Unnamed Memory・第9話
タァイーリ王国で崇められていた唯一神イルティリディアを珠に吸い込んでそれを飲み込み、オスカーのアカーシアで貫き滅ぼしたティナーシャ。それを聞いて飽きれるルクレツィア。でもこれで諸々を片付けて何もかもが終わったティナーシャはどうするのか。
契約期間は未だ残ってるんでしょう?と言うルクレツィアがニヤリ。
オスカーとの契約期間は終わってはいない。だがやらねばならない事はもう終わった筈。では残った期間をオスカーとどうするのか。
重臣達は色々あったが全部無事に済ませられた一年だったと慨嘆する。あとは国王陛下(今はもうオスカー)が妃さえ決めれば王国も安泰。あ、まあ、王子が生まれてこそ安泰。そして妃と言えばティナーシャが妃になってくれればと思うのだ。しかしそこで反対する者はやはり居る。彼女は魔女だ。魔女が王妃と言うのは受け入れるのは難しいとノーマンは言う。
そこにティナーシャとパミラが通りがかった。聞かれちゃった。臆せずにノーマンは言う。オスカーがいつまでもティナーシャに執着してるとこの国は王妃が迎えられない。立ち去る時はちゃんとそれなりの処置をして立ち去って欲しい。ズバリと言いました。
でもそれにはティナーシャの隣に居たパミラが怒った。思わず何かしそうになるのをティナーシャが止めて、それは承知していると言う。オスカーから自分の記憶を消して去る。
パミラは確認した。さっきの事は本当か。オスカーの記憶を消したらあなたの事を知らない事になってしまう。ティナーシャはそれで構わない。でもそれをしなくともオスカーは自分がなすべき事をするだろう。それよりも何もかも為した自分が未だ生きてるのはどうなのか。それを聞いたパミラがティナーシャに怒る。勝手に死ぬ様な事を言うな。その前に人の中で生きて人として生を全うしてくれと。
この時に見上げた星空が綺麗だったので珠の中にそれを写してオスカーにプレゼントする。
オスカー、自分と結婚して魔女をやめろ。一緒に歳をとろう。これ、このままいい感じになりそうだったのに、ラザルやってくれるな。緊急の知らせだと言ってドアを激しく叩く。そりゃオスカーも不機嫌になる。
でもその後に起きる事はラザルの用事とは違う。つまりラザルの呼び出しはそこまで重要ではなく、そうなると尚更オスカーの邪魔をしたのは万死に値する。それは置いておいて。
城の結界が何故か破られて魔物が襲来して来た。緊急事態にティナーシャも出撃するが、王城の兵士も出撃する。勿論オスカーもだ。
兵士達は三人一組で魔物と交戦する。不意を突かれない様に。これは正しい。だから後でオスカーが一人で戦っているのは不用意すぎる。もう国王だぞ。いくら無敵でも。急な襲撃でノーマンがこれは一体何事かと文官なのにノコノコと出て来るので襲撃を受けかける。それはティナーシャが撃退。城の中にいろと。
兵やティナーシャの活躍で魔物は撃退されて言ったが、ほら見ろ、オスカーが一人で居たら侍女らしき女がいかにも怪しげに一人うずくまっていたから、思わず手を差し伸べると何かされた。その女の名前はアデライーヤ、レオノーラ配下。って誰?
ティナーシャはオスカーが倒れているのを発見。指先に針が刺さっている。ティナーシャの焦りようは普通ではない。
オスカーは猛毒級のアルカキアが塗られた針を刺されたのだ。ティナーシャがオスカーの時間の進みを止めて死にそうなのを阻止する。ルクレツィアが言う、暗黒時代から誰一人として生還者が居ない猛毒でもう無理だと。しかしティナーシャはそれを何とかしようとする。だからルクレツィアを呼んだ。オスカーの時間を止め、その間に血清を作る。自分の身体を使って。それは即ちティナーシャに毒を入れると言う事だ。
ティナーシャが苦しんだ挙げ句に死ぬかもしれない。だからルクレツィアは嫌だと言うがティナーシャはやる、そのだけの価値がオスカーにあるとティナーシャは言い切るのだ。仕方ない。手伝おう。ルクレツィアは手伝う事にした。
血清の代わりにティナーシャは死ぬかもしれない。その時の処理はルクレツィアに頼んだ。さらにはオスカーからティナーシャの記憶を消してとも言われるが、ルクレツィアはそれだけはお断りだ。ティナーシャの事は彼には一生背負ってもらわねば。
血清はちゃんと出来たらしい。オスカーは目覚める。ラザル達が見守っていたのを見てオスカーは誰かが居ない様に思えると言う。あ、記憶消したの?でもあの珠は残ってる。それを見つめる所をノーマンが出くわす。あのティナーシャが妃になるのを反対したノーマンだが、わざわざここで妃の話を切り出す。それでオスカーはティナーシャを思い出した。
塔に来たオスカー。ルクレツィアが何故来たのかと問い詰める。記憶を操作した筈なのに。
寝具をめくろうとしたオスカーをルクレツィアは止めるが、これは自分のせいでついた傷なのだろうと言うとルクレツィアもそれ以上は止めない。
完治したティナーシャがオスカーを尋ねると、自分の事をどう思ってるかとの問いに単に「大事」と答えたらオスカーに笑われた。何故笑われたんだとルクレツィアのみならずアルス達の前で不満を漏らしたが、そりゃアルスも飽きれる。分からないのか。
レナートが黙っていられない。オスカーに対して契約者以上に男性として愛情を持ってるのではないか。え?!と驚くティナーシャ。
そして恐る恐る聞く。
「私ってオスカーの事を好きだと思う人....」
やっとティナーシャ、自覚したよ。そしてオスカーの部屋へ。
オスカーもティナーシャが自覚してなかった事にあきれたが、でもそれが良い。
あ、次回が「白紙の子供たち」って、二人のこの夜の子供?(多分違う