夜のクラゲは泳げない・第12話・最終回
イラストの使用にあたってまひるから雪音に条件が出る。このイベントの時にJELEEも参加させて欲しい。当然雪音はまず断る。それがサンフラワードールズにどんなメリットがあるのか。そもそもイラストの契約条件にJELEEを出すなんて無いし。
まひるは今のJELEEがバズってるから、集客があると言うが雪音からしたらそれは炎上からの再生数ではないか、客は炎上かどうかを敏感に嗅ぎ分けると言う。そうではない何かをまひるは持っているのか。
ここで一旦花音達の方に場面が切り替わるが、JELEEの所にメールが入る。それは雪音からJELEEへの出演依頼。雪音が納得したのか。何を言ったんだまひる。逡巡した表情の花音だったがこの依頼を受けたいとはっきり言う。
そしてまひるの場面へ。まひるの表情はしっかりして答える。自分は恩を受けた相手には返したいから。あれ?これで納得したの?
それでやって来た年末参道ライブ。竜ヶ崎ノクスからは視聴者におまえら予定通りにやって来いよと放送された。みー子が青いビニール傘を用意していたが、どうやらみんなで青いビニール傘を持ち込むらしい。世間の反応は雪音が言った様に炎上商法なんだろと言う声もあったが竜ヶ崎ノクスそんなものJELEEはぶっ飛ばすと言う。
周りの環境は整って来てるが、花音は大丈夫かなあ。決意は見せてるけど。そう心配したら雪音とまひるが話してる場面を見て忽ち固まってしまった。このままだとヤバいね。
でもライブは始まってしまう。先にサンフラワードールズ。お金かかってますね。
花音は行ってくると言ってエスカレーターを下りるが顔がうつむいてる。歌う理由を見いだせないまま。キウイとめいは手を握って送り出すけど花音の表情は未だ固い。そして非難する声ばかりが聞こえる。
だから司会にふられても全然話せない。アバターが花音と同じ様にうつむいてる。声が出て来ない。マイクを下げてしまった花音を前を向かせるのは誰だと思ったら、メロだったよ。ちゃんと前を見ろ。そこにはまひるのクラゲが居るではないか。約束を果たすクラゲが。この時点では、花音はまひるのクラゲが出て来るなんて思っていなかった。だって年末に向けて曲を作って行こうと言う時にまひるはサンフラワードールズの仕事を受けたと言っていたのだから、JELEEの時にまひるの絵が出るなんて思っていなかった
まひる、描いてくれたのだ。渋谷に大きな水族館を作る約束を果たす為に。これで花音の顔が上がる。客の顔も黒いノイズから人の顔に変わる。JELEEの歌が始まる。
めい、これキウイが特急で作ったの?と聞くが、今までの広告収入を注ぎ込んで特急料金でやって貰ったのだそうだ。え?30万円程度で出来るの?出来るのかも。これが凄く高そうに見えるのはプロジェクションマッピングしてるからか。
そしてノクスが依頼したみんなへの青いビニール傘。それが全部花開いていく。青で埋め尽くされるとそこはまひるの絵と一緒になって渋谷が大きい水族館になった。
歌が終わって花音に駆け寄るまひる....いや、てっきり登りのエスカレーターを下りていくと思ったんだが。
約束守れたよ。
ライブが終わったらプロジェクションマッピングでスタッフロールが出る。雪音がちゃんとご挨拶とスタッフを流すのだが、最後にJELEEの名前も出て来て、海月ヨル/光月まひるの他に竜ヶ崎ノクスと木村ちゃんと、そして最後に「早川花音」。娘の名前として出してくれた。
この日のライブ、同時接続が50,000人を突破。やけに喜ぶ花音だが、この数字は意味があったのだ。ドームを全部埋めたら50,000人。雪音が自分の夢だったドームでライブすると言うのを数字でかなえた。
月日はめぐり、卒業の季節。みー子は32歳になるし、まひるはクラスメイトから黒板アートを頼まれるし、木村ちゃんには卒業おめでとうございますとプレゼントを持って来る在校生も居るし。この子、JELEEの歌に救われたと言うのだ。歌がみんなを救うの連鎖してるね。
そして四人が集まったあの壁画の前。青いペンキを上書きしてると思ったら、新しい絵の為に下地の青か。全部塗るの大変だったけど、塗り終わったらみんなで絵を描いて行く。ずっとこうしていたいね、今日と言う日が終わらなければいいのにと言う花音に、まひるは今日が終わったらまた明日もそして明後日もすっと一緒にいれば良いんだよと言うのだ。
泳げなくなった四人が泳ぎ出せた物語。