転生貴族、鑑定スキルで成り上がる・第1話
とある男性が一般異世界転生しました。
※現世日本でブラック企業に勤めて過労で死んで異世界に転生するのは、あまりにも多く見られるので今度から「一般異世界転生」の一言で良いのでは?
転生先は異世界の貴族の息子。但し地方の1000人程度の領民の貴族なのでそんなには力は無いけどまあ貴族様。
一般異世界転生の中でも記憶は丸ごと残っているタイプで(でも身体の方はリセットみたい)、生まれてすぐに出来る事としてこの世界の勉強をする事にした。それ3歳の出来る事じゃないけど。
アルス・ローベルトとして育った彼には特別な能力があった。うん、多分タイトルにある鑑定スキルなんだな、どんな骨董品を鑑定するんだと思ったら人間の鑑定だった。兵の練習の中で槍が全然上手くないミレーと言う男に弓をやってみたらどうかと勧める。ミレーは最初は弓なんかと言っていたけど打ってみたら百発百中で、周りがすげーぞと言ってくれるのでミレーもその気になって今後は弓で行く事にする。
アルスの父は怖そうで武勇で鳴らす平民から成り上がった男レイブンだった。これアバンで亡くなったみたいに描かれていたね。この人、そうなっちゃうのか。ただ、弟か妹がその場に居たのでもう少し先なのだろう。
アルスが世情分析した所、一度は大陸を統一したサマフォース帝国だったが統治する側に腐敗が進んで各地で反乱も発生し遅かれ早かれ戦乱の時代が来るだろうと言うものだった。うん、唐朝末期とか明朝末期みたいな感じ?
ともあれそれを予見したアルスは自分を育んでくれたここの領民達を守らねばと思う。その為には領地を強くせねば。手っ取り早い考えだと経済的に富ませて軍事力強化かな。アルスの気持ちは防衛出来ればよいのだから。あと前世の知識があるならもっと近代的兵器が作れるのでは。鉄砲とか。
でもそれだとタイトルとあまり合わない。アルスがある日人材探しに街に出たら一人の男が追い出されている場面だった。これは肌の色がこっと違って、どうも他の大陸の人種らしい。ここではそちらの民族マルカ人を蔑んで居る。
でもアルスが鑑定したらとんでもない能力を持っている。その男、リーツ・ミューセスは信長級だった。他のみんながマルカ人なんてと言うのを排除してアルスは何とかリーツを自分の家臣にしたいと思う。こんな逸材を逃してはならない。
使用人達はアルスの一声である程度従わせられるが、家臣にするなら父領主を説得せねばならない。だが父もマルカ人には偏見を持っている。ただ以前ミレーの才能を見抜いたアルスがこうまで熱心に頼むのでレイヴンはそれならばと自分に一太刀入れられたら考えようと言う。レイヴンは帝国随一の武勇の者。流石にハンデをつけようと言うけど。
戦い始めたら全然ハンデつけてないぞ。ルールがハンデなのか。普通に戦うとレイヴンはやはり圧倒的に強い。しかしそれをリーツは戦略で対抗し、かすかながら一太刀入れる事が出来た。確かにアルスが才能を見つけただけの事はあるとレイヴンはリーツをアルスの家臣にする事を認めた。