ダンジョン飯・第18話
上に行く階段はあんなに探しても見つからなかったのに、下に行くと決めたらあっさり下る階段は見つかった。血の跡が残っていて、これはきっとファリンのものだ。
ライオスはシュローにあんな大見栄をきったものの、どんな算段があるのか。ライオス曰く赤龍もファリンもデルガルを探していた。狂乱の魔術師に命じられてのものだ。皆もデルガルと言う名には聞き覚えがあった。千年程前の王で、外に出て塵となって消えてしまった。
あれ?もうすっかり忘れちゃってるけど「そう言い残すと男は塵となって消えた」の男か。最初にやったっけ。そしてこれってダンジョン飯が出典だったのかとか思ったんだったっけ。ここに来てすっかり繋がったよ。
狂乱の魔術師はデルガルがもう塵になったとは知らずに赤龍を使って探している。だからデルガルはもう塵になって消えてしまったよと教えてやれば、話し合いになるだろう。だってもうデルガルを探さなくて良いのだから。そうライオスが言うと、マルシルはそうかーと安心するが、チルチャックは当然そう簡単には行かないだろ?と言う顔つきをしていた。
そもそもライオスが狂乱の魔術師やデルガルをどうやって知ったのかと言うと、あの絵画の中に入った時に見たのだ。先にそれを言ってやれ。
ただ、ライオスの考えを否定したって別の方策がある訳じゃないんだよね。
下の階層は嘗てドワーフ が作った果てしない通路の階層。そして酷い吹雪になって来た。以前来た時は蒸し暑かったのに。でも全滅しかけたのは確かにこの階層だ。チルチャックは覚えていた。あまりの猛吹雪に、バラバラになってはいけないと皆で手を繋ぐ。うん、マルシルが握った相手は誰だ?
横穴を見つけたのでそちらに入って灯りをつけたら、あらびっくり、全員が四人になっていた。驚く面々だが、魔物の知識が深いライオスは理由だけは分かる。これはシェイプシフターだ。各々の記憶の中にあるイメージで偽物を作り出す。厄介なのはそのままにしておくと本物に取って代わる点なので、早く偽物を選別しなくてはならない。先ず明らかに違うのはすぐに排除。あ、このマルシルは酷い。
ライオスの偽物も判別が容易だったのでライオスは本物一人に絞られた。
マルシル達は持ち物検査で二人に迄は絞られた。ただ、時間が経つと本物に近く補正されて行くのは選別を一層難しくする。こうして残った六人から三人を抜き出す判定者にライオスが選ばれた。
黙って見ていても判定は難しいので、料理を作ってみてその間の行動で判定する事にした。でも少なくともセンシ白鉢巻は顔が凛々しいので違うのでは?センシのAとBはその鉢巻が違うから区別出来るとして、あ、残りも赤と白で区別出来る様にしたのか。
チルチャックの片方は箱に腰掛けたので私も違和感があった。マルシルはハーピーの卵だと聞いた時の反応がAとBで確かに違うが、うーん、だからと言ってどっちが本物だろう。ちょっと悩む。
兎も角、ライオスが観察した結果、偽物があぶり出される。チルチャック は、あの箱が決め手。箱にはミミックが潜んでいる可能性が高くて以前チルチャックは箱を毛嫌いしていた。
マルシルは考え方が不用意な方が本物、センシはダンジョンの生態系を重んじなかった方が偽物。これで峻別はついたが、ライオスには分かる。シェイプシフターを発生させたヤツが居る。ヤツは奥だ。ライオスは猟犬となって相手を狩る側から狩られる側へと引きずり出す。ライオスの咆哮に魔物は正体を現した。だがそのまま猟犬になって倒せるのか?と思ったらマルシルのポーズを見て分かる。
マルシルの魔法によって一撃で倒した。
魔物の本体を倒したら料理は葉っぱになってしまって作り直し。でも作り直した料理を食べていると荷物の一部が無い。こぼれた米粒を追って行くと、みんながそちらに集中してるうちにマルシルが掴まった。
これ足抜けしたヒエンでは?でも何故こんな事を?