【推しの子】(第2期)・第13話
今回、第13話を見たけどつい最近あった原作者と脚本家の事件の事は忘れて見た方が良いのではなかろうか。勿論こちらの方が時間的にも先だから事件とは無関係だし、その上であの事件の先入観を拭い去って見たいものだ。
前回の最後に衝撃的な一言を放ったアビ子先生。
そこに至る迄の事情は誰かが悪いと言う訳でもないのだ。プロデューサーの雷田澄彰は何とか取り持とうとするし、GOAには今回は何とか飲んで欲しいと深々と頭を下げる。そのGOAもそうなのだ。自分は原作を活かさねばならないとちゃんと本は読んである。プロデューサー達とも話をした上で脚本を仕上げている。ところがそれはアビ子の気に入らない内容だった。そのクレームが伝言ゲームとなってなかなかGOAにちゃんと伝わっていない。その結果がこの顔合わせの時のアビ子の爆発となってしまった。GOAがいかに原作者を尊重して作品に仕上げようとしていたのかは作中で描かれる。寝る時間も削って何とかしようとしていた。
アビ子は、吉祥寺頼子が心配したとおりの激情家だった。自分の作品が自分の思っているとおりになっていない、特にキャラが自分が思い描いていたキャラになっていないのはどうにも我慢出来なかった。舞台の都合で筋が少し変わるのは仕方ないかもしれない。特に連載中の作品となれば、舞台の限られた時間で行われる物語はその限られた範囲でちゃんとフィナーレを迎えられなければならない。それは分かる様だ。だが、キャラが、自分が生んだキャラが別物にされるのは全く許容出来ない。利用許諾を断っても構わない。契約違反金なら自分が払う。
世の中、それで済まないのは雷田が一番よく分かってる。そして出版社の編集も同じだ。だからアビ子が、自分の本を読んだ上でこんな脚本しか書いて来ない脚本家は降りろ、自分が脚本を書くと言って聞かない。
これを外から聞いているのがGOAで、実に気の毒な様子。
さて、拗れてしまった東京ブレイドの2.5次元舞台、どうやって解きほぐして行くのか。誰がどんなきっかけを出すのか。物語の性格上アクアが何かしそうだけど、今のアクアの立ち位置はただ単に舞台に参加しているだけで、その目的もどうにか金田一からアイの情報を掴みだそうと言う姿勢なので、今この時点で何かをする様には見えない。
でもひょっとして今回あかねがアクアを舞台見物に誘う事になにかのきっかけが出来るかも。因みに私は舞台芸術は高く評価していて、と言っても私の専門分野はオペラでそれこそその場でオーケストラの生演奏を伴わない映像は全く足元にも及ばない、みたいな印象を持っている。