小市民シリーズ・第1話
期待どおりと言うか、期待以上と言うか、面白かった。「氷菓」の時もそうだったけど米澤穂信さんは名前買い出来る人だと思う。
今回の主人公ペアは小鳩常悟朗と小佐内ゆき。何が理由かは分からないがことさら「小市民」でいようとしている。特にうっかり小鳩が何かに突っ込みそうになると小佐内はもうやっちゃ駄目と言ったのにみたいな反応をした。
ところが小市民で済ましてくれないヤツが居る。あの誰に対しても偉そうな堂島健吾。「悪い人」とはちょっと違うと思うが、どうしてあそこまで強圧的に人に命令するのか。
今回は吉口のポシェットが体育の授業の間に無くなったので探せと言うのだ。堂島が仕切ってるらしいが小鳩を含めた男子三人は何故動員されたのか。小鳩に関しては堂島が心の中では一番信頼してそうだが、残りの二人は?たまたま目の前に居たから動員されたか。この堂島の性格ならありそうだ。
吉口が他の女子から特段どうこう思われている節が無く(入学したばかりだし)、そうなると単純に窃盗の可能性は出て来る。但し中に貴重品は無い。
堂島が動員した二人のうち、一人はとっとと逃げてしまった。もう一人は自分の居る場所をはぐらかしてばかりだ。その行動はちょっと謎だ。そしてその一人が謎行動を他にもする。こうなって来ると怪しいのはそいつで小鳩の推理どおりにポシェットは出現し、中を見てみたら手紙が入っていた。何だよラブレターかよ。迷いがこんな事を引き起こしたんだ。
これで晴れて春期限定いちごタルトが買いに行けるねとその後はずっとそれが気がかりだったが、無事に「最後の二つ」が帰る。
だが、その後に事件が起きる。自転車がパクられたと言う不良連中の会話があって、これはやべーと思ったら最悪の事態になった。