。何だろう。その後、凄い特訓するんだけど。
そしてゆきを呼ぶ。マザーにはオンラインミーティングで参加して貰う。何使うのかと思ったら、ZoomじゃなくてBoomか。真咲はマザーの顔が見られるかもと思ったが、いやあ、普通は顔出しミーティングなんてしないだろ。私もいつも名前だけだよ。
そうしてりぶ達の晩杯荘での成果を見せる。私達は腐ったミカンではない。
あれ?それミュージックベル演奏?曲は蛍の光。
ちゃんと演奏は出来たけど、それでマザーがOKとか言わんだろ。それ以前にゆきが激怒してる。わざわざ呼び出してこれかと。
でも苺子が抵抗した。ゆき、我儘を言うのはやめろ迷惑だと止めた。迷惑だは苺子には悲しい一言だった。
大泣きする苺子にりぶ達が何も言えなかったが、真咲が黙っていられなかった。あんな経緯も聞いたし、苺子達が晩杯荘でどれだけ共同生活をちゃんと出来ていたか、あの鍋の場面から動画は撮ってある。それをマザーに見せる。
これでマザーが「おま...」と言いそうだったが、ゆきがそれに言葉を被せた。お前たちだけを特別扱いなど出来ない。しかしそれにりぶ達が抵抗する。自分達は動画を作って協力してる。いつか登録者100万人を目指す。そして立派になってみせる。
これにマザーが応えた。半年で100万人集めたら取り壊しをやめてやる。
これで差し迫った登録者100万人の目標が確定した。
今迄は単に真咲の血が飲める(いつになるか知らないけど)目標だったけど。